概要
「地獄から来たブタ」ことエンテロドンと同じエンテロドン科の哺乳類で、このグループでは最後にして最大とされる種。属名は「敵意のある歯」を意味する。
かつてディノヒウス(「恐ろしいブタ」の意)と呼ばれた化石は、現在では本種のシノニムと判明している。
化石はアメリカの漸新世中期から中新世後期の地層から産出している。頭骨だけでも長さ90cmに達し、肩高1.77m・体長3m・推定体重1tと犀並みの巨体を誇った。その巨体故に、発見当初はブロントテリウムに近縁と考えられていた。
他のエンテロドン科と同様に強靭な顎と長い四肢をも持ち、頭骨にあるこぶ状の突起は同種同士の争いに用いられたとされている。
近縁種同様、雑食性で何でも食べていたようだが、骨まで噛み砕ける強靭な顎やその巨体から、他の肉食動物の獲物を奪うスカベンジャーだった可能性もある。