あらすじ
ある山寺に、小僧と、和尚さんが暮らしていた。
小僧は、わんぱくで、いたずら坊主であり、和尚さんを困らせていた。
夏の終わりで、山はもう秋の景色になった頃、小僧は栗拾いがしたいと和尚さんにお願いした。和尚さんは山には山姥がいて、こどもを襲うことを話したが、小僧は信じなかった。和尚さんは、呆れながらも小僧を山へ行かせた。心配なために三枚のお札を小僧に渡した。
栗拾いに山へ入った小僧だが、夕暮れになると迷子になってしまった。親切なおばあさんに声をかけられ、おばあさんの家で栗を食べて、泊まることにした。
小僧が寝ていると、物音がした。おばあさんは夜遅くに何をしていたのか…。
おばあさんは、一人包丁を研いでいて、周囲にはしゃれこうべがあった。
小僧は気づいた。おばあさんの正体は山姥であったということを。
小僧は三枚のお札で、山姥から回避する。
一枚目は身代わり。便所に入っている小僧として山姥に応答した。何度も粘る応答に、山姥にはさすがに気づかれた。
二枚目は大きな川。しかし山姥は川を飲み込んで、追いかけ続けた。
三枚目は火の海(砂の山という説もある)。先ほど飲み込んだ川で消火して、追いかけ続けた。
なんとか寺に着いた小僧を和尚は匿い、山姥に化け比べを提案し、食べることに成功した。
小僧は反省し、いい子になったが、居眠りだけは直らなかった。