概要
男性(主にオタク)向けの、美少女(萌えキャラ)を登場人物としたアニメを指すことが多い。女の子が出ていても、女児向けアニメなどは萌えアニメと言われにくい。
その内容は作品によって大きく異なるが、多くの場合、男性キャラを主人公に据え、ヒロインなど周囲のメインキャラクターが女の子であるものが多い。一方、男主人公を物語の中心に置かない、或いは完全に排した百合や日常系の萌えアニメも多く登場している。
女性に向けたイケメンキャラクターが多数登場するアニメは、女主人公を中心に据えた描写が多ければ乙女系、ニアホモ(BL)描写が多ければ腐向けと呼ばれやすい(一まとめにして夢向けと呼ばれることも)。女主人公が萌えキャラに含まれるかどうかは意見が分かれている。
萌えアニメは原作としてライトノベルや漫画などを持ち、それがアニメ化されるというケースが多い(完全オリジナルというケースもあるにはある)。原作である程度の人気を博している方が収益が見込めるためである。
また、商業的な事情や作劇上の都合で、萌え要素を押し出すことで本来萌えアニメ的でない原作が萌えアニメへと改変されることもままある。ライトノベルや漫画を原作に持つアニメの場合は原作を超えた表現は出来ないことが多いため、実際のところストーリー性よりもキャラクター性を重視するというケースは決して少なくない。特に日常系など、ストーリーで完結させる必要のない作品はこの傾向が強い。
萌えアニメの大半は深夜アニメかネット配信である。これは、萌え要素を前面に押し出す関係上、21世紀の全日帯では見せられない表現(入浴シーン、水着、パンチラなど)が多々存在するためである。萌えアニメは深夜に放送されることが多いため、広告収入はあまり見込めず、その関連グッズ(BD,DVDやフィギュアなど)の売り上げが収入源の多くを占めるため、萌え要素を前面に置いて売り上げを増やす必要がある。過度のエロ要素のあるアニメは萌えアニメではなくエロアニメと呼ばれることが多い。
萌えアニメの定義
「萌え」という概念自体が個人の主観や解釈次第である以上、定義は困難。世間的には、「エヴァブームより後の作品で、目が大きく、目や髪の色がカラフルで、女の子が多ければ萌えアニメ」、といったようなところで落とし前をつけるようである。ただあずまんが大王のような暗色系の萌えアニメ(?)もあるのでまたまたややこしい。またうる星やつらなどのラブコメ作品は現代的な定義では萌えアニメと言ってもいいところだが、「萌え」確立以前に遡及するかで評価が分かれている。
かつてはキャラデザで明確に分かれていることが多かったが、2000年代にはアニメのキャラデザが萌え系の影響を強く受けたものに統一される傾向が強まり、シリアスな作品でも萌えキャラデザインだったりとキャラデザだけでの区分は難しくなっている。
「内容の無いアニメ」という意味で使われることがあり、萌えアニメと呼ばれることを忌避するファンもいるため、論争になりやすい。
萌えアニメイズデッド
あるアニメが萌えアニメかそうでないか、という議論そのものは不毛である。その定義は非常に曖昧であり、そもそもピクシブ百科事典の萌えキャラの項目を見て頂ければ分かるように、萌えキャラという定義自体も曖昧なものであり、単純に「萌えを感じられるキャラクターが多く登場すれば萌えアニメだ」と言ってしまうと、萌えアニメそのものの定義も非常に漠然としてくる。
さらに「萌え要素を前面に押し出した」といっても、現代においては膨大な数の萌え要素が存在し、製作者が提示した萌えだけが萌え要素ではなく、製作者が想定していない女性視聴者もいる為、萌えの定義は難しい。
作品の内容からスタッフなどのメタな領域に至るまで、キャラクター以外の部分で感じる感情にも「萌え」が存在するため楽しみ方も千差万別。
極端な話、作劇上の文法が明らかに「萌えアニメ的」ではなくても、視聴者個人が「萌え」を感じたアニメを「“俺にとっての”萌えアニメだ」と評することだって可能なんである(ハム太郎ガチ勢など)。
よって、仮に「萌え要素が存在するアニメ=萌えアニメ」であると考えた場合は、ほぼ全てのアニメが萌えアニメと定義されることになりかねないし、同様に萌えアニメでないアニメを探す方が難しくなる。
関連タグ
燃えアニメ(同音異義語)
カイジ:「逆萌えアニメ」と宣伝されたことがある。