名無権三
きょうごくぐみのかしら
久我 お前は将来デカイ男になる器だ ウチで男を磨かねえか?
概要
京極組の若頭。20歳の頃の久我虎徹を極道にスカウトした人物で、久我の才能には期待をかけており、久我も彼の指示には忠実に従っている。名前は2021年12月23日付動画の冒頭にある名刺で判明。公式のコメントはないが、名前の由来は「名無しの権兵衛」であろうか?
人物
容姿
推定40代と思われる。黒色の服に白いジャケットを着、白いスラックスを穿いている。髪型は黒髪に金色のメッシュが入ったオールバック、黒い数珠を首にかけている。サングラスをかけており、口元に傷痕が残っている。
性格
外道狂人達が幅を利かせている現在の京極組にあっても外道に染まっておらず、下の者やカタギにも優しい好人物。京極組の中で伊集院と戦闘になっていない(白武やガソリン兄弟や久我は一度伊集院と戦闘になっている)。
一方で組の名誉を貶める者に対しては厳しく、京極組の組員に成りすましてカタギに危害を加えた者に対しては素人であっても容赦なく粛清を命じている。とりわけ組の代紋を重んじており、無断で代紋のバッチを偽造販売した裏切り者に対しては、同じく良識派の大園と共に怒髪天を衝くほどの怒りを見せた。
近年に制定された暴対法によって、代紋のバッチを公の場で付ける、組の名前や極道である事を周りに言う等の、カタギへの脅迫(=上層部が警察に逮捕されるリスク)に該当する行為を行わないように組員に徹底させている。一方で、足抜けする者に対しては昔ながらの「エンコ(指詰め。指を切り落とす事)」で落とし前を付けさせるのが習慣で、田代をエンコなしで除籍させようと代わりに説得しに来た国生には怒りの鉄拳制裁を食らわせた。これは、暴対法により極道組織の活動を縛られた所を、何事もなく脱退されたら組織自体が成り立たなくなるためと考えられている(流石に入って一年程度の新入りならば、自らの裁量で辞める事ができる)。
ちなみに、このような一大事件の場でさえ現組長の日下は立ち会っておらず、実質的にはナンバー2の彼が組の仕事を全て取り仕切っている模様(2022年1月7日付の動画で、実際にその通りであることが判明している)。
能力
現時点では、道楽三昧で仕事を放棄している組長に代わって組を仕切っており、事務所で本来組長が座るべき席にも彼が座っている。カチコミの現場には出ていないため実力の程は不明。上司としては組の実質的なトップとして良識派の構成員達を纏め上げ、彼らの任侠ヤクザとしての活動を指揮する役割にある。彼の下には強力な武闘派ヤクザが多く在籍しているあたり人望は相当に篤い。横領やターゲットを間違えた殺しをよく思わない、マトモな判断ができる人物でもある。
久我や一条からは敬意を持たれている任侠である一方、現組長が無責任な役立たずのせいで外道の組員達からは舐められており、彼ですら外道の組員達を制御し切れていない。それでも目に余るような悪事を働く組員に対しては破門や絶縁の処分を下しており、さらに罪のないカタギを殺すような悪逆非道な外道には粛清を下している模様(紅林二郎のシリーズでは、京極組から破門もしくは絶縁されたと語る外道のヤクザがたびたび登場している)。
活躍
20歳の頃の久我をスカウトして京極組に引き入れた。しかし組の金が窃盗された時は険しい表情で久我を問い詰めた(無論、久我は全くの無関係であったが)。
「何でウチの金がなくなるんだ!? 虎徹……!? まさか……!」
(虎徹「カシラ、勘弁して下さい…… 俺も知らんすよ……」)
新米の頃の久我に京極組の事務所に掲げられた看板に描かれてある代紋を掃除させ、一定の信頼を得て代紋をデザインしたバッチを付けた久我を大いに褒めていた。
しかし暴対法が出来てからは代紋を付けること自体が脅迫だと見なされるため、久我に冠婚葬祭以外には代紋のバッチを付けないように忠告する一方で、組長室や名刺などにしか飾れる事が出来ないご時世を嘆いている。その代紋のバッチが勝手に偽造販売されている事を久我から聞かされた際には、同じく良識派の大園と共に物凄い勢いで激怒していた。
「久我、お前もそろそろ代紋をぶら下げてもいいだろう」
「コイツを挙げられるのはここだけか……世知辛い世の中になったもんだ」
「ふざけやがって! 売ってやがんのはどこの下衆だぁぁぁっ!?」
京極組の収入源となっているシバイ(特殊詐欺)のアガリが少ない事に不審に思い、犯人が京極組を脱退した田代(と彼が所属している半グレ組織「羅威刃」)だと知ると、彼を粛清させるようにシバイを担当している久我に命じた。
ちなみに田代が組抜けする時には、エンコなしで田代を脱退させる様に説得してきた国生に対しては激怒しており、何度も国生に鉄拳を降るっていた様だ(田代の裏切り行為に激怒した幹部の台詞を読み解く限り、どうやら脱退する時にエンコさせる事が組の習慣になっているようだ)。しかしエンコを詰めるのはあくまで組抜けを防ぐための「血の掟」であり、彼も本心で行いたくはない模様であり、2022年1月30日の動画では葛木が組抜けしたい事に、準構成員だという事もあり情状酌量でエンコ詰め無しでの脱退を了承している。
「決まっているだろうが……奴からケジメを取る!」
「あぁ!? エンコも無しに組を抜けられる訳ねえだろうが!!」
(国生「そこを大目に見てやってください! 今の世の中で指が無いのは……」)
「じゃかましい! じゃあお前がエンコ詰めんのかぁ!!」
暴対法を懸念してか京極組の組員に対して不用意に組の名前や自分が極道である事をカタギに知らせないように徹底させている(当然、組の名前を出すこと自体カタギへの脅迫になる為、上層部まで逮捕される事を防ぐ為である)。
久我から京極組が出会い系サイトで出会った女性を脅している噂を聞くと、近藤と二人で調査していた。後に久我の調査によって件の人物が小堺を始めとする京極組を語った半グレ達だと知ると、組の看板に泥を塗った落とし前を付けさせる事を久我と近藤に指示。後に小堺達を粛清した久我の報告に労いをかけた。
「いいか! みだりに組の名前や自分が極道だって周りに知らせるんじゃねえぞ!!」
(下っ端の構成員をシメ直そうと提案した久我に対して)「バカ野郎。俺と近藤で調べるから過激な行動は控えろ」
「素人だからって遠慮はいらねえ。その馬鹿共に道理を分からせて来い」
お気に入りの高級車を盗まれて怒髪天を付いた日下からの命令を構成員に伝えた(この件は日下個人の失態であるため、組とは関係のない任務である。それでも渡世では組長の命令は絶対であるため、無茶ぶり同然な命令に大きくため息をついていた)。
結局海瀬に押し付けられた久我は不本意ながらも出世のためと割り切って任務を引き受けることにした。後日、犯人の手榴弾で重傷を負いながらも何とか車を取り戻した久我に日下がまたドライブに行った事を伝えた(久我に対して感謝の言葉をかけない日下の無神経ぶりにはカシラも呆れ果てた様子であった)。
(小馬鹿にしたように訪ねてきた海瀬に対し)「海瀬ぇ、今から話す。 少し静かにしてろ」
(自らの不注意でお気に入りの車を盗まれた日下の命令を一条達に伝え)「車を取り戻した上で犯人は消せ……との事だ」
(日下がどこに行ったのかと久我に尋ねられ)「……またドライブだ」
日下から「とある企業から1人始末してほしい」というカタギからの依頼があり、悩んでいたところを久我に問われ、久我が情報屋などから情報を仕入れた後に久我がカチコミを行う。しかし1人でカチコミを行うことに心配していた模様。しかし久我はこの1人のカチコミを遂行し、帰ってきたところを称賛していた。
「コイツはどうしたもんか……おう久我。例の如く厄介のことだよ」
「本当に誰もつけなくていいのか?」
「よく無事で帰ってきた! やったな久我!」
悪質な詐欺に遭ったカタギの女性からの必死の訴えを真面目に聞き入れ、彼女に間違った道を進まないよう諭した上で、問題解決のために有能な情報屋を紹介している
「嬢ちゃん、若いんだからそんなこと言っちゃダメだ」
「その女詐欺師は許せねえな。コイツに聞いてみな。何かわかるかもしれねえ」
闇カジノで大負けした組長の日下に組の金に手を出して注意した結果、逆ギレされた挙げ句に壮絶な暴力を受けてしまった。おまけに日下から闇カジノを潰すように命じられたためか、名無も久我も気乗りはしなかった(こちらも高級車盗難事件と同じく日下個人の失態である為、本来ならば組員に従う義理はないものの、渡世では組長の命令は絶対である為に従わざるを得なかったのだろう。それでも期限を定められなかった事もあってか、名無は急かせようとはしなかった)。
しかし、調査の結果、その闇カジノは黒焉街を荒らす半グレ集団が経営する闇金とグルである事が判明した為、正式に「シマ荒らし」と認定して久我達に粛清を命じた(なお、裏カジノは久我と相良が担当し、闇金の方は西園寺と国生と野島の三人が受け持った)。
「近くの裏カジノで大負けしたらしくてな。組の金に手を出してたんで注意したらこのザマだ……」
「オヤジの尻拭いは気乗りがしなかったが、ウチの米びつに手を出すのなら話は別だ」
組の幹部である別府が家庭の事情で組から抜けることを申し出たため、対応する形で登場。今回は上層部の人間が離脱を申し出たためか組長の日下と共に対応しており、日下共々別府の組抜けに強く反対していた。とはいえ、別府がケジメをつける形で両手の小指を自ら切り落とした上に土下座をした為、その覚悟に折れる形で除名を認めた。
尚、別府を「別府さん」若しくは「兄貴」と呼び彼に対して敬語をつかってるところから、若頭に就任する前は、別府より下の立場にいたことが推察される。
「別府さん、金で盃は返りませんよ」
「兄貴……早く止血を」
- 3月12日の動画(伊集院茂夫)
犯人に家族を殺されたカタギの男性からの必死の訴えを聞き入れ、黒焉街で起きた事件解決への協力という体で伍代に紹介していた。
久我が黒焉街の西横ホテルの近くを根城にしている「西横キッズ」の襲撃にあい、瀕死の状態になり救急搬送され、見舞いに来ていた。しかし、久我はこの組織を壊滅させることを聞いた際、体のことを気遣っていた。
「自分のケツは自分で拭くか……だが体は大丈夫か?」
天羽組の期待のルーキーであった北岡を抹殺した一条に、「組長と同じく天羽組から殺害対象に入っていること」を告げ、常に臨戦態勢でいるよう注意した。また、久我に対し「天羽組の小峠を見張り、場合によっては始末しろ」と言う組長からの命令を告げた。名無自身はいくら犬猿の仲で互いに報復の大義名分があるとはいえ、天羽組との全面戦争は望んでおらず、何処か落とし所を見定めようとしている。更に詳細を調べもせず問答無用で北岡の粛清を命じた組長に対し、不信感を募らせていた。
「一条が天羽組の北岡を殺った事により、天羽組が報復に来る」
(一条「勿論、覚悟の上です」)
「奴らの狙いは命令を下した親父と、実行したお前だ。常に臨戦態勢でいるように」
「久我、お前は天羽組の小峠華太……を狙え。奴が天羽組のキーマンだ。戦線離脱させれば殺す必要はねぇが、最悪は構わん。これが親父の指示だ」
- 4月5日付の動画(久我虎徹)
日下の息子の晋平がシマ荒らしを働くという事態にキレていた。久我と共に晋平を放置するという判断をしようとしたが日下によって久我はお守りをさせられ失敗に終わってしまう。
晋平が河内組の龍本による敵討ちで殺害された時には怒り狂った日下によって久我と共に灰皿で殴り倒されて大怪我を負ってしまった。
余談
彼は先代組長の死後、道楽三昧で役立たずの現組長から組の仕事を全部押し付けられ、結果として京極組を実質的に指揮する権限を握っている。それほどの権限を有する立場であれば、久我など良識派の組員達を率いて反乱を起こし、現組長を失脚させるか暗殺して、自身が新組長として台頭する事も十分に可能と思われるが、それでも組長に反逆することを絶対のタブーとする極道の掟には逆らえないのか、もしくは先代組長に対する忠義なのか、あるいは内部抗争で解散に追い込まれた徳島組の二の足を踏むわけにはいかないと考えているのか、現時点では現組長の愚行を黙認するに留まっている。もとより組の仕事を現組長から全部押し付けられていることには内心辟易している模様。