概要
世界一の大国フォーブレイの王でオルトクレイの13歳程年上の兄。
かなり醜悪な外見の持ち主でメルティからは「豚の化け物」「うごめく肉塊」、女王からは「肥え太った豚」、尚文からは「宇宙戦争で有名な映画に出てきた化け物みたいだ」と内心思われ、元康からは「豚王」と呼ばれている。
フィロリアル達からは美味しそうな魔物に見えるらしい。
女を快楽のために拷問するのが大好きで、フォーブレイの王に嫁ぐことが女貴族の処刑方法になっており、それが決まった女性は即座に自害を決めてしまう程に恐れられている。女王も若い頃に豚王に嫁げと親から言われないか怯えていた程。
後述のヴィッチの件ではクズとリーシアが泡を吹いて気絶(書籍版ではヴィッチを送ろうとした件で顔を青ざめて戦慄)し、当人であるヴィッチはプライドの高さや生き汚なさをかなぐり捨てて尚文たちに自ら土下座して踏まれ豚の真似までして懇願し、それでも猶予が叶わないと見るや舌を噛み切って自害しようとした。
この加虐趣味については当然のことながら周りに良く思われていないようで、伝令役だったフォーブレイ兵士は尚文たちに謝罪すると共に見ているフリをした映像編集を頼まれた際は当たり前ではないですかと返答していた。
ヴィッチのことを気に入っており、以前から求めていたが、女王がなんとか断っていた。しかし本編開始後の勇者召喚から始まるメルロマルク及びヴィッチ本人の度重なる問題により庇いきれなくなり、四聖勇者の仲間として世界を救うことに尽力するのを最後の猶予として、これ以上目に余る事を仕出かしたら嫁がせる予定で一万人目の玩具として歓迎しようとしていた。
愚鈍で醜悪だが、自身の権力を守る知恵だけは回っていたらしく、国の経営に関して基本方針以外配下に一任し口出ししない、メルロマルクとシルトヴェルトのような人種差別が街中で見られない等統治面では比較的まともだった模様。
ヴィッチが霊亀からの逃亡後に錬と樹を嵌め、更にメルロマルクのクーデターを起こして捕らわれた事で実際に嫁ぐこと(という名の処刑)となり、ヴィッチを陵辱の末殺している(実はタクトによってホムンクルスとすり替わっていたが)。
ヴィッチがちゃんと死んだのかの確認のために、水晶での証拠映像の撮影を快く応じており、その意見をした尚文を大層気に入り招待したいと言っていた。相当珍しい事らしく、女王やフォーブレイの伝達役が驚いていた。
後日自分の趣味を撮影した映像水晶を尚文に送りつけたが、内容が内容なだけに(尚文曰くグロ映像、やり直しでは錬や樹からAVと呼ばれた)しかもヴィッチとは関係ない女との映像も混ざっていたため鬱陶しく思われた。
後にタクトによって弑逆され、フォーブレイ国は転生者にして偽勇者であるタクトの傀儡になってしまう。
書籍版において
書籍版では3巻書き下ろしの世界会議内での登場のみに止まり、同場面では勝手に勇者召喚を行った事と盾の勇者への差別で各国から非難されるメルロマルク女王を擁護したり、先代の盾の勇者が早死した事をダシにシルトヴェルトを非難する等、大国の王として会議を纏め上げている姿が描かれた。
(真)槍の勇者のやり直し
「槍の勇者のやり直し」では、タクトが革命を起こす前に死んだりするので基本的に生存するが本格的な登場はフォーブレイ編から。
女だけでなく美少年もイケると性的な趣味がかなり倒錯していたり、謁見の際に部下にカンペを用意させたりと王として有能には見えないが、実は政治的な勘は悪くなく元康達との接触でボロを出したタクト一派に属する大臣をその場で即クビにしたり、元康からの耳打ち情報を元に四聖勇者に協力してタクト達を一網打尽、自身の王としての権力をもってその一味の権威剥奪と処分を担う、国中に潜む波の尖兵による七星勇者の殺害や武器の不正所有への対策の協力等、基本的に四聖勇者達の話を真面目に聞いてくれて援助金等の面でも全力でサポートしてくれるため、元康からエリート豚と評価されている(彼の趣味に関しても女が豚にしか見えない元康から見て養豚場だの精肉工場といった呼び名が付けられ、タクト一派を処分する手段として見做されるようになった)。またこの手のキャラにありがちな、権力でものを言わせて強引に仲間の女性キャラに迫るといった事もしていない。
活動報告のボツネタでとあるフィロリアルと仲良くなった結果(性的な意味で)搾り取られて女性認識が矯正されるという話があり、真やり直しでのシルドフリーデン編で元康の記憶が曖昧になっているなどのオブラートに包んだ形で真やり直しチュートリアル世界でその出来事があったことが語られている。
余談
趣味の面で俗物な人間性ながら国のトップとして有能な部分や終始四聖勇者達の味方となっていたことが意外にも読者から好評だったらしく、作者も驚いていた。