概要
ガチャガチャと特徴的な音を立てながら紙に活字を打ち込んでいく、電化製品が普及する前からある機械。
欧米で発明されたものなのでアルファベットのみが打ち込める英文タイプライターが基本だが、日本ではカタカナを打つカナタイプライターや漢字なども打つことができる和文タイプライターも作られていた。カナタイプライターは英文タイプライターとほぼ同じ構造だが、和文タイプライターは構造が大きく異なり、漢字を入力するために狂気の構造をしている。
日本のワープロ・PCにおけるキーボードの配列はこのタイプライターでも用いられた「QWERTY配列」を採用しているが、ヨーロッパ語圏のタイプキー配列は、ラテン文字の地域に限っても何通りかに分かれる。日本のワープロローマ字打ちでは、結果的に多用していた英語用QWERTY式と偶然に相性がよく、そのまま流用した。
なぜ滅茶苦茶な配列になっているのかは不明で、本来なら英文で使用頻度の高い文字キーを打ちにくくして絡まるのを防ぐため、一部意図的に違う場所に置かれるようになった、とも言われるが定かではない。
活字を綺麗に打ち込めることで誰でも読みやすい文面を作れるのが利点となるが、早く打つにはそれなりの技術を要するため、タイプライターが打てると言うだけで専門職(タイピスト)として成立した時代もあった。下手に早く打ち込むと活字を動かすアームが絡まり故障の原因となるため、独特のコツが必要だった。
日本では普及せずガリ版が多用されていたが、一部の意欲的な企業個人がカナタイプを導入した。
特徴的な音からトミーガンの別名として言われる事も。→シカゴタイプライター