目標などに当たった後に、当たった場所から弾き飛ばされる弾丸のこと。
特に固いものに当たった際に起こりやすく、エネルギーが目標の破壊以外に使われてしまうために威力は落ちてしまう。
着弾時の変形や破片化、横弾等により銃創の治療が面倒になる可能性があるため、非常に厄介な現象でもある。
また、薄い金属板である車のボンネット等やすぐに潜ってしまいそうな砂地の地面でも角度によっては跳弾し、顔や手を出していれば跳弾・破片化した銃弾を浴びてしまう可能性があるため、銃撃戦の際に遮蔽物を利用する際には注意が必要となる。
また、人体に着弾した場合でも骨等に当たり体内で跳弾する事で本来致命とならない箇所への着弾が致命へとつながる場合もある。
ただ、弾かれた弾丸は直接狙えない場所にも飛ばされるため、流れ弾によって思わぬ被害が出る事もある。
例えば装甲に囲まれた戦車や装甲車などの内部に銃弾が入り込み、内部で跳弾することで本来中るはずのない搭乗者へと命中してしまう事があり、スポールライナー等の対策がされている。
なお、ゲーム等の作品内では跳弾をコントロールする特技を持つ人物が登場することがあるが、意図的な跳弾のコントロールにより目標に命中させるというのは実弾では不可能である。
というのも、ライフリングにより銃弾自体に与えられた回転による影響や、着弾時の弾の変形や破片化が一定ではなく、そうでなくても当たった場所の硬さや風の流れなどの不確定要素が多すぎる為である。
エアソフトガンより撃ち出されるBB弾の場合は射程を伸ばすためにBB弾へと回転を与えるホップアップ機構が実弾と異なる方向へと回転を加えている、着弾による変形が少なく影響が少ない等の理由により実弾よりは条件が良いものの、成功させることは難しい。
サバイバルゲームの場合は、跳弾が有効となるか否かは主催者やフィールドによって異なる。
跳弾が激しくなるインドアフィールドでは「跳弾ヒット」を無効とするところもあるが、「跳弾だから」と言い訳をして有効射を浴びている者が不正を働くこともあるので有効とするところもあるなど、線引きが難しい。
また、背の高い木や天井のある構造物のある屋外フィールドみのならず室内フィールドにおいて、相手の頭上にあるものを撃ち降らせる事で直接狙えない相手であってもBB弾を中てる事ができてしまうため、上下方向に対しては跳弾とは別扱いで禁止とされている場合もある。相手チームのいる方角の空に向かってBB弾をばらまいてまぐれ当たりを狙うこと同様にマナーの問題でもあるが。
ただし、威力を失って真下に落ちる事を狙うのでなければ跳弾させた弾が意図する方向に跳ぶとは限らないのでいずれにせよ実用的でない戦術であることは間違いない。
跳弾を起こさせることで砲弾などのダメージを抑えようとする考え方に「避弾経始」があり、それに基づいて作られる装甲を「傾斜装甲」と言う。(砲弾の進歩によって現在は殆ど無意味になっているが。)
昔の兵器である投石機の弾や(弾丸ではないが)フランキスカといったものには、着弾後に弾かれることでさらに相手へのダメージを増やす加工がされていた。
逆に、暴動の制圧などに用いられるゴム弾などは、無用な被害を出さないように跳弾を起こさないような構造になっている。
機内などの閉所で用いられるフランジブル弾は砕け散ることで跳弾による被害を抑える構造になっており、固い構造物に着弾すると金属粉末に戻るようになっている。
関連タグ
ゴルゴ13:不可能とされる狙撃を度々跳弾により成功させている。
リボルバー・オセロット:メタルギアソリッドシリーズの登場人物。跳弾をコントロールして命中させる特技を持つ。
サガフロンティア:銃技のひとつとして登場。純粋な威力では十字砲火に譲るが、消費弾数やクリティカルヒット補正などで実質最強の銃技。跳弾回数が増えるほど威力が上がる。