解説
「電撃G'sマガジン」2002年10月号から2005年10月号まで3年間連載された読者参加企画。
双子の姉妹と同時に恋人関係になる、二股を容認した不思議な三角関係を描いた「双子萌え」を前面に押し出した作品である。
読者は中学2年生の少年として、登場する双子ヒロインのいずれか1組の恋人となり、提示されるシチュエーションにおいて姉と妹それぞれに当てはまる行動を選ぶ。両方、または片方正解すれば景品がもらえるというシステム。
「双子姉妹の姉・妹両方と同時に付き合う」というコンセプト上、どちらか片方とのみ付き合うという選択肢はない。
ゲームは、2004年12月9日に『双恋 -フタコイ-』、2005年8月25日に『双恋島 ~恋と水着のサバイバル~』が発売された。
アニメ1作目『双恋』は、2004年10月から同年12月までテレビ東京系列4局で放送された。全13話。
アニメ2作目『フタコイ オルタナティブ』は、2005年4月から6月29日まで放送された。全13話。
本作は、当時ヒットした「シスタープリンセス」の連載中に始まり、シスプリ終了後はG's本誌の表紙を飾る、アニメ化・ゲーム化するなど、G'sの主力と位置付けられていたようである。(アニメ版の音楽関係のレコード会社も、シスプリと同じキングレコード)
しかしながら、シスプリファンはあくまでシスプリが好きであったため、シスプリ連載終了後にG'sの購読をやめてしまったというファンも一定数いた。
G'sでは、2000年3月号から読者参加企画が表紙を飾っていたが、本作が終了した2005年10月号の翌月からは他社のゲーム・アニメが表紙を飾るようになり、5年半の連続記録はストップ。それ以降、表紙への読者参加企画起用は、単発・限定的なものとなった。
アニメについては、後述のテレコム版は、美少女アニメ(萌えアニメ)と言えるような内容ではなく、あまり評価されなかったが、フタコイオルタナティブは高評価を受け、世間における双恋の顔となった。
スタッフ
キャラクターデザイン:ささきむつみ
企画・シナリオ:双葉ひな
コミック:金閣寺ぷるる
双子
本作のヒロインはすべて双子であるため、「双子」「ツインズ」などと言われる。各姉妹をまとめるときは「○○姉妹」「○○ツインズ」などと言われる。
誌上ゲームやPS2ゲームでも、原則的に姉妹ごとに選択・攻略する制限がついており、例えば双子の片方だけと恋人になったり、姉妹ではない複数のキャラクターを2名選ぶことはできない。
桜月姉妹:桜月キラ(CV:伊月ゆい)&桜月ユラ(CV:綱掛裕美)
一条姉妹:一条薫子(CV:堀江由衣)&一条菫子(CV:小清水亜美)
白鐘姉妹:白鐘沙羅(CV:水橋かおり)&白鐘双樹(CV:門脇舞)
雛菊姉妹:雛菊るる(CV:長谷川静香)&雛菊らら(CV:落合祐里香)
桃衣姉妹:桃衣愛(CV:たかはし智秋)&桃衣舞(CV:三五美奈子)
テレビアニメ第1作
『双恋』のタイトルで、老舗のアニメーション会社・テレコム・アニメーションフィルムが制作。
原作では中学2年生と設定されていた主人公とメインヒロインである桜月姉妹・一条姉妹は、高校受験というイベントをストーリーの主軸に据えるべく中学3年生に設定変更され、彼女たちがメインヒロイン、他の4組の双子はゲスト的な扱いとなった。
当時のオタク向けアニメ業界はギャルゲー・エロゲー原作のアニメが多く、その中で特色を出そうと、あえて純朴な青春物をコンセプトとして、本作は制作された。
ある意味、時代の潮流から外れたその試みが良しとされたのは、『双恋』自体が「双子」をテーマとしていたことから、本作とは別にufotableによるもう一つのアニメ版を制作することが決定していたからである。
結果的に、本作は当初の目的どおりの作風にはなったものの、評価はされず、ufotable制作の『フタコイオルタナティブ』が高評価を受ける結果となった。
ストーリー
二見望は幼い時に母を亡くしてから父親と二人暮しだったが、ハワイへの転勤を機に昔住んでいた街に帰ってきた。街を歩いていたら桜月姉妹と偶然出会い、更に幼なじみの一条姉妹や、下宿先の雛菊姉妹など会う女の子はみんな双子ばかり。それらは、下宿先である『双林寺』にある『双子塚』が関係しているらしかった。
登場人物(双子以外)
主題歌
オープニングテーマ
「はばたく未来」(1話-13話)
作詞 - riya / 作曲 - 菊地創 / 歌 - eufonius
エンディングテーマ
「やわらかい風の中で」(1話-13話)
作詞 - riya / 作曲 - 菊地創 / 歌 - eufonius
テレビアニメ第2作
フタコイオルタナティブを参照。
ゲーム
それぞれプレイステーション2専用ソフトとして発売された。
- 双恋 -フタコイ-(2004年12月9日)
- 双恋島 ~恋と水着のサバイバル~(2005年8月25日)
余談
ゲーム版サウンドトラックCDには、「花園ゆりの・ゆりなのテーマ」なるタイトルの曲が収録されている。劇中では桃衣姉妹のテーマ曲として使われており、彼女たちの仮称であったことが伺える。
ちなみに、電撃G'sマガジン2003年10月号から「ストロベリー・パニック!」が始まった。テーマは百合であり、花園静馬というキャラクターも登場した。
そして、桃衣姉妹が初登場したのは、ストパニ連載開始半年後の『G's』2004年3月号だった。