概要
ブルズアイとは、マーベルコミックに登場するスーパーヴィランである。
ブルズアイ(Bullseye)とは、「大当たり!」の意である。
初出:Daredevil #131 (1976年3月)
種族:人間
本名:不明。レスター(Lester)と呼ばれることがある。
能力
常人であるが、驚異的な「投擲能力」を有する。あらゆるものを投げつける事で、狙った目標へと命中させる事が可能なのだ。
この能力と併用し、日用品を全て凶器と化し、人間を殺害する事が可能。
具体的には、野球ボールや万年筆、爪楊枝やトランプのカードやヨーヨーなどを凶器として使用したことがある。ごく普通のカードでも、刃のように目標の首や急所を切断し、万年筆やペンなどはナイフと同じく刺殺の凶器となる。
時には自身の折れた歯ですらも凶器に変えて攻撃したことがあり、折れた歯を恐るべきスピードで吐き出すことで相手の頭部を貫通させて死に至らしめたことがある。
これがスーパーパワーなのか、技能なのか不明で、フリンジ・パワー(パワーと技能の間)と呼ばれることがある。
この優れた投擲能力は、ホークアイの射撃能力に匹敵する。そのため、ノーマン・オズボーンが結成したダークアベンジャーズにて、偽ホークアイとなっていた(後に宿敵であるデアデビルの偽物になった事も)。
後に、アダマンチウム鋼を自身の骨格に移植され強化。その骨は破壊不可能となった。そのため、高層ビルからの落下やトラックに撥ねられるといった即死レベルの負傷でもことごとく生き延びるように。
ただし、ウルヴァリンのような回復能力は無いため、肉体は傷ついても負傷は簡単には治らない。
投擲以外には、オリンピック選手のレベルのアスリート級身体能力を持ち、特にアクロバット能力に長けている。
またスタミナと腕力も、アスリートレベルの能力を備えており、ボクシングやカンフーなどの格闘技に精通している。
オリジン
ブルズアイの出生に関しては謎が多く、彼がこれまでに語った過去のどれが真実なのかは分かっていない。そもそもブルズアイは精神を病んでおり、自身が語った過去のどれが事実なのか、あるいはすべてが嘘なのか、それらは不明のままである。
最初は、「自分を虐待していた父を殺し、ここからヴィランになった」と語っていた。
この後に、医療刑務所に押し入った際、そこで会った入所者を「パパ」と呼んでいる。
逮捕され、国家安全保障局(NSA)から受けた尋問では、「元野球選手であり、メジャーリーグの初試合でノーヒットノーラン達成寸前、退屈しマウンドから降りようとしたところを相手打者に嘲笑されたため、彼の頭にボールを当て殺害。業界を追放され、その後NSAのエージェントを経てフリーの殺し屋になった」
他にも、「CIAの仕事を手伝い、反政府組織の訓練を行ったことがある」などと支離滅裂な言動を見せている。
そのためどれが真実なのか(またはどれも真実ではないか)は未だに不明である。
経歴
最初に、ニューヨーク市民全員を人質に取り脅迫する事件を起こすが、これをデアデビルに阻止される。ここからデアデビルとの因縁が始まった。
キングピンに雇われた後、デアデビルの正体が弁護士マット・マードックだと付きとめ、マットの元恋人で女暗殺者のエレクトラを殺害する。これに激怒したデアデビルにより、ブルズアイは打ちのめされてビルの屋上から突き落とされてしまった。
全身の骨が砕けて再起不能に陥ったが、ヴィラン・ダークウィンドによって全身の骨にアダマンチウムを移植、復活する。
この後、デアデビルの恋人を狙い、カレン・ペイジを殺害。その後にマットが交際を始めたミラ・ドノヴァンも手に掛けようとしたため、デアデビルに捕えられ、その額に標的マークの傷を刻み付けられた。
ノーマン・オズボーンの元で、「サンダーボルツ」「ダークアベンジャーズ」にも、ヒーローを装う事で参加。ダークアベンジャーズでは、偽ホークアイとなっていた。
この後、デアデビルと再戦。しかしまたも敗北し、全身麻痺が残るほど叩きのめされる。
身動きが取れなくなっても、自身で傭兵部隊を雇い、デアデビルを襲わせるなどしている。
実写版
2003年の映画、「デアデビル」に登場。
演じたのはコリン・ファレル。日本語吹替が村治学。
コスチュームを着けず、頭に的の入れ墨を入れただけのビジュアルになっている。しかし劇中では「オレもコスチュームが欲しい」とわめくシーンがあった。
原作同様に、驚異的な投擲能力は健在で、この映画でもエレクトラを殺害した。
なお、村治氏はのちのMCUでフィル・コールソン役も担当していた。
MCUに属するドラマ版『デアデビル』では、FBI捜査官のベンジャミン・“デックス”・ポインデクスターとして登場。その後、キングピンの部下となり、偽デアデビルになる。