ストーリー
サラ金会社社長・山川耕三が密室内で遺体で見つかった(PC版では自殺、ファミコン版では明らかな殺人とされる)。プレイヤー(作中ではボス)は部下の真野康彦(作中ではヤス)と共に事件の捜査に乗り出すが、今度は山川の関係者と思しき人物が相次いで不審な死を遂げる…。
概要
堀井雄二が手がけたアドベンチャーゲーム3部作の一つ。初期PC版では今ほど有名ではなかった堀井雄二がプログラムとグラフィックも担当している(当時は珍しくない)。
原作ではコマンドをテキストで直接入力する形式だったが、ファミコン版への移植にあたってコマンド選択式を採用、新しい捜査場所が追加されるなどの変更がなされた。世界で初めて家庭用テレビゲーム機において登場した本格アドベンチャーゲームだったことや、週刊少年ジャンプで特集されたこともあり、ファミコン版は60万本以上を売り上げるヒットを記録した。
真犯人があまりにも有名。
テキスト表示の工夫
当時はフォントに使える容量も少なくテキスト中心のゲームはかな文字表記、それもかな文字と濁点/半濁点は別々の文字を使ってくっつけて表示するのが一般的であったが、等幅フォントなので横に並べると濁点半濁点の部分が不自然に空いてしまうという弱点があった(「ポ ートピ ア」のような感じ)。
ファミコン版ポートピアではテキストの行間を1行開け、その開いた行間を使ってかな文字の上に濁点・半濁点をくっつけることで比較的自然な表示を実現した。
これは次作のドラゴンクエストにも採用され、ファミコンやMSXでのテキスト表示の標準的な形式として定着することになる。
余談
開発陣はRPGをファミコンでリリースする計画を立てており、当時未知数であったファミコンによる「文章を読ませるゲーム」の試金石として、本作のファミコン版が開発された経緯を持つ。
ファミコン版にて採用されたシステムの一部は、次なる一手となったドラゴンクエストにおいてもいくつかその名残が窺える。