橘右京
たちばなうきょう
我逝かん 倒るる野辺の花褥 君に背を向く六道の辻
プロフィール
出身地 | 近江国甲賀群馬杉村(現在の滋賀県甲賀市甲南町上馬杉あるいは下馬杉) |
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生年月日 | 明和元年(一七六四年)九月二十日 辰の刻 |
身長 | 五尺八寸(171cm) |
体重 | 十一貫目(41kg) |
血ノ型 | AB |
流派 | 神夢想一刀流 |
武器銘 | 無銘の刀(自作) |
趣向 | …刺繍 |
特技 | 刺繍(仕上がりは雑巾だという) |
家族構成 | …ほしい |
宝物 | 真の自分を理解してくれている女性「小田桐 圭」 |
好きなもの | 孤独な自分を感じること |
嫌いなもの | 真の孤独 |
コンプレックス | 明るい太平の世にいまいち溶け込めないこと |
剣の道について | …こわい |
尊敬する人 | …… |
平和だと思うとき | 圭殿といるとき |
好みのタイプ | 圭殿 |
現代社会での彼は…? | 入院患者 |
概要
初代サムライスピリッツから登場するキャラクター。居合いの使い手。
PS版オリジナル作品である「蘇る蒼紅の刃」を除く全てのサムスピ作品に登場している。
労咳(肺結核)に蝕まれており、よく咳きこみ喀血をしている描写がみられる。
(結核は現在でこそ治療法が確立されているものの、当時は不治の病として恐れられていた病気である。)
肺病故に肉の落ちた右京の容貌に魅入られる女性も少なくなく、彼の勝利演出等でもそれがわかる。
だが右京自身は圭一筋なので全くなびくそぶりは見せない。
なかなか病床に伏せないので、ファンからは『元気な病人』、『死ぬ死ぬ詐欺』と言われてしまうこともしばしば。
人物
近江のある小さな村に生まれた野武士の末裔。
幼少期~青年期
生まれつき体が弱く、あまり丈夫ではなかった右京は「立派な侍になって欲しい」という母の遺言通り、勉学や剣の稽古をしていくうちに少しづつ、丈夫な体を手に入れていった。
やがて成人した右京は、居合い斬りの達人として教えを乞う者が現れるまでになる。
しかし、
右京は不治の病である肺病を患ってしまう。
『華橘 落ちて我が身の 秋を知る』
『四季の秋 我に来たるは 死期の秋』
小田桐圭との出会い
自分は孤独なのだ、一人で死んでいくのだ…と自虐的な考えになり、自身を呪っていた右京だが、小田桐家の息女、圭が現れ一転する。
穏やかな眼差し、たおやかな物腰のなかにも凛とした表情…
右京は彼女に急速に惹かれていった。身分の違いから会うことすらままならぬ状況ではあったが。
『君想う 恋の心は 花野原』
圭と野道で会った日のこと、切り立った崖の上に咲く花を彼女に代わって摘んでやると丁寧に礼を言い、何気なくこう付け加えた、
「右京様は花がお好きですか。さりげなく咲く花には心がひかれますね」
圭の一言が右京を奮い起こさせた。彼女に現世一代の花を渡そうと、究極の花を求めて。
『君知りて 淀める川の澄みはつる 水面に映る 初色の花』
- 1788年
小田桐圭には許嫁が、その婚約者と幸せに暮らせるよう、二人に危害が及ばぬうちに『鬼』を排除するため、『島原』へ。
『白き花 咲かそ橘 径の側 右京』
- 1789年
魔界に咲くという「究極の華」の話を聞いた右京は魔界を目指し旅に出る。
- 1790年
祝言をあげた圭の幸せを願いながらも、むなしい日々を送っていたところ。
各地で頻発する胎児消失事件に圭が巻き込まれ、胎内の胎児が消えた。
彼女と胎児の為に再び立ち上がる。
- 1790年
死期と闘いながら咲の為に最期の生命を燃やす。
(※)右京は真サムとアスラで2種類の死亡パターンがある。
真サムのEDは魔界より帰還できなかった場合となっている。いつまでも圭の為に「ゆきの花」を作り続けて幕を閉じる。
アスラ斬魔伝では余命幾ばくもない状態でとある女性の為に奮闘して死亡となる。
ゲーム中での性能
初代『サムスピ』では、リーチがそこそこ長いものの動きが遅くジャンプもティッシュペーパーなみにふんわりとしていた。
つまりラッシュを掛けられるようなキャラではなく、攻撃力も低い部類で扱いが難しいキャラであった。
しかし、必殺技の「秘剣ツバメ返し」が、地上でコマンドを入力することによって昇りで出すとしゃがみガード不能の中段技になることが判明してから、一気に地位が向上。
起き上がりにツバメ返しと立ち強蹴り(スライディング)、投げの三択攻撃を仕掛ける戦術が猛威を振るうこととなった。
またしゃがみ強蹴りが「究極対空」と呼ばれるほど、相手の飛び込みをことごとく返してしまう強力無比な対空技として機能していた。
『真サム』ではリーチが全体的に伸び、ツバメ返しも出しやすくなった上飛び道具の火の鳥の判定も大きくなり、これを連発するチキン戦法が横行した。
さらに新必殺技の「残像踏み込み斬り」が「出が早い」「隙が無い」「キャンセルで連続技になる」と欠点の見当たらないチート技で、これを用いたラッシュが相手にとって脅威となり、『真サム』では文句なしの最強キャラとして君臨した。
しかし『サムライスピリッツ斬紅郎無双剣』では『真サム』で強すぎた反動か、大幅に弱体化してしまう。
ツバメ返しの飛び道具が削除されたのもここからである。
以後はテクニカルなキャラとしての立ち位置であることが多い。
余談
開発段階では覇王丸が宮本武蔵、橘右京が佐々木小次郎として製作されていた為、元々は二人はライバル設定であった。右京の必殺技・秘剣燕返しはその名残りである。
初代『サムライスピリッツ』、及び『真サム』でのホームステージ「骸流島」(巌流島をイメージした島)が共通かつ、BGMが対になっているのはその名残である。
だが諸事情により二人とも宮本武蔵でも佐々木小次郎でも何でもない、完全なオリジナルキャラと化してしまったため、二人の繋がりは同じステージという点ぐらいしか無くなってしまった。
その上、『真サム』にて登場した牙神幻十郎が公式に覇王丸のライバルという立ち位置を獲得してしまい、右京は完全にその他の一人扱いに。
更に言えば(超黒歴史扱いだが)、アニメ版においては全くセリフが無く、登場時間も1分に満たないと言う有様。
更に更に、『サムライスピリッツ天草降臨』の覇王丸のEDでは、何の脈絡もなく覇王丸に一蹴され、「かーっ弱ぇ、もっと強い奴はいないのかよ」と言われる有様。
ガハァ!
「…………」
そんな影が薄くなりすぎた彼であるが、一部では凄まじいまでの存在感を放っている。
それは美形会議での話である。
もっともその輝き方も、八神庵に触れられると大打撃となる事実を触れられて、そのショックで喀血すると言うものであったり、「……空気読め!」と不可解なキレ芸を披露すると言うものであったり、意味不明な俳句や短歌を詠うと言うものであったりと、美形会議の本質を体現していると言っても過言ではない。
「解らんことを言う…… 貴様等だとて美形キャラだろう?
そこの橘右京は設定上はやたらと女にモテて、
勝ちポーズで何人もの追っかけに追われているではないか」
「ガハァ!」
「血を吐いた!」
「右京さんが血ぃ吐きよったで!
せ、せや! あかんかったんや! 設定上とか言うたらあかんかったんや!
実際には地味で女性ファンおれへんことを突付かれたらあかんかったんや!!」
「ウゴハァ!」
「謝れ、八神庵!」
「右京さんに謝れ!」
「……空気読め!」