ネス公国大公と関係深い家の騎士。
国の危機を救うため迷宮探索に参加する。愛と正義と善意の人。
概要
売名も打算もなく、ただただ民草を苦しませる災厄を払うべく馳せ参じたネス公国の騎士。
遺跡から湧いて出た怪物を相手取り、槍を振るい勇敢に戦う。
まっすぐな性格をした好青年であり、誰に対しても明るく礼儀正しく振る舞う。騎士道精神に溢れ、虐げられる人々を見過ごせない正義の味方。
一癖ある連中揃いのパーティメンバーにも友好的で、キャラ紹介にもある通り嘘偽りない善意の塊なのだが、その言動はなぜか周囲をイラッとさせてしまう。他の面々が揃って突っ込みを入れるような事柄に対してもボケた反応を返すことが多く、時には呆れられたりすることも。
実はネス公国を統べる大公の甥にして侯爵家の一員、つまりモノホンのVIPであり身分は仲間内でダントツに上。本来ならばこんな片田舎で素性の怪しい奴らにタメ口を利かれている場合ではないはずなのだが、「気にしないでくださいね!」と宣言し(て仲間をウザがらせ)ている為、皆気楽に接している。
大公の甥というわけで、都からやってくる大公の息子「テオル公子」は彼の従兄弟にあたる。アルソンが騎士見習いだった頃はテオルに付いていたらしく、少し変わり者だが立派な考えを持っていると大変尊敬している様子。
剣に画鋲を仕込むなどのイヤガラセを受けた際にも助けてくれたそうだが、そんなもの剣のどこに仕込むのだろうか。
主人公の生まれを「騎士の嫡子」にした場合は、主人公の父親となる領主カムールからアルソンを直々に紹介され、さらに性別が女である場合には主人公の縁談の相手となる。
同じ貴族とはいえ、大公の血筋に連なる名家の彼と田舎伯爵の娘である主人公とでは立場に差があり無礼のあってはならない良縁だが、初っ端主人公に一目惚れした結果温厚なカムールをして「調子に乗るなよ小僧」と言わしめるアルソン節を発揮してしまった。
具体性ゼロの理想論を熱弁したり貴族マインドで僻地出身の人物を無意識に見下したりモブに役立たナイト呼ばわりされたり……と彼のズレっぷりは枚挙にいとまがなく、仕舞いには作者直々にネタキャラ扱いされる始末。
一応指導者としてちゃんと考えたり真っ当に仕事をしたりはしているのだが、事あるごとに愛の素晴らしさを語っているせいかその辺があんまり目立たないのが辛いところ。
それでもなんだかんだで国を良くしていこうという気概はあり、人としての成長ぶりも目を見張るものがある。
当初は愛と正義を掲げて猛進する無垢な理想家にすぎないが、やがて遺跡を取り巻く思惑の渦中にあってシビアな現実に直面する。
迷い、苦悩しながらも、しかし決して心根は揺らぐことなく、ひたむきに己が正義を貫く。それが彼、公国の未来を背負って立つ騎士アルソンなのだ。
大事にしてあげよう。
能力
ステータスとしてはHP、防御が高く素早さの低い典型的な重戦士タイプ。
いっそ清々しい程の脳筋騎士様であり、魔法を自力で一切覚えない(一応補助・回復魔法であれば覚えさせることはできるが……MP、魔力が低い為効果は推して知るべし)。
探索スキルも初期状態から備える「腕力」のみと、探索面ではほとんど役に立たない。腕力で解決できない問題に挑戦させた際のセリフ「がんばります!」→「無理でした!」のスピード感は必見。
その代わりに、とにかく硬い。カッチカチ。
HPと防御力は全キャラクター中最高。魔力が低いので魔法攻撃には弱いと思いきや、HPが高いので素受けしても余裕で耐える。
加えて仲間キャラでは珍しいくらい状態異常・魔法属性への耐性を豊富に備えており、物理耐性強化技もいくつか覚える。防具も充実しているので自前でつけられる耐性と合わせればまさに壁。その為、ボス戦などで他のメンバーは死んでるのにアルソンだけは生き残っている、なんてことはザラにある。
罠に引っかかろうが魔将の放つおぞましき鉄串を受けようが、果ては雪山の深いクレバスに落下しようが生還し、上手な料理で拵えた蘇生アイテムをせっせと仲間の口に突っ込むのが彼のお仕事なのだ。
攻撃面も悪くなく、素の攻撃力が高い上にだいたいの武器は装備できるので敵に合わせて自由に使い分けることができる。
その反面かなりの鈍足で、速度が関係する仕様上命中率に少々難がある。基礎命中が高い槍を装備させてカバーしたいところ。
スキルは槍技や耐性強化、速度、防御力を高める自己強化が揃っているほか、指揮官である彼の立場を反映しているのか、成長すると「防御陣形」「突撃命令」といった全体強化技まで覚える。
こと戦闘に関しては非常に頼りになるタフガイである。
そして前述のとおり、数少ない料理が上手なキャラクター。
素材さえあればMP食いの魔術師達の為にチョコレートパイやアップルパイを量産してくれるので、長丁場の探索に一役買ってくれるだろう。
お屋敷のメイドを差し置いて貴族の子息が料理上手とはこれいかに。
料理による補給役を一手に引き受け、パーティの最後の壁となり、いかなる時も愛に溢れる彼のことをお母さんのように思っているプレイヤーも少なくない……。
「えっ!? 僕、この歳でお母さんなんてなりたくないですよ!」
年齢の問題なのだろうか。