「次死んだら殺す」
「そんじゃ死ぬワケにはいかねーな」
概要
呪術高専東京校1年の同級生であり、二人の出会いから『呪術廻戦』の物語が始まる。
以下ネタバレ注意
仙台にいた虎杖の高校に両面宿儺の指があり、それを伏黒が回収に来たことで出会う。宿儺の指に引き寄せられた呪霊たちを相手に戦う伏黒だが、負傷してしまい窮地に陥る。状況を打開するため、虎杖は宿儺の指を飲み込み、宿儺の「器」となったことで、呪術師の処刑対象となってしまう。伏黒は己の危険を省みず自分を助けてくれた虎杖をみすみす死刑にしたくないと、五条に虎杖の助命を嘆願し、五条の計らいによって二人は呪術高専の同級生となった。
それからしばらくして釘崎と三人で少年院に発生した呪霊退治の任務に赴くが、虎杖を始末したい上層部の陰謀により、居るはずのない特級呪霊が現れる。虎杖は仕方なく宿儺に肉体を明け渡し事態の打開を図るが、宿儺の意識が表面化したまま戻れなくなってしまう。
宿儺は虎杖の肉体から心臓を取り除き、伏黒をも始末しようとする。伏黒は宿儺の中にいる虎杖に対し「お前を助けたことを後悔なんてしていない」と呼びかけ、虎杖の意識が戻って来るが、それは同時に虎杖の肉体の死を意味していた。
その後、虎杖は宿儺ととある契約を交わし、現世へと帰還する。しかし京都校との交流戦にて、虎杖の生存を知った上層部は再びどさくさに紛れて虎杖を殺そうとする。それを察知した伏黒は、虎杖を二度と殺させないと決意し、交流戦に臨んだ。結果的に虎杖の暗殺は阻止され、しばしの平穏が訪れる。
平穏はあまり長くは続かず、虎杖が宿儺の指を取り込んだことで、各地で呪い同士の共振が起こり、これまでにない強力な呪霊が発生し始めた。虎杖と伏黒は互いにその事実を知らせないようにしていた。伏黒は虎杖に「自分の存在が呪いを増長させている」などと考えて欲しくはなかったし、虎杖は伏黒に「自分が助けた命が、さらなる呪いを招いてしまった」などと考えて欲しくはなかった。互いに相手を慮っての行動であった。
以下渋谷事変以降ネタバレ注意
渋谷事変の最中、虎杖は敵の策略で宿儺に主導権を奪われてしまい、渋谷の市民の大虐殺が起こってしまう。心に深い傷を負った虎杖は呪術高専を去る決意をするが、虎杖の脳裏にあったのはかつての伏黒の言葉「自分が助けた人間が将来人を殺したらどうする」というもの。虎杖にとっては伏黒が助けてくれた自分が人をたくさん殺してしまったことが何よりも辛いことだった。そして高専を去る理由として宿儺が伏黒を狙っていることを知ったからだった。伏黒を守るために高専を離れ、機械的に呪霊を狩っていた虎杖にはかつての明るさは失っていた。しかし伏黒は虎杖を探して再会し、「俺達のせいだ」と罪を共に背負う覚悟をする。「俺が隣にいる限りずっと苦しむことになる」と伏黒のために一緒にいられないと考えていた虎杖だが、「俺を助けろ」という伏黒の言葉により当初の「人を助ける」という目的を思い出し、「伏黒を助ける」という存在理由ができた虎杖の目に再び光が戻った。虎杖と伏黒は宿儺という爆弾を抱えながらもこれからも一緒にいることを選択した。