概要
トルコ語で「凍らせたもの」の意味で、トルコでは各種アイスクリーム、氷菓全般を指す。
一般的なアイスクリームに似ているが、硬く凍ったアイスという常識を覆す粘りがあることが特徴。
日本国内では単に「トルコアイス」とも呼ばれる。
※日本国内で「トルコ風アイス」と称した製品が出回っているが、その多くは原料、製法ともドンドゥルマとは全く違う製品であり、多くはサーレップを使っておらず、海草などから抽出した増粘多糖類によって粘りをつけている。
トルコの伝統的なドンドゥルマは、砂糖、羊乳、サーレップ(salep)などが特徴的な原料となる。
サーレップとは、トルコ山岳部に自生するラン科ハクサンチドリ属の植物Orchis mascula(オルキス・マスクラ)などの塊根を乾燥して粉砕した粉を湯に溶かし、成分を抽出した液で、砂糖などを加えて飲用にもされる。このサーレップがドンドゥルマの粘性の元になる。
サーレップに乳と砂糖を加え、いったん沸騰させた後、弱火で1時間ほど絶えずかき混ぜながらヨーグルト状の固さまで煮つめ、冷して固まった後に長時間練り上げ、繰り返し空気を含ませながら伸ばすことで餅のような粘りを生じさせる。気温の高い地方でドンドゥルマが溶けて垂れるのを防ぐために粘度を上げる必要があり、そのための増粘剤としてサーレップが使用されるのである。
最も基本的な味は甘いミルク味もしくはバニラ味であるが、コーヒーやチョコレートなどで味付けしたものもあり、中には特徴的なものとしてミルク味のものに唐辛子を加えて甘く且つ辛く味付けしたものもある。
粘性が非常に高いため、現地ではメイン画像の様に傾けた程度ではなかなか垂れないことを活かし、アイスを手渡しする際にフェイントを掛けるパフォーマンスが見られる。