阿国(天外魔境)
おくに
「あたし、はじめて人に心配してもらった……。あたしのこと、心配してくれる人がいるって、うれしいね……」
「あたし、ずっと、ひとりぼっちだった……。チャイナで生まれ……ジパングに流れ……。そして、オロチ丸の配下となって、誰にも愛されずに死んでいく……そう思ってた……」
概要
CV:牧瀬里穂(PCE)/水谷優子(カブキ一刀涼談)
ゲーム『天外魔境 風雲カブキ伝』の登場人物でヒロイン。パーティキャラクター中の一人。
京の町の南座で評判が高い女歌舞伎役者。カブキ団十郎とは対照的に、男性ファンが圧倒的に多い。
美しい容姿とは裏腹に、とても勝気な女性。一人称は「あたし」。男相手には「本当は男になんか、頼みたくないんだから!!」と負けん気の強い態度をとる。カブキに対しても、勝気な口調で接し、言いたい放題言うが、これは彼に対する愛情の裏返しである。レイナ姫に対しては姉のように優しく気遣うなど、面倒見のよさも見せていた。
戦闘では、剣から杖まで様々な武器を使いこなし、「降神」という召喚魔法を操る。
正体は江戸のショーグンの密偵でオロチ丸の部下。天涯孤独であり、チャイナで生まれてジパングに流れてオロチ丸に拾われて隠密として育てられた(本人談)。オロチ丸曰く「阿国は私が育てた最高の隠密。勘、身のこなし、技、それを取っても非のうちどころがない」とのこと。
またゲーム後半、蒼き狼の末裔(ジンギスカンの末裔で蒼き炎の一族、蒼き狼の血族)であることが明かされ、カブキの力(火の一族の力)と共鳴することで自分の中に眠る蒼き狼の力が目覚める。阿国はカブキと炎狼の祭壇で儀式を行うことで、蒼き狼の力で森を動かしてロンドン塔(魔王ガープの居城)への道を開いた。
恋愛面では、やきもち焼きな面も見せていて、レイナ姫にデレデレしたあげく暴走したカブキに拗ねたあげく、「『阿国が世界で一番大事!』って言いなさいよ」と言って、人の多い酒場で自分が大事だと大声で言わせるなど、子供っぽいわがままな面も見せている。
レイナ姫のカブキへの恋心や彼女とカブキの関係については、上述のようにむっとしたり、面白くなさそうな態度をとっていたが、理解もしていて、ジパングへ帰る船上でカブキに「プリンセスに惚れたんでしょ。強引に連れてくればよかったのに……。カブキらしくないわ。きっと、それを待っていたと思うけどな……プリンセスは……」と、立場上別れざるをえなかったカブキとレイナ姫の気持ちを案ずる懐の深さを見せていた。
カブキに対して「はじめて人に心配してもらった」「あたしのこと心配してくれる人がいるってうれしいね」「あたし、ずっとひとりぼっちだった(天涯孤独だった)」と話していたが、『カブキ一刀涼談』では双子の妹八雲が登場していて(名前と一枚絵のみ登場)、八雲は『天外魔境真伝』でプレイヤーキャラクターとして参戦しているなど、カブキ伝の阿国の言動に矛盾が生じているが、いわゆる後付け設定と思われる。
余談
- 蒼き炎の一族は火を冠する一族のため火の一族と混同されがちだが、蒼き炎の一族は火の一族とは別であり、阿国は火の一族ではない。
- 当時の人気女優の牧瀬里穂が声を担当するなど話題が集まったが、それゆえに、声やゲーム中の言動も含めて(オロチ丸や南座の人間も心配していたのに、カブキだけが自分を心配してくれたと言ったこと等)「彼女を好きな人はより深く、嫌いな人はそこまで言うかというほど、好き嫌いが分かれた賛否両論あるヒロイン」として評価されていた。…オロチ丸が阿国を使い捨ての道具としてしか見ておらず、南座の人も看板役者(金蔓)としか見てなかったとしたら、彼女の言動は仕方ないことなのだが。
- 堅物で真面目な性格だが、露出度の多い衣装や隠密(女スパイ)設定から、Pixivではお色気キャラとして描かれたR-18作品も多い。