Left-wing Communist Party of Japan 日本共産党左派
日本共産党(左派)(にほんきょうさんとう さは)
日本の左翼組織の一つ。
日本共産党から除名された福田正義らが1969年11月に結成した。
親中国系である。
「日共左派」、「人民の星派」ともいう。
主に山口県で活動する。
結党時の政治報告に「反米帝・反売国の愛国正義」を掲げるなど左翼ナショナリズム色が強い傾向にある。
概要
1966年9月に日本共産党山口県委員会は中国に従って分派活動をおこなった福田正義らを除名した。
除名後、福田らは「日本共産党山口県委員会(左派)」と称した。
1969年11月、福田らは「日本共産党(左派)第一回全国大会」を開催し、「一九二二年以来の日本共産党の革命的伝統を継承する唯一の組織」と称し以後「日本共産党中央委員会」と名乗っている。
山口県に拠点を置き、毛沢東主義の立場から、中国共産党の長征になぞらえて山口県を「日本の延安」と捉えていた。
概して新左翼の学生運動には好意的だったが、連合赤軍は批判していた。
1971年9月20日に議長の福田が訪中した際には、周恩来首相に「日本の真の革命政党の代表」と持ち上げられた。
その後、中華人民共和国がアメリカ合衆国と関係を改善するとさらに急進的な共産主義国家だったアルバニア派(ホッジャ主義)に転向した後再び毛沢東主義へと戻っている。
現在ではフィリピン共産党のシソン派など他国の毛沢東主義派グループと国際的な関係を持っている。
ゆとり教育と「個性重視教育」が「凶暴な攻撃的個人主義」を育てているとみなす観点から体罰を肯定的に捉えるなど他の左翼とはかなり違う主張を行う。
「原爆と戦争展」を各地で開催し、その際、反米右翼と共同することがある。
思想
1969年11月30日に採択された第一回全国大会の政治報告では、明治維新以後の戦前の日本は絶対主義天皇制の帝国主義国家であり1945年の敗戦後の日本はアメリカ帝国主義に従属しアメリカ資本と国内の独占ブルジョワジーによって政治、経済的に支配されている独占資本主義の従属国だと規定した。
その観点から「売国反動派」のブルジョワジーを批判し、日本人民のアメリカ帝国主義と国内の反動派との闘争を重視している。
またソビエト連邦を修正主義、社会帝国主義であると批判し、トロツキズムと日本共産党修正主義はマルクス=レーニン主義、毛沢東思想に敵対するアメリカ帝国主義の手先だと断じている。
アメリカ帝国主義と独占売国ブルジョワジー双方に反対するプロレタリア社会主義世界革命の一環としての「反米帝・反売国の愛国正義」の日本革命を訴えた。