接ぎ木のゴドリック
つぎきのごどりっく
褪せ人風情が、不遜であろう
概要
女王マリカの末裔で、大ルーンを宿す破片の君主デミゴッドの一人。
王都ローデイル出身で現在はストームヴィル城主であり、黄金の君主を自称してリムグレイヴを統治する老醜の王。
接ぎ贄の儀式により狭間の地にいるトロルや下僕達の体や手足を無数に接ぎ、尋常ならざる巨大な姿に変貌。もはや元となる身体は顔と胴体しか残っていない。
人物
マリカの子孫の中で唯一の親戚にあたり、半神の血は薄く生まれつき体は細く弱々しかった不憫な出生ゆえに直系子孫達の強さにどうしようもない憧れを抱いていた。
そして「力こそが王の故」であったために、元より虚弱な肉体にコンプレックスを抱いていた彼は浅薄に強さを求め、父祖であるゴドフロアの代から行われている他者の手足を接ぐ儀式に頼ることとなった。
接ぎ贄により力をつけるが、ミケラの刃と交戦した際は惨敗、赦しを請うため深々と頭を下げた。
この戦況は後に石碑としてリムグレイブの地に残されている。
以降も傲慢な君主としてのさばり、無き強さを得ても狭間の地にいる民は、誰もゴドリックを王として崇める事は無かった。
出身はローデイルではあるが、接ぎ木を繰り返したためか既に追放された身であり、その際に王都から秘蔵品を持ち出している。
実は彼の父祖であるゴドフロアの代でも一族が追放された事があり、「第一次ローデイル防衛戦」で、自分を追放した王都に攻めかかるも騎士クリストフに捕らえられる結果となっていた。どれだけ薄くても血は争えないのだろう。
そして他ならぬ彼こそがエルデの王となるべく冒険に挑むプレイヤーの前に立ちはだかる最初のデミゴッドである。
戦闘
第一段階
地に伏せよ
我は黄金の君主であるぞ!
巨大な金色の斧「ゴドリックの王斧」を振るい、地面を斧で打ち据え砕いたり自身の周囲に暴風を巻き起こすなど、その巨体に相応しいパワフルな戦いを見せる。
一方で図体にそぐわない跳躍やアクロバットなローリングなど、機動性も決して低くはない。
しかし、攻撃の一つ一つは大振りで見切りやすいため、見てからでも回避は決して難しいものではない。
体力を半分まで減らすと、いきなり悲鳴を上げながら自らの左腕へ斧を振り下ろし、そのまま切り落としてしまう。
第二段階
おお、強き竜よ…その力を、我に…
父祖よ…ご照覧あれい!
切り落とした左腕に龍の首を接ぎ木した姿。
龍の首となった左腕からの火炎や、暴風攻撃にも炎属性が追加されるなどパワフルな戦いに磨きが掛かっている。
また、左腕に食らいつかれた上で火炎を吐かれながら地面へ叩きつけられる掴み攻撃も追加され、ダメージも大きい。
一方で攻撃自体が大振りであることには変わりなく、個人差はあるもののやはり見てから回避することは難しくない。
装備
- ゴドリックの王斧
獣の姿を刻まれた黄金の大斧。
黄金の一族の父祖にして最初のエルデの王、ゴッドフレイの力の象徴である。
ゴドリックはこの大斧ともう1つ銀の斧を接いだ右手に持っている。
- 接がれた飛竜
ゴドリックが左腕に接いだ末裔たる飛竜の首。
接ぎ贄としてゴドリックが最近手に入れたもの。
技
- 通常攻撃
「2連右薙ぎ→腕左払い→左手振り下ろし/大斧右薙ぎ/大斧突進」初撃がディレイ強めの大斧と左腕の2連攻撃から始まる連携技。大斧左叩きから始動すると最大5連撃となる。
- 飛び込み左薙ぎ
前方に飛び込みながら大斧を払う。
- 踏み込み大斧叩きつけ
その場から踏み込みつつ腕を伸ばして大斧を叩きつける単体技。
- 大斧左右薙ぎ
大斧で足元を左右に薙ぎつける。
- ダッシュ攻撃
大斧を地面に擦らせながら前方に振り上げる。
- ジャンプ攻撃
その場で飛び上がり両手で斧を真下に叩きつける。
- 横ローリング攻撃
素早く左腕を右に払う技。ここから通常攻撃の腕左払いへと繋げられる。
- 野蛮な連撃
大斧を両手で構えてから5連撃を放つ。最終段は斧を左手に持ち替えるのでかなりのリーチとなる。
- 地に伏せよ!
両手で大斧を地面に突き立て、衝撃波と共に大地を2度揺らす戦技。
後半戦では片手で大斧を地面に連続で突き立て、衝撃波と共に激しく大地を3度揺らす。
- 嵐呼び嵐脚→嵐の刃/嵐の襲撃
ストームヴィルの嵐の戦技の連携技を放つ。
武器を振り回しつつ大地を強く踏み、自らの周囲に3度嵐を呼び、そのまま武器に嵐の刃を纏って前方に2度放つ。または嵐を纏ったまま左右どちらかにローリングを挟んで嵐の刃を放ったり、前方に跳躍して武器を突き下ろす嵐の襲撃を放つ。
後半戦では竜炎を嵐に乗せた攻撃になる。
- ご照覧あれい!
竜炎を吹かしながら左腕を地面へ擦らせ、それを天に突き上げることで竜の炎を前方広範囲に降らせる戦技。
- 竜炎
前進しながら竜の炎で前方を焼き払う。
- 竜炎薙ぎ
竜の炎を右から左へ広範囲に薙ぎ払う。
- 掴み
接がれた竜で相手に噛みつき、咥えたまま炎を吹かして押し付ける。
戦後
彼を撃破したプレイヤーは最初の大ルーンを入手し、円卓の真の一員として認められる事となる。
得られた追憶からは、彼が用いた「ゴドリックの王斧」か「接がれた飛龍」のいずれかを入手できる。
撃破後に再び訪れると、本来の体であろう貧弱な上半身のみとなったゴドリックの亡骸が転がっている。
ゴドリックに虐げられていたという王民、門衛ゴストークに罵声と憎悪を浴びせかけられながら足蹴にされる様は、曰く「因果とはあるものだな」と言わしめるあまりにも惨めかつ因果応報な最期であった。
弱き男は、おぞましい接ぎに力を求めた
兵士たちよ。いつかまた、共に帰らん
黄金の麓、我らの故郷に
余談
・デミゴッドの中では最も女王マリカの血が薄く、弱かったと称されるなど公式で典型的な最弱キャラの扱いを受けている。
ゲーム的な面で見ても、直前の撃破必須ボスであるマルギットの方が強かったという意見が多く見られるなど、初期ボスとはいえ不遇な扱いが目立ち、彼の不憫さに拍車をかけている。
しかもストーリー上の重要なボスであるにも関わらず、終盤のステージにある封牢では「接き木のゴドフロア」というまんま彼の第一段階のモーションを流用したボスが現れるなど、開発の扱いにも酷いものがある。
しかし、そうした扱いの悪さや発売前PVでの印象的なセリフといった数々のネタが、公式非公式問わず出るは出るはで、いつの間にか名前が不明だった頃から「不遜おじ」と親しまれ、発売後もネット上で彼の話題を語り合い、弄る不遜な褪せ人たちが日夜絶えることはない。
・本作を含めたフロムソフトウェアのキャラクター達の多くが、常人には理解しえない崇高な使命を抱え、そのために自分が犠牲になることも厭わない利他的な英雄であったのに対し、彼はただ「強くなって成り上がりたい」という、今までのボスキャラの中では珍しいあまりにも俗物な、しかし普遍的な願望によって行動しており、そういった彼の人間臭さに魅力を感じるファンも決して少なくはない。
・ゴドリックの領地リムグレイブは破砕戦争の被害が比較的少なく、豊かな土地が残っている。上記の通りゴドリックがミケラの刃に土下座して許しを請うたことが石碑に記録されているが、もしそうしなかった場合、リムグレイブもケイリッドのような腐敗した土地になっていた可能性が高い。そのため、自分が恥をかくのと引き換えに領土を守ったという見方もできなくはない。
・ゴドリックは体力を一定以下に減らすとムービーと共に第2形態へ移行するのだが、HPが一定以下になってからムービーが挿入されるまでに少々タイムラグがある。このタイムラグの間にゴドリックの体力を削りきることで、ゴドリックを第2形態に移行させることなく倒すことが可能。第2形態に移行させずに倒した場合、マップ上の竜の死体の首も接がれずに残ったままとなる。