概要
中国や日本に伝わる妖怪の一種。日本では山童と同一視されている。各自の解説については下記を参照。
中国の伝承
読み方は“さんそう”。
中国の『神異経』によると西方の深い山の中に棲み、身の丈は約1丈(約3m)あまりあり、エビやカニを焼いて食べる妖怪で、爆竹などの大きな音を嫌い、危害を加えた者は病に伏せるという山精と同様の解説がされている。
その他山繅、山臊とも表記され、山魈(さんしょう)、山鬼(さんき)、山都(さんと)、木客(もっかく)と呼ばれる山の怪とも同一視される。
日本の伝承
読み方は“やまわろ”。
長野県の伝承に伝わる大男の姿をした妖怪で、木曽(長野県南西部)の深い山の中に棲んでおり、「やまおこと」とも呼ばれる事もある。
文政年間(1818年~1830年)の初頭に木曽の山中で1m程の大きさの藤の蔓で編まれた山𤢖の草鞋が見つかったという文献や、とある樵が早朝の山で物が割れるような音が聞こえて来たので振り返ると、白いお椀程もある目をランランと光らせた薄赤い顔に真っ黒な体をした山𤢖に遭遇し、山小屋へと逃げ込むが、その時の恐怖から3日間寝込んでしまったという話が伝わっている。
余談
𤢖という字が常用漢字にないので、同じ読み方である山操と表記される場合もある。