お鶴(ONEPIECE)
おつる
CV:柿沼紫乃
概要
“新世界”ワノ国の郷の一つ「九里」のおこぼれ町で茶屋を経営している女将。
麦わらの一味がパンクハザードにて出会った侍・錦えもんの妻(恋女房)でもある。
浮世絵の美人画をそのまま起こしたような面長の顔に、目尻の上がった少々気の強さを感じさせる風貌の女性。世話好きで心優しい性格をしており、将軍・黒炭オロチによる悪政で貧しく暮らす他の住人たちにも良く接し慕われている。最近は、看板娘のお菊に店を手伝ってもらっている。また、編笠村跡地で暮らすお玉とも知り合いであるようで、工場廃水で汚染された川の水を飲んで体調を崩した彼女をすぐに店で介抱している。その他、ルフィ太郎やゾロ十郎、後に漂着した記憶喪失のおリンさんなど、海外の人間にも分け隔てなく饗すなど、懐の広い人物である。
一方で、一度言い出したら聞かず、相手があまりに融通が利かないと烈火の如く怒り狂うなど気性の荒い部分もあり、お玉への厚意で誕生日のお祝いに作ったお汁粉を、彼女が武士の意地からなかなか手を付けようとしなかった際には、しびれを切らして鬼の形相で叱りつけ「食べないなら捨てる」とまで言い放ったことさえある。
元々は首都「花の都」近郊の山道で店を開いており、当時は「看板娘の鶴女(つるじょ)」と呼ばれていた。錦えもんとはこの頃からの幼馴染で、まだ単なるチンピラだった彼がよく店の売上金を盗み出そうとしているところを締め上げ、逆にこれまで盗んだ金の弁償として彼の身ぐるみを引っ剥がすなどかなり勝ち気な性格であった。二人がいつ頃に婚姻したかは不明だが、20年もの間不在だった夫を現在でも愛しており、後夫をとらずにオロチやカイドウの圧政の下で耐え続け、再会を待ち望んでいる。
また、錦えもんの同心である菊の丞は、妻の心配を押し殺して懸命に将軍家奪還計画に打ち込む彼を気遣い、町娘の「お菊」として現在の国の情勢を探る傍らお鶴の下で働いていたが、実はお鶴の方は当初からお菊の正体に気付いており、彼らの事情を汲んで敢えてそのことは明かさずに気付かないフリをしていた。錦えもんの方も、博羅町でのルフィとカイドウとの一騎打ちの際にお鶴が心配になり、戦後間もなくこっそりと物陰から彼女の現在の姿と無事を確認し、安堵の言葉と申し訳無さを吐露していた。
作中での活躍
ある日、九里の荒野にてカイドウの部下に追われているところをゾロに助けられ、すぐその後にゾロをみつけて駆け寄ってきたルフィと出会う。
ルフィとゾロを狙うバジル・ホーキンスの一軍との戦いの間は、ルフィが乗っていた狛千代の尻尾で隠れていたが、ホーキンスたちを退いた後、再び姿を現して二人に感謝した。また、ルフィが連れていた知り合いのお玉が工業廃水を口にしてしまったことを聞くと自身の茶屋のあるおこぼれ町へと案内し、店番をしていたお菊やルフィと協力して煎じた薬草を飲ませ、空腹を抑える為(と、彼女の誕生日を祝う為)にお汁粉を作ってもてなした。
ようやく事態が終息したところで改めてルフィたちと自己紹介を交わす。
彼らが外国人(ワノ国の外の人間)であることにもすぐ気付くが、恩人である二人が悪人であるはずがないと信頼し、必死で取り繕うとする彼らを笑ってみせた。その後、二人にこの国の現状を語っている最中、再びカイドウ一味のギフターズたちが現れてお玉を誘拐してしまい、ルフィ、ゾロ、そしてお菊は、狛千代の脚を借りて直様彼女が攫われた博羅町へと向かった。戻ってきたルフィたちは、無事お玉を取り戻したばかりか、おこぼれ町のために桃源農園の新鮮な食材が載せられた宝船を引きながら帰参し、お鶴はじめ町の住人は彼に感謝の言葉を寄せた。
その後、お菊たちが連れ帰った記憶喪失の漂流者シャーロット・リンリンに対してもお汁粉をふるまっており、彼女からは「(量は少ないけど)美味しい」と絶賛されていた。
しかし、錦えもんたちが戦の準備にあたり食料を集めていたのを百獣海賊団に怪しまれてしまい彼らが国を取り戻してくれるのを信じて誤魔化しとなる手がかりを挙げようとしたが同じく彼らに賭けたおこぼれ町の住民達も匿おうと疑惑を被る。それによりおこぼれ町は焼かれてしまい、その後の消息は不明だった。
(結果的に、この事実をお玉を介して知った“おリンさん”ことシャーロット・リンリンが、彼女たちへの仁義から百獣海賊団に対し激昂、その場にいた飛び六胞の姉弟と激突した。)
鬼ヶ島崩落後、お鶴は顔に大怪我を負っていたものの無事であったことが判明。夫の錦えもんとの再会も果たし、戦後しばらくは九里で夫婦水入らずの時間を過ごした模様。