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三枚のお札

さんまいのおふだ

日本の昔話のひとつ。お寺の和尚さんからもらった三枚のお札で、小僧がピンチを切り抜けるというもの。
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概要編集

日本の昔話のひとつ。和尚の言いつけを聞かずに、誘惑に負けて栗を拾いに出かけた小僧さんが、鬼婆の化けたおばあさんに危うく食べられそうになりながら、手元にあった呪宝の三枚のお札を使って危機から脱出しようとする物語である。


物を投げながらの逃走劇・呪的逃走譚は世界に広く分布し、かつては『古事記』にてイザナギイザナミから逃れる際に、黄泉国から逃げ帰る神話があり、この物語はその神話に起源をもつ。


また、借りた宿の主が化け物で、そこから逃げ出すという昔話は、他にも多数存在する。


あらすじ編集

ある山寺に、小僧と和尚さんが暮らしていた。小僧はわんぱくでいたずら坊主であり、和尚さんを困らせていた。


夏の終わりで、山はもう秋の景色になった頃、小僧は拾いがしたいと和尚さんにお願いした。和尚さんは山には山姥がいて、こどもを襲うことを話したが、小僧は信じなかった。和尚さんは、呆れながらも小僧を山へ行かせた。心配なために三枚のお札を小僧に渡した。


栗拾いに山へ入った小僧だが、夕暮れになると迷子になってしまった。親切なおばあさんに声をかけられ、おばあさんの家で栗を食べて、泊まることにした。

小僧が寝ていると、物音がした。夜遅くにおばあさんは何をしているのか…。






おばあさんは、一人包丁を研いでいて、周囲にはしゃれこうべがあった。

小僧は気づいた。おばあさんの正体は山姥であったということを。


小僧は三枚のお札で、山姥から逃走する。

一枚目は身代わり。便所に入っている小僧として山姥に応答した。何度も粘る応答に、山姥にはさすがに気づかれた。

二枚目は大きな川。しかし山姥は川を飲み込んで、追いかけ続けた。

三枚目は火の海(砂の山という説もある)。先ほど飲み込んだ川で消火して、追いかけ続けた。


なんとか寺に着いた小僧は和尚に山姥に追われていると訴えると同時に忠告を聞かなかったことを謝り助けを乞う。和尚は言わんこっちゃないとばかりに「着替えをしている」、「餅を食べている」と戸を開けようとしなかったが寺に山姥が迫った直前で小僧を匿い、山姥に「化け比べ」を提案。山姥を1粒の豆にして食べることに成功した。


それから二度と山姥が出ることは無くなり、今回のことに懲りた小僧も真面目に修行をするようになったが、居眠りだけは直らなかった。


余談編集

  • 和尚が小僧に用事を言いつけて山に行かせる場合もある。
  • 「その手には乗らない」という言葉の語源は、比叡山に住んでいた大蛇をとある有名な僧侶が退治したという伝承だとされているが、その際の僧侶の策略は『三枚のお札』における和尚の作戦とよく似ている。
  • まんが日本昔ばなし』でも数回アニメ化された昔話であるが、そのうちの一話では、山姥がモーターボートを模した物に乗るシーンがある。「あぶないあぶない」のエピソードでも、山姥が自動車に例えられて描写されるシーンがある。
  • NHKで放送されていたこどもにんぎょう劇場では弟子の小僧が2人になっている。

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