原作・アニメFA→傷の男
2003年放送のアニメオリジナル展開では「イシュヴァールの生き残り」「破壊の右腕を持つ復讐鬼」など凡その設定こそ原作と共通しているものの、エドのライバルキャラとしてイメージされていた為、比較的華奢で細面の若々しい姿になっている。
本作では、兄が錬金術の研究に没頭していた経緯が、死別した彼の恋人を蘇生(人体錬成)するためとされ、その末に誕生したのが“色欲”のホムンクルス・ラストということになっている。後に起こったイシュヴァール人殲滅戦では、兄は死に行く同胞の魂を糧に「賢者の石」を生成するも、その絶望的な戦況に心を病み生成を断念。その後、原作同様キンブリーの襲撃により右腕を失った弟を救うため、「未完成の賢者の石」を右腕として移植し息を引き取った(そのため、原作と異なり片腕だけでも【再構築】までの錬成が可能)。
「弟」という共通点からかアルとの絡みが増え、アルもとある一件で行動を共にした際には「スカーさん」と親しみを込めて呼んでいる。また、前述のラストの素体となった兄の恋人に対し好意を抱いていたらしく、リオールで撃たれそうになったラストを咄嗟に庇う一面があった。
その後、おなじくリオールにて因縁のキンブリーとの死闘の末、お互いに左腕を犠牲にしつつ辛勝するが、キンブリーは死の間際に二人の不意を突きアルの体を爆弾に変えてしまう。傷の男はアルを救うために自身の右腕とリオールに進軍した軍人7000人を使って彼の体を完全な「賢者の石」に錬成し、消滅(死亡)する。原作と全く異なる最後に多くの視聴者が涙した。
映画『シャンバラを征く者』では終盤に現実世界のラストとスカーが登場。ヒッチハイクをしていたエルリック兄弟を(怪訝な表情で)トラックに乗せていた。
当然ながら、元の世界の二人とは別人…かとおもわれたが、DVD特典であるお疲れ様会では実は本人たちのエキストラ出演であったことが明かされる。1カット・台詞無しという扱いを不本意とし二人揃って会場に抗議に現れるも、なおもぞんざいにあしらうエドたちに激昂し顔の傷のカサブタを引剥し、手裏剣のように投擲して攻撃する(作者がアシスタントとのリレー4コマをした際のネタである)。しかし、カサブタはあらぬ方向へと軌道を描き、遅れて会場に現れたグラトニーに命中。怒った彼により丸飲みにされてしまった。