概要
世界で唯一の、首が撥ねられてなお一年以上生きたニワトリである。
1945年、アメリカのとある農場で1羽のニワトリが肉にされる為に首を撥ねられた。
首を撥ねられた後もそのニワトリは動き回っていたが、これ自体は割とよくあることであり、たいていの場合は程なく死亡する。このニワトリもまた例外ではない…はずであった。
しかし、そのニワトリは一向に死ぬ気配を見せず、首が無いまま平然と生き続け、あまりの状況に農場の人々もこのニワトリを肉にするのを思いとどまった。
それから程なくして「マイク」と命名されたこのニワトリのうわさは瞬く間に広まり、見世物小屋で見世物にされたマイクは「奇跡の鶏」として新聞や雑誌に載るほどに有名となった。餌や飲み水は喉に管を通しスポイトで与えられていたそうである。
首を撥ねられて2年近く後に、マイクは餌を喉に詰まらせて死亡した。首を撥ねられて死因が窒息死だったのはこのマイクくらいしかいないだろう。
なお、マイクが飼われていた農場がある地域では、この世にも珍しい首なし鶏の記念日が設けられており、その生命力を称えるお祭りも行われているらしい。
何故マイクは生きられたのか?
にわかには信じがたい話であるが、ユタ大学での検査の結果、このニワトリはこの状態でも生物学的に「生きていた」ことがちゃんと証明されている。
頸動脈が凝固した血液で塞がれ、なおかつ脳の大部分が残っていた為に生きられたと考えられている。
通常、首を撥ねられれば頸動脈から多量に出血するうえ、生命維持に必要不可欠な脳幹が失われるためまず間違いなく死亡する。だがマイクの場合、撥ねられた時の切り口がたまたま脳幹を外れていたうえ、頸動脈からの大出血も起きずにそのまま止血され、奇跡的に死を免れてしまったようである。
しかも、片方の耳が残っており、歩くのに必要な三半規管も残存。さらに首を撥ねられても羽繕いなどの動作や食べ物の消化が問題なく行われていたことから、脳の大半の機能も失われずに済んだものと思われる。
なお、後に多くのアメリカ人が第二の首なし鶏マイクを作ろうと多くのニワトリの首を撥ねたが、これほどの奇跡的な状態がそうそう再現できるはずもなく、当然全部死んだという。
関連タグ
ゴキブリ:こちらも首が無くとも暫く生きられる。ただしこちらは脳以外に「第二の脳」というべき器官があることによる。
コケピー:チェンソーマン第二部にて登場した首無し鶏。