概要
2003年に静岡県の日本平動物園で生まれたオスのレッサーパンダ。
因みに、ブーム当時から15年以上の月日を経たため、現在は人間で言うと、85歳を過ぎたおじいちゃん(2021年12月現在)。妻との間に多くの子を儲け、現在は幸せな余生を送っている。なお、2021年現在は加齢による老いで白内障を発病し、片目を失明しているという。
後ろ足で立ち上がる愛嬌のある仕草で全国的に有名になり、レッサーパンダブームの火付け役になった。現在は高齢であるので、寝ていることも多くなっている。また、ブーム当時、その物珍しさから、人間が飼育場に群がるのを怖がってしまったという逸話も伝わるが、老いた現在では、平成初期のアイドルホースであったオグリキャップよろしく、人間に愛嬌を振りまくことの意義を理解したらしく、かつてと違い、自分から愛嬌を振りまくことに抵抗はない様子を見せている。また、世間に知られていないが、近年、長年連れそった愛妻に先立たれている他、白内障で両眼を失明した長男の方が、父親より老け込んだ外見になってしまったり、子の内、およそ数頭には病気などが原因で先立たれているなど、長寿故の不幸にも見舞われている。なお、彼の存命中の子、その次の世代である孫たちは全国に散っており、今はその孫たちも自分の孫を持つ時代を迎えてきている。現在、山口県には彼の末裔にあたる玄孫のレッサーパンダたちがのんびりと暮らしている。
レッサーパンダの血統の偏りの課題
レッサーパンダは個体間の相性が交配における重要要素となるが、人間がコンピュータで弾き出した交配相手が充てがわれるために、人間の思惑通りに行くとは限らない。風太くんは子が全国に散り、彼らが散った先で子を儲けたため、一族の個体数が増加。近親交配を避けるため、彼の血統の増加はしばらく抑制されていたが、全国のレッサーパンダの個体の少なからずが彼の血を継ぐようになってしまったため、彼の子孫達の交配相手が見つかりづらくなるという問題が発生している。種牡馬でいえば、ノーザンテーストやサンデーサイレンスの血統が飽和状態に陥ったような状況である。そのため、近年はカナダ帰りの「フランケン」、鯖江市の動物園で存命中の「ミンファ」の血統が台頭してきている。風太は彼の孫世代がその次の世代を残せないケースも生じてきたため、彼の血統は先細り(衰退)しつつある。