ハルメアス・モラ
はるめあすもら
「知識の代償は、知識だ」
「これは何百年もの間、世界から遠ざけられてきた。」
「今はお前の手の中だ。共に奇跡をもたらそう…」
概要
英語版声優:Wes Johnson(ウェス・ジョンソン)
ハルメアス・モラ(Hermaeus Mora)とは、The Elder Scrollsに登場するDaedra (デイドラ)の一柱である。
「知識の王」という異名で知られ、星や天からの知識を読み解き過去や未来の運命の流れを司る。
知識を司るとされているが「知識を得るために熱心に学ぶ」というよりも「自らの無知が許せない」「自分の知らない知識があることが我慢ならない」という存在である。
知識の収集には非常に熱心であり余念がないが、知識自体の重要性は関係なく、自分が知っているか・知らないかという点のみに執着している。例えどれほど貴重で価値のある知識であっても、自身が知っているものでれば全く興味を示さず、逆に自分が知らないことであれば、くだらないものであっても夢中になる。(例えば「世界征服する方法」であっても既に知っているなら興味を持たないが、「おばあちゃんの秘伝の料理レシピ」を知らないのであれば、どんな手を使ってでも知ろうとする。)
様々な別名を持ち、ノルドやスコール族からは「ハルマ・モラ」「知識の悪魔」「ウッドランドの男」「試練の神々」「不可避の全知」、カジートの歴史の最初期では「ハーモラ」「潮の王」「他者の知識の保持者」、ウッドエルフからは「ヘルマ・モーラ」と呼ばれている。特にノルドの神話では、北方のアトモーラ大陸の同胞団やイスグラモルをはじめとしたノルドたちをその知識を見返りに誘惑する悪魔としてたびたび登場する。またトリビュナルからは「もっとも位の高いデイドラ」の一柱として挙げられている。
性格は他のデイドラ王らとは一線を画しており、定命の者らを見下すような素振りは見せず、それ故に驕ることもないため、他のデイドラ王のように信者が裏切られたり、他のデイドラ王にからかわれるような隙を見せない。
そして、自分の知らない知識を持ってきた者には対価として自身の保有する知識を授けるなど公平な面を見せる(もっとも、知識を得るために必要であるならば定命の者の命を奪うことになんの痛痒も覚えないが。)など、高次の存在たる『神』らしい振舞いを見せる。
そういった性質・性格や「知識」と言う膨大かつ普遍的な権能を有することから、あらゆる時代にハルメアス・モラの信者は居るとされている。研究者や学者がグループを作れば一人はハルメアス・モラの信者であると揶揄されるほど。
決まった外見を持たず、「Oblivion」までは「ハサミの生えた大きなイモのような姿」という姿で登場していたが、「Skyrim」や「ESO」では大きな無数の目と無数の触手のような姿をしている。
関係性など
同じデイドラの「ヴァーミルナ」とは敵対関係にあり、逆に「アズラ」とは協力関係にある。
また、一方では裏切りや不和を司る「メファーラ」の兄とされている。
そして他のデイドラ達とは少々異なり、自身のチャンピオン(※家臣や従者、お気に入りの英雄など)を迎えることにあまり興味がないようではあったものの、SkyrimのDLC第三弾「Dragonborn」では原初のドヴァキンであるミラーク本人から契約を申し出られた際にアポクリファの領域に招き入れて専用の鎧武器や特別な竜の言葉を与えていたなど、人ではない彼なりに愛情深く可愛がっていたことが判明した。
...そしてやはりというかモラ様には「極めて稀」「今だけ」「唯一」「最後」などの値札に弱い面があるのか、その後数千年経ってから主人公である最後のドヴァキンがこの世に現れた際にはストーカーまがいの監視でもってして家臣への勧誘を試みるなど、ここぞとばかりにお茶目な面を披露してくれている。
支配領域
無限の知識の貯蔵庫「アポクリファ(Apocrypha)」を自身の支配領域にしている。自身が集めた知識を集めておく秘密の図書館である。
一般的なものから禁断とされた知識まで、ありとあらゆる情報や知識が収蔵されており、知識を追い求める者はいずれアポクリファにたどり着き、その知識欲に囚われてアポクリファから永遠に出られなくなる、と言われている。
この支配領域へは「黒の書」と呼ばれるアーティファクトを読むことで入ることができ、前述のとおり大抵の場合は元の世界に戻れずに死ぬか、運良く戻れても発狂して死ぬと言われているのだが、読破すれば人知を超える知識が得られるために、「黒の書」を求める者は後を絶たない。
領域内は端的に言えば「巨大な図書館」なのだが、その実態は、何かの巨大生物の外郭を思わせるような建物、濃緑色のインクで出来た広大な海からは無数の触手の列が天に這い向かい、大量の本が積み上がっては壁や柱などを形成し、あらゆる場所に禍々しい遺跡や古代の偶像が転がっている。
そして領域内にはシーカー(Seeker)とルーカー(Lurker)と呼ばれる深海魚のような姿の高位のデイドラが広大な図書館を巡っており、インクの海の底から時折侵入者の様子を窺っている。
アーティファクト
自身の支配領域への出入口となる本「黒の書」、読者の能力をより高める知識を書き記した、あらゆる動物の皮革で装丁された書籍「オグマ・インフィニウム」がある。