「勝負あったなクジャク!覚悟!!」
演:天祭揚子
概要
ゴーマ族の3幹部の紅一点で、シャダム中佐、ザイドス少佐と共に強硬派に属する。他の2人と同様にボンデージ衣装に身を包んでおり、衣装の随所にあしらわれたファスナーが特徴の一つともなっている。
サーベルやビーム状のムチを駆使した白兵戦を得意とする他、手から放つ光弾「妖魔牙」や、風を操る「突風地獄」など、多彩な妖術も武器としている。また3幹部共通の能力である、金属質の仮面を被っての能力強化も可能で、彼女の場合は仮面が他の2人とは異なり金色となっている。
高慢にしてヒステリックな気性の持ち主で、3幹部の中でも残忍さに関しては随一であるが、一方で後述の理由から、他の2人のように野心や出世欲にはそこまで旺盛という訳では無い。
クジャクとの因縁
第1クール終盤より登場するクジャクに対しては、物語の始まる遥か以前より激しい敵愾心を燃やしており、6000年前の戦いでは罠に嵌めて鏡化粧師の体内に封印せしめ、現代に蘇ってからも度々彼女を亡き者にせんと策略を巡らせた他、直接干戈を交えた事もしばしばである。またクジャクのみならず、彼女と関係を深めていったシシレンジャーこと大五とも、必然的に対峙する機会も増えていく事となる。
このようにクジャクに執着を見せる理由は、物語も終盤戦に差し掛かる頃にようやく明かされる事となる。実のところガラは元々はダイ族の人間で、同じダイ族のクジャクとは親友同士という、それまでの因縁を思うと俄には信じ難い間柄にあった。にも拘らず敵同士となったのは、ガラがクジャクをかばって顔に傷を負った後、クジャクが自分に黙って姿を消した事に起因する。
クジャクの真意はあくまでガラを救う事にあった(クジャクの記事も参照)とはいえ、その真意を理解できず見捨てられたと感じたガラは、何時しかクジャクへの憎しみを募らせ遂には復讐のため、ゴーマ族に身を投じるに至ったのである。
物語終盤では、生命の尽きかけていたクジャクと決着を付けるべく、呪術で生霊を生み出してダイレンジャーを妨害し、自らはクジャクとの一騎討ちに臨むも、死闘の末に深手を負うのみならず失明という憂き目に遭ってしまう。
敗北を悟ってなお、クジャクへの呪詛を口走るガラであったがしかし、そのクジャクによって自らの延命と引き換えに顔の傷跡と目の負傷を治された事で、ようやくガラもクジャクが自分の前から姿を消した真意を悟る事となった。
しかし、そんなかつての友の自己犠牲をもってしても、ガラの中の憎しみは遂に氷解する事はなかったのである。
本物と偽物
クジャクの昇天後もなおゴーマ族に留まり、シャダムと嘉挧との間で繰り広げられた皇位継承戦においても前者の側で暗躍を見せていたガラであったが、大五とリンとの最終決戦に際して、再び地上に現れたクジャクの口から、予想外の事実を突きつけられる事となる。
「6000年前の戦いの時、ガラ……あなたは死に、その魂はとっくに天国へ……。
今のお前は、シャダムが作り出したただの操り人形に過ぎない」
その言葉を裏付けるかのように、天上界からはクジャクの呼びかけに応じ、ガラと瓜二つの顔を持つ「輝けるガラ」が出現、彼女の手によって術を解かれたガラの身体は、先んじてダイレンジャーに敗れたザイドスと同様に、見る間に土塊へと転じていった。
自らの身の上に降り掛かった残酷な事態に絶望しつつも、なおクジャクや大五たちへの憎悪に燃えるガラは、
「たとえ泥人形であろうと、私はお前たちを永遠に憎む!」
「私は……ゴーマのガラなのだ……!! ア……アァ……!!」
と、怨嗟の言葉を吐きながら遂に自壊。ガラを称していたその残骸もまた、輝けるガラによって風と共に吹き飛ばされ、地上から消え去っていったのであった。
関連タグ
ドクター・マゼンダ - 超獣戦隊ライブマンの登場人物の一人。ガラと演者を同じくする3幹部の紅一点であり、かつての旧友たちとの因縁の果てに、人ならざるものとして散っていったという共通項も有する