SWEETHEART(OMORI)
すいーとはーと
概要
『OMORI』を代表するボスキャラの一人、本編でも特に強烈な存在感を放つ序盤最後の難敵である。
ヒバナ森の奥、堂々とそびえ立つ「スイートハート城」に君臨する城主にして全ての苗もぐら達が熱狂的に崇拝する唯一無二のアイドル。
(画像の左がスイートハート、右がスペースボーイ船長)
物語のプロローグでも軽く名前だけが登場、彼女と恋仲だったスペースボーイ船長(もといスペース元カレ)からは「あまあまジャム入りドーナッツちゃん」と甘さたっぷりの愛称で呼ばれており、よほど親密なカップルだったことが窺える。
本格的に登場するのは「…あと3日」。
現在では自らの切り捨てたスペースボーイ船長に代わる完璧な伴侶を探すため、自らの城で*42シーズンにも及ぶショーを主催している。
容姿
後述する問題だらけの性格さえ除けば文句なしの完璧な絶世の美少女。
見事なツインテールヘアーに、日焼けした褐色肌、自己主張の強いピンクを基調としたフリルとリボン、ヒビ割れたハートの装飾が付いたのドレスを纏う、まるで一昔前の魔法少女アニメからそのまま飛び出してきたような外見で、常に高飛車な笑みを絶やさない。
また、スペースボーイ船長に「ドーナッツ」とよばれていた通り、水着姿の彼女のへその部分には大きな空洞の穴が空いている。
この特異な特徴は彼女の出生に深く関わっているらしい。
人物像
一人称は「ワタシ」。「~のだわ」といった語尾や「オ~ホッホッホッホッ」といったウィンドウの右端からはみ出るほどやかましい高笑いなどが特徴的で、非常にクセの強いお嬢様口調で話す。
その性格ははっきり言って最悪の一言に尽きる。
自分だけがこの世で最も美しく完璧なアイドルだと信じて疑わない度を越して自己主張の強く、傲岸不遜を地でいくエゴイスト。
豪華で芝居がかった演出やファンからの脚光を浴びることが大好きで、より多くのファンから愛されることに病的なほどこだわっている。
自身の根城である「スイートハート城」はいたるところに像や肖像画が並ぶ悪趣味で自己顕示欲マシマシな装飾で彩られ、彼女を崇拝する苗もぐら達が城内の警備、メイド、料理、音楽など様々な仕事を担っている。
そんな彼女だからこそ伴侶に求める要求も多く、全員が似たような見た目をしている苗もぐらは論外だとしても、あれだけ自身に尽くしたスペースボーイ船長ですら自分にふさわしくないと分かればあっさり切り捨てている。
ドーナッツのように空いた心
彼女の正体は文字通り人型に成長したドーナッツ。
元々はオレンジオアシス出身だったらしく、そこで過ごしていた頃はまだ素直かつ純情な性格で、後に「ロココ」というエルフの画家と結婚、共に幸せで平穏な生活を送っていたのだが、やがてアイドルとしての人気が高まり、多くのファンを得るようになってからは少しずつ「もっと愛されたい」という強迫観念に駆られ、もっとファンに愛されるために異常なほど〝美〟を追い求めるようになった結果、心の均衡を大きく乱し、挙句の果てには最愛の恋人だったロココを城の地下に監禁、現在の傲慢で〝愛される〟ことに飢えた孤独の独裁者に成り果ててしまった。
ゲーム内での活躍(ややネタバレ注意)
いつも通り、自らの城で開催するショーで完璧な自身にふさわしい『完璧な伴侶』を探していたが、ひょんなことから出演することになったヒロにまさかまさかの一目惚れ、ようやく理想の相手と出会えたことに心躍らせる彼女は早速、ヒロを自らの婿に指名する。が、もとよりマリに想いを寄せているヒロに結婚の申し出を断わられてしまう。
当然、その程度のことで素直に引き下がるわけがなく、せっかくの好意をはねのけられたことに怒り狂った彼女は衛兵を呼んでヒロとその仲間全員を拘束、城の地下に存在するスイートダンジョンの牢獄に収監した。
この出来事によりますます他人が信じられなくなったスイートハートは伴侶探しをやめ、あろうことか、〝自分自身と結婚する〟という狂気の発想に至り、城内で孤独な結婚式を挙げていたが、そこにスイートダンジョンを脱出したヒロと仲間達が乱入、やはり彼を捨てがたいと感じた彼女はもう一度チャンスを与えるべく、再度ヒロに結婚を申し込むが、にべもなく断られ、今度こそ自らの手でヒロを永遠にに監禁すべく、主人公一行に戦いを挑んでくる。
戦闘
ハート(HP) | 3300 |
---|---|
ジュース(MP) | 1650 |
攻撃力 | 30 |
防御力 | 25 |
素早さ | 40 |
魔法少女然とした見た目通り、様々な魔法系の攻撃を得意とする…………なんてことはなく、戦闘ではハートの魔法ステッキならぬ、ハート型のトゲ付き鉄球を鎖で吊るしたモーニングスターをブン回して戦うゴリゴリの肉体派魔法少女である。
ゲームでも序盤の終わり頃に立ちはだかる中ボスということもあってその実力は折り紙つきであり、生半可なレベルではすぐに返り討ちにされてしまう。
特に戦闘中に数々の自慢話で自分を奮い立たせる「自慢する」は厄介で、「にこにこ系」の感情を最大三段階まで上昇させ、クリティカル率の高い攻撃を連続して繰り出してくるが、同時に「しょんぼり系」の攻撃には致命的に弱く、オモリのスキル「悲しいポエム」をはじめとした相手や味方をしょんぼり状態にするスキルを率先して使えば有利に戦いを推し進めることができる。
しかし、スイートハートの方も例の甲高い笑い声で挑発して味方をにこにこと相性の悪いいらいら状態に変えてくるため一筋縄ではいかない。
総じて、スイートハート戦はこのゲームの序盤でプレイヤー学んだ「感情バトル」のノウハウが存分に活かされる戦闘となっており、能力ダウンや感情変化系のスキルをうまく活用しながら冷静に戦おう。
専用テーマ
「World's End Valentine(世界最後のバレンタイン)」は良曲ぞろいな『OMORI』の楽曲の中でも主題歌やエンディング曲に次いで人気が高く、上品で落ち着いた前奏から一転、激しい緩急があり情熱的なサビに入る情緒不安定な曲調は愛に狂い暴走し続けるスイートハートの心情を的確に表現しているといえよう。
そのリズムに往年のボカロ曲を思い出したファンも多いそうな。
(楽曲を元にしたネタ動画)
その後の彼女
激しい死闘の末、主人公一行に敗れた直後、突然スイートハート城の天井を突き破って城内にやってきたかつての恋人スペースボーイ船長に再婚を申し込まれる。
一度は捨てた伴侶の情熱的な告白に心打たれたスイートハートは自らの城を捨てて彼と共に旅立つことを決意、ロマンたっぷりな演出でスペースボーイ船長の宇宙船に乗り込み、去っていた。
………かと思いきや、一度ねじれた心がそう簡単に直るわけがなく、スペースボーイ船長と再び破局。
その後は海底に広がる「水中高速道路」であてもなく放浪する中、風の噂で「海の魔女の三姉妹」なる者たちがいることを知り、彼女らの接触を図るが……
その後の動向はスライムガールズの項目を参照されたし。
余談(ネタバレ注意)
現実世界におけるモチーフ
もう一つの世界、主人公サニーが生きる現実世界ではモデルの一つになったであろうお菓子屋の店長「キャンディスお姉さん」がおり、「にっこりにっこり~」といったやたら笑顔を強調する言動が少し似通っている。
また、彼女の存在はシリーズものの映画のタイトル・キャラクターとしてケルから1回だけ言及されているほか、グッズとしてフィギュアが作られており、名前である「スイートハート」の語源もここから来ていると思われる。