発見と命名
1914年、アメリカ自然史博物館のバーナム・ブラウン(最初のティラノサウルスの化石を発掘した古生物学者。他にもアンキロサウルスやパキケファロサウルス等を記載)がカナダ・アルバータ州のレッドディア川で発見された保存状態の良い鳥脚類の化石(欠けていたのは尾の一部と前肢のみ)に「コリトサウルス・カスアリウス」と命名した。
属名は「コリントス式ヘルメットを持つ爬虫類」を意味するが、これはそのトサカが古代ギリシャのコリント人のヘルメットの頭飾りに似ていることに因む。種小名も同じようなトサカを持つヒクイドリの学名に由来している。
現在のところ、アルバータ州から完全な頭骨や皮膚の印象を含んだ20体以上の化石が見つかっている。
特徴
コリトサウルスは全長9メートル・体重3トンほどのランベオサウルス亜科の鳥脚類で、ランベオサウルスやパラサウロロフスに近縁である。
名前の由来となった半円状のトサカは、近縁種と同じく空洞で幼体の頃は未発達であった。このトサカは内部構造が複雑になっており、嗅覚の発達や鳴き声の増大などに寄与していたと考えられている。模型による実験から、鳴き声は霧笛に似た轟くような音だったと思われる。
また尾椎は胸胴椎から続く骨質の腱に固められており、可動性は乏しかっただろう。