イキリト
いきりと
なんか長そう……3行でお願いします
- イキったのはキリトではなく、ただのTwitterユーザー
- 『ソードアート・オンライン』と直接的な関係はない
- これらの事情を知らずに使い続けている無知がいる。イキリ野郎で十分にも関わらず
概要
とあるtwitterユーザーのつぶやきから始まったネタ。イキリ野郎やイキリオタクとほぼ同じ意味で使われる。
自分をキリトと似ていると思い込んでいる一般人の自慢風ツイートが改変され、テンプレとして現在も使われ続ける。
キリトと『ソードアート・オンライン』への蔑称あるいは風評被害として実情を知る人々に忌み嫌われている。
ちなみに、蔑称とは本来、相手の外見や性格をわざと悪く表現したもの。この一件が『ソードアート・オンライン』の内容に無関係なのを踏まえると、厳密には蔑称ですらない完全な風評被害である。とはいえ、厳密な用法の正しさと問題の焦点は必ずしも一致するとは限らない点も注意してもらいたい。
由来
問題のツイート
ある日、診断メーカーの結果に付随する「#あなたっぽいアニメキャラ」と題したハッシュタグがトレンド入りしていた。
その流れで大喜利が始まり、どこかズレたオタクたちの自慢話も混じり始めたのだが、そこで(悪い意味で)実質優勝してしまったのが、とあるSAOファン(?)の、こちらの投稿である。
キリトかなーやっぱりww 自分は思わないんだけど周りにキリトに似てるってよく言われるwww こないだDQNに絡まれた時も気が付いたら意識無くて周りに人が血だらけで倒れてたしなwww ちなみに彼女もアスナに似てる(聞いてないw) |
原文ママなのかは今となっては定かでないが、このツイートの投稿者をイキリトと呼称するようになった。
発言者のIDどころか、SAOネタで粋がったオタクの第1号が誰であるのかは正確には不明。実のところ、そもそも実在したのかも分からない。
由来のさらなる由来
なにゆえ「気が付いたら意識無くて周りに人が血だらけで倒れてた」などという物騒な体験が、自分とキリトが似ている根拠なのか。
それはアニメ1期の第19話「ルグルー回廊」、または原作第3巻245P(戦闘そのものは220P~)で確認できる。巨大な悪魔に変身して敵部隊を文字通り(喰い)千切っては投げ、(喰い)千切っては投げしたあと
「俺、たまにあるんだよな。戦闘中にブチ切れて、記憶が飛んだりとか!」
と、キリトは発言している。
不適切な根拠
イキリトという単語がいかに不適切なのかを知るうえで、ポイントは大きく分けて2つ。
影響
濫用の最盛期とかち合ってしまったイカジャムのアニメ版ではキリトとその仲間たちが一切出てこないにも関わらず各動画サイトでイキリト絡みのコメントが溢れかえる事態となった。
放映が進みキリトと無関係と知られるにつれ沈静化していった・・・と前向きに捉えたいところだが、単に飽きられただけかもしれないうえ、こういった風評被害は忘れたころに出没するので、どっちにしろ原作ファンは安心できない状況である。
「イキリ〇〇太郎」などという、イキリト+○○太郎の誰も得しない最低なコラボもある始末。
また、ラジオ番組「ソードアート・オンエアー アリシゼーション」の第7回にて、担当声優の松岡禎丞がこの話題に触れ、「キリトに対して使わないで欲しい」との発言があった。
SAOファンの過失
前述の通り、キリトが作中であからさまに「イキっている」ような行動はしていない。だが残念ながら、キリトやSAOファンに非が一切無いかといえば、それもまた大間違いなのである。
先ほど敵部隊を1人で撃退したことに触れたが、このとき「悪いな、ここは通行止めだ。」と発言している、傍から見れば明らかにそれらしい言動があったのも事実。
しっかり結果を残し、内面に迫る描写が充実していても、そこへ至るまでに○○太郎との共通点があることは認めざるを得ない。そして、それがこの蔑称の一般化に拍車をかけてしまうのは、良いか悪いかではなく避けようがない。
SAOファンはもちろん、そうでなくともキャラヘイトを許せない人は、ムキになって否定しがちだが売り言葉に買い言葉だと考えるべきであった。時と場合を問わず、「ムキになるってことは図星なんだろwww」という風潮が今も根強く残っているからである。
事実無根だからムキになるパターンもあるため、これは無知に都合の良いデマ(詭弁)なのだが、それを理解できないからこその無知。
相手にするのは逆効果だと自分に言い聞かせ、距離を置くのが無難だったのだが、ほとんどの人は頭ごなしに説教に走り、かえって蔑称の流行に手を貸してしまった一面もある。
まとめ
色眼鏡を通さず、冷静に分析すれば、キリトには似つかわしくない言葉であった。
しかしキリトを擁護する側も、一部に見苦しい態度をとった人がいたこと、それに注意を呼びかけず放置していたことを反省すべきだった。
先ほど紹介した松岡氏の苦言について、文面からして彼には「蔑称自体を使うな」と言う気はなく、また禁止する権限はないだろう。しかし、原則として蔑称は控え、公式の注意喚起には素直に従うべきなのは今更言うまでもない。
もし使うとしても反面教師として引き合いに出すなど、最低限のTPOを選ぶべきだろう。
本来イキリトが特定のユーザーや痛いオタクを指す別称であったのに、他作品での「イキった」キャラに対してイキリをイキリトと置き換えたり、剰えキリト自身を「イキリト」と呼称するネットユーザーもいる。勿論彼らは原作ファンにとっては頭の痛くなる存在であり、そして何よりソードアート・オンラインを見たことがないユーザーに「主人公のキリトはイキったイタイ奴なんだな」という認識を与えてしまう。そういう経緯がある上で松岡禎丞氏が前記の発言を行ったということを、ぜひ認識してほしい。