ピクシブ百科事典は2023年6月13日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

泥人形(五星戦隊ダイレンジャー)

どろにんぎょう

本記事では、特撮テレビドラマ『五星戦隊ダイレンジャー』に登場する秘術としての泥人形について取り扱うものとする。
目次 [非表示]

ザイドスなんじゃこりゃあー!!俺の顔ぉ! 俺の体ぁ! 助けてくれェェェー!! 俺の出世はどうなるんだァァァ!!」(第48話)

ゴーマ十五世「ワシが泥人形だったなんてぇ・・・シャダぁm・・・」(第49話)

ガラ「私は・・・ゴーマのガラなのだ・・・!! ア・・・アァ・・・!!」(同上)


概要

ゴーマ族が用いる秘術の一つで、から作った人形に死亡した人物の魂、もしくは残留思念を宿すことによって、これを擬似的に蘇らせるというものである。つまり、ゴーレムのようなものだろうか。この術によって蘇らされた者は、生前とほとんど変わりない姿や記憶、人格を備えており、妖力や妖術等も駆使することができる。また前述の通りゴーマに由来した術ではあるが、ガラ中佐のように元はダイ族出身の者に対してもこの術は有効である。

一方で、生前の記憶や人格をそのまま引き継いでいるという性質上、時に術を施した者の意図を超えた行動におよぶこともあるため、定期的に「調整」を施して意に沿うように仕向けなければならない場合もある。このお陰で予想外の行動を取っても術を施した者に対する離反や良心に目覚める様子も無かった。

もっとも、物語終盤でガラが自身のオリジナルと対面していたことを鑑みるに、泥人形の記憶や人格があくまでオリジナルコピーした別個体であるとも考えられる。死んで地獄に落ちた阿古丸が、オリジナルの魂に遭遇した様子が見られなかった為、六千年前の戦いで死亡したガラ以外のオリジナルの魂も地獄ではなく天国に存在している模様。


術はそれを施した者によって任意に解くことができるが、それ以外にも強力な力によって強制的に解かれる場合もあり、いずれにおいても術が解けた泥人形はその姿を維持できなくなって元の土塊へと戻ってしまう。具体的な過程としてはまず手足といった末端部から崩壊が始まり、やがて胴体を経て頭までも、最後には土に転じて完全な崩壊を迎える。この時、意味ありげに眼球が映し出されることも多く、これこそが術の核となっているのではないかと考察する声もある。

対象となった者には自分が既に死んで泥人形になっているという自覚は全くなく、術が解けて自らの身体が土塊へと戻っていく段になって初めて、この事実に気づく者がほとんどである。さらに恐ろしいことに、この状態でもなお当人の意識はハッキリと残っており、全身が崩れる際に生じる苦痛も当然味わうこととなる。このあまりにもおぞましくむごたらしい末路は、それを間近で見届けた登場人物は言うに及ばず、視聴者にも凄まじい衝撃と恐怖を与えた。


術の目的と黒幕

そもそもこの術が何のために用いられたのか、その答え(というよりも術の存在そのもの)は物語の最終盤になって語られることとなる。

まず記事冒頭に示した台詞からも察せられるように、この術はゴーマ族の、それも中枢に関わるごく一部の人物を対象に施されたものである。そしてこれらの人物達と深く関わっていた者――即ちシャダム中佐こそが、この術を駆使していた張本人である。

六千年前の戦いの果てに、消耗したゴーマ族が現代に至るまで雌伏を余儀なくされた後も、元老院を始めとする組織体制そのものは引き続き維持されており、皇位継承の資格者とはいえあくまで一幹部にすぎないシャダムが、そうしたしがらみを無視して組織を壟断する余地は本来残されていなかった。

そのため、こうした「障害」を克服して自らがゴーマの実権を掌握するためにシャダムが取ったのが、かつての戦いで死したゴーマ皇帝を「泥人形」として蘇らせ傀儡として立てた上で、秘密裏にこれを操るという方策であったのである。


もっとも、全てがシャダムの思惑通りに進んだ訳ではない。

例えば自らの息子にして忌むべき政敵でもあった阿古丸は、傀儡として立てたはずのゴーマ十五世に気に入られたことでその寵臣として度々シャダムの立場を脅かしており、これを排除するために「調整」の必要に迫られたこともあった(※1)。またシャダムが事の真相を明かし、ゴーマ皇帝の地位を簒奪した時点で、ダイレンジャーの突入や大神龍の介入等によって本拠たるゴーマ宮、それに組織の中核をなす者達の多くは失われており、既にゴーマ族は組織としての体をなさないボロボロの状態にあった。

シャダムにとって何よりの誤算だったのは、彼自身もまた黒幕という役割を与えられた」泥人形でしかない、という事実である。「作中で活動していたシャダム」も泥人形である以上、それを仕立て上げた人物――本当の黒幕ともいうべき存在がいるはずだが、それが誰であるのか、そもそも実際にそういった人物がいたのかという点も含めて、作中ではついに語られることはなく、番組終了から30年近く経つ今なお謎を残したままである。

1度目の巨大戦が致命傷にならなかったザイドスや生き霊ガラの一件で死にかけたガラ、昇天の後にガラが偽物である事実を知ったクジャクとは異なり、死んで蘇った阿古丸に終生泥人形であるという事実を知られなかった(知られれば最後、それまでの経緯から追い落としに利用されるのがオチである)のは、シャダムにとっては幸運だったのか、あるいは自分が偽物であったことを知る機会を失ったという意味では不幸だったのかは定かではない(※2)。


シャダム「俺も・・・泥人形だったのか・・・。 嘘だ・・・助けてくれ・・・助けてくれ亮ォォォォ!!」


(※1 このような迂遠な方法を取らざるを得なかった辺り、少なくとも阿古丸はれっきとした生身の人間であること、また息子を授かった時点でシャダム本人は健在であったと見られること、そして「泥人形の」シャダムが暗躍を始めたのは物語開始から遡ること十年弱の間であろうことが示唆されている)

(※2 泥人形である事実を振り返れば、今までの見方が変わり最終決戦前にその存在がダイレンジャー側に知られ、シャダムの計画に綻びが生じる可能性は十分にあったと言える)


備考

放送当時の『てれびくん』で連載された漫画版では、ザイドスとガラがシャダムから用済み扱いされて泥人形へと戻される流れとなっている。


関連タグ

五星戦隊ダイレンジャー シャダム中佐

傀儡 クローン 穢土転生


ハニワ腹話術師土を素材とした人形そのものがモチーフのゴーマ怪人の一人。

ゴーマ四天王:同じくゴーマ怪人の集団で、一度倒された際に土塊の状態を経て再度蘇った事から、あるいはこの術とも何らかの関連があるのではないか(ゴーマ十五世が生み出した泥人形説)と考察する向きもある。

生き霊ガラ:泥人形のガラを模した人形である怪人。


兵馬俑:恐らくモチーフ。

バンドーラ一味:前年の『恐竜戦隊ジュウレンジャー』に登場する敵組織。彼らが使役するモンスター戦闘員は、いずれも「泥人形から作られた存在」である。

妖怪レプリカ:後年の『忍者戦隊カクレンジャー』に登場する死亡したの泥人形。こちらは「触媒に生きた人間の子供を使った人質」と言うオマケつき。

銀河戦国群雄伝ライ:『ダイレンジャー』とほぼ同時期に連載されていた漫画。作中に類似した泥人形の術が登場する。


リンシー(ゲキレンジャー)幻獣キメラ拳スウグ同じ拳法戦隊に登場する。前者は死者を蘇生させた存在。後者は魂を人形に集めたような存在。

関連記事

親記事

シャダム中佐 しゃだむちゅうさ

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

pixivに投稿された小説 pixivで小説を見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 29853

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました