概要
推理作家有栖川有栖氏のもう一つのアリスシリーズで、文学部4回生を延々と続ける江神二郎を探偵役、法学部生の有栖川有栖をワトソン役においている。
同作者による同名キャラクターが登場する『作家アリスシリーズ』との区別のためにこう呼ばれている。他にも「江上二郎シリーズ」や「学生編」とも呼ばれる。
作者のデビュー作(月光ゲーム)や処女作(やけた線路の上の死体)を含むシリーズ。
長編5冊と、卒業アルバムとしての短編集を企図されており、2021年7月現在長編は4作目まで発表されている。
4作目までの長編はすべてクローズドサークルもの。
あらすじ
昭和から平成に移り変わる日本を舞台に「英都大学推理小説研究会(EMC)」の面々が繰り広げる青春の日々。
ただし長編では英都大学々内で殺人事件が起こることはなく、出先でクローズドサークルに出くわす展開になる。
登場人物
江神二郎(えがみ じろう)
本シリーズの探偵役。英都大学文学部哲学科。非常に頭がいいのだが何故か卒業せず4回生を延々と繰り返している。
噂では黒死館殺人事件の向こうを張る『赤死館殺人事件』を執筆しているとも、実は書き上げて秘蔵しているとも……
京都出身であり仲間内では関西弁でしゃべる。
冷静で温厚な性格だが、初登場作「月光ゲーム」では冒頭でEMCのメンバーが飯盒炊爨中に飯盒をひっくり返したことから激怒している。
長髪で、肉体労働のバイトを好むため体格も良い。
有栖川有栖(ありすがわ ありす)
本シリーズの主人公。英都大学法学部。
名前は父親に名付けられた歴とした本名であり、大学には自宅から通学している。
初登場作「月光ゲーム」では登場直後に(火山噴火中に火山弾を食らった衝撃で)おしっこを漏らしている。
入学直後、江神が落とした「虚無への供物」を拾ったのがきっかけでEMCに入会する。
有馬麻里亜(ありま まりあ)
本シリーズのヒロイン。第2作「孤島パズル」から登場。法学部。
文具メーカーの重役令嬢。名前は回文になるようにパズル好きで「孤島パズル」のパズルを仕掛けた祖父に名付けられた。
望月周平(もちづき しゅうへい)
EMCのメンバー。アリス・マリアより1年上。経済学部。
痩せ型。エラリィ・クイーンの信奉者で理屈っぽく、アリスは彼と話している時間が最も長い。
織田光次郎(おだ こうじろう)
EMCのメンバー。アリス・マリアより1年上。経済学部。
ハードボイルドを好む。筋肉質でバイク通学のゴツい外見だが意外と乙女系。
織田信長の子孫ではないが、あだ名は信長。