概要
親衛隊大将や国家保安本部(RSHA)の初代長官、最終的にはベーメン・メーレン保護領総督にまで上り詰めた。
ドイツの政治警察権力を一手に掌握し、ハインリヒ・ヒムラーに次ぐ親衛隊の実力者となった。ユダヤ人問題の最終的解決計画の実質的な推進者であり、その冷酷さから「金髪の野獣」と渾名された。
生い立ち
幼少期のトラウマ
ラインハルト・ハイドリヒはザーレ地方のハレで1904年3月7日に誕生した。文化的にも経済的にも恵まれた中流家庭の生まれである。父はオペラ歌手で母はプロのピアノ奏者であった。
本人も容姿端麗・成績優秀・運動能力バツグンで、一見リア充に見える少年だと思われるが、現実は違った。
ラインハルト少年は内気な臆病者で、そのことで厳格な親から叱られ、友達も出来ずいじめられた。
いじめられた理由の一つに「ハイドリヒの先祖はユダヤ人」というものがあった。
これは事実無根の言いがかりであったが、生涯この噂は付き纏い、ラインハルトを苦しめた。
ラインハルトにとってユダヤ人は到底許されざる存在となり、これが彼の最大の理想であるユダヤ人絶滅へと繋がっていく。
軍隊へ
海軍に入るも…
第一次世界大戦が始まり、16歳になると右翼系の少年義勇軍に参加。
ユダヤ人の噂を払拭するためである。
ラインハルトはその金髪碧眼の美貌、いわゆるドイツ人らしい容姿によって優遇させられたという。
大戦が終わり、1922年にはドイツ海軍に入隊。練習艦「ベルリン」の乗組員となり、後の海軍元帥・ヴィルヘルム・カナリスとも知り合う。
海軍におけるラインハルトは数学と航海術の才能に長けていた。
が、やはりここでもユダヤ人といじめられた。
それでも優秀だったため、このままいけば有望な出世コースが待っているはずだった。
それは、青年ラインハルトの悪癖によってその道を閉ざされてしまう。
プレイボーイとして有名であったラインハルトは、ある女性と寝て、捨てた。
ところが、その捨てられた女性から結婚してほしいと迫られるも、「結婚交渉する女は嫌いだ」と邪見に扱い、断ってしまう。
実は、彼女の父親はドイツの大企業「IGファルベン」の重役で、その父親は海軍司令部とコネを持っていた。一連の顛末を聞いた父親によってラインハルトは軍法会議にかけられる。
反省の色が無いラインハルトは結果、この時の海軍最高司令官だった(後の元帥)エーリヒ・レーダーから「将校として、また紳士として不適切な行為をした」と至極真っ当な理由で除隊処分を受ける。
ラインハルトは自分を首にしたレーダーを、死ぬまで恨むことになる。
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