曖昧さ回避
概要
有川浩(現:有川ひろ)の小説。通称「自衛隊三部作」の一作。著者が趣味とする自衛隊と怪獣要素、そして得意とする男女の交流や、未知との遭遇的な知的生命体との出会いを描いた作品。
ストーリー
日本にとってYS-11以来となる国産旅客機「スワローテイル」が自衛隊の演習空域「L空域」を飛行中、突如爆散する事故が発生。続けざまに航空自衛隊のF-15J戦闘機もL空域で爆散する事故を起こす。
墜落死したF-15Jパイロット斉木三佐の息子、斉木瞬は同じ頃に謎のクラゲのような知的生命体と遭遇。UMA好きの幼馴染、天野佳江の提案で瞬はそれを家に持ち帰ることとなり、天野の命名で生命体を「フェイク」と名付ける。それからすぐ父の死を伝えられた瞬は、父を亡くした喪失感からかフェイクを溺愛するようになる。
一方、事故当時の斉木三佐の僚機で、事故を目撃したF-15Jパイロットの武田光稀は、「スワローテイル」の事故調査に派遣された技術者の春名高巳を複座のF-15DJに乗せて事故空域へと向かう。そこには無線を介して武田と春名にコミュニケーションを取ろうとする透明かつ超巨大な知的生命体、後に「白鯨」と呼称される未知の生物が居た。
航空事故の真相とは、そしてフェイクと白鯨の正体とは――――?
余談
著者の別作品にして航空自衛隊を題材とした『空飛ぶ広報室』のテレビドラマ版では、作中に『L空域の白鯨』という架空の漫画作品が登場する、という本作を意識したと思しきセルフパロディがある。