ゴーマ十五世「お前達にゴーマ四天王を貸し与える。東方天!南方天!西方天!北方天!今日から、3人の命令で動くんじゃ」(第28話)
登場話数: 第28話「総登場だぎゃ!!」-第31話「またまた新戦士」
概要
シャダム達三幹部に発破をかけるべく、ゴーマ十五世が彼等に預けた直属の怪人集団でゴーマ怪人の中でもエリートの部類に入る強者達である。
普段は托鉢僧の姿を取っており、角を生やした異形の頭と各々の名を示す緊箍児を笠で隠している。
各人とも莫大な妖力の持ち主であり、狙った相手と因縁のある者の幻影を出現させ、これを「魔界」へと引きずり込んだり、呪いの面と経文によって対象の正気と自我を奪い、暴走させ死に至らしめるゴーマ最高の呪術「バードゥー」等、多様な妖術を駆使する。
また、後述の「合体四天王」への合体能力や一度倒されても土塊の状態から復活するなど、他のゴーマ怪人には見られない特殊な性質も備えている。後者に関しては、終盤にて判明するある秘密への布石であったのではないか、と見る向きもある。
メンバー
得体の知れなさを強調するためか作中ではほとんど台詞はなく、また基本的に4人一緒に行動する事もあってか各人の個性は概ね以下に記した見た目と能力によって示されるのみである。
デザインは河野成寛が担当。JACの面々に素面で演じてもらう事を前提としたキャラクターである事から、企画者104所属の河野が顔のパターンを4人分考案し、頭から下は衣装で対応する形となっている。
- 東方天(演:岡本美登)
頭部の角は1本で、「東」と記された緊箍児を頭部に付けている。
口から吐き出す妖力の糸で相手を縛り上げ、動きを封じた上で放電によって攻撃する技を得意とする。リュウレンジャーを口からの妖力の糸で縛り上げ、空中で何度も回転させながら高圧電流を流すというハードな技で苦しめた(見た目にもかなり屈辱的な技であり、コウの前でこの技で絶叫を上げながら苦しめられたリョウの精神的ダメージも計り知れない)。
- 西方天(演:関根大学)
2本角で「西」と書かれた緊箍児を頭部に付けている。
テンマレンジャーのキック技を受けても全くダメージを受けない屈強な肉体の持ち主で逆に反撃の火炎放射でテンマレンジャーを苦しめた。
- 南方天(演:日下秀昭)
3本角で「南」と書かれた緊箍児を頭部に付けている。4人の中では唯一の髭面。
強靭な体躯による肉弾戦を得意とするパワーファイター。
シシレンジャーの首を締め上げた後上空に放り投げ、そのまま錫杖でシシレンジャーの身体を何度も打ち上げ、お手玉にした。
- 北方天(演:井上清和)
4本角で「北」と書かれた緊箍児を頭部に付けている。
ホウオウレンジャーを翻弄した瞬間移動と妖力の突風を得意とする。
合体四天王
「「「「四天合体!」」」」
ゴーマ四天王が上記の掛け声と共に融合した姿。僧衣をまとった紫色の怪物の姿をとり、頭部の左右前後に備わった4つの顔には、合体前の四天王と同様に東・西・南・北の文字が額に刻まれている。
合体前と同様に錫杖を駆使した棒術を得意とし、牙大王との再戦時には必殺技の飛翔剣・木端微塵を打ち返す等その強さを見せつけている。
デザインは篠原保が担当。合体四天王についてはあまり印象にないと前置きしつつ、特にゴーマ四天王の出自等について知らされぬまま発注があった事から、単純に顔が4面あればいいだろうという発想でのデザインとなっている。一方で三面宿儺のような処理ではいまいち面白くないという考えや造形の都合上顔の幅がどうしても狭くならざるをえないというところから4つの顔を頭から離したところに持っていき、伸ばした首にスーツアクターののぞき穴を設ける形にアレンジしている。
この合体四天王と歌舞伎小僧のデザイン画稿は一時期所在が不明となっており、2011年にスーパー戦隊シリーズの怪人デザイン図録『百化繚乱』を刊行した際にも、同書のために篠原が描き下ろしたデザイン画調のイラストを掲載する事で対応しているが、2013年に両方とも発見され、現在は篠原のブログ上で閲覧が可能になっている。またこのデザイン画稿から、仮の名称が「四面王」であった事が確認できる。
合体四天王のスーツは後に肌色にリペイントされ、『忍者戦隊カクレンジャー』のゴロツキ妖怪(モブ怪人)の一体として活用された。
作中での動向
遅々として侵略が進まないシャダム・ガラ・ザイドスに業を煮やしたゴーマ十五世によって召喚され、3人の指揮下に入る。
知を除くダイレンジャーを幻術にかけ、因縁の相手の幻を見せて魔界に引きずり込み葬ろうとする。各人の得意技でリュウレンジャー達4人を圧倒し、さらに(意図はしていないとはいえ)正体の露見する恐れがあるためキバレンジャーの転身が封じられる格好となるなど彼らを絶体絶命の窮地に追い込むものの、東方天の持つ数珠が術の要であると見破ったリュウレンジャーの機転によって魔界からの脱出を許してしまう。
その後は合体四天王に融合し、巨大化爆弾によって巨大化すると龍星王と牙大王を相手に善戦するも、飛翔剣・木端微塵の前に敢え無く散った。
・・・かに思われたが実際は未だ死してはおらず、程なくして土塊から復活すると、その後はシャダム達の指揮による現世と地獄を繋ぐ儀式に従事。さらに知のみを急襲し、前出の「バードゥー」にかけて窮地に追い込むも、完成したスーパー気力バズーカで呪いの面を割られたため再び合体四天王へと融合。しかし5人揃ったダイレンジャーの敵ではなく、スーパー気力バズーカの第二射を喰らって吹き飛ばされてしまう。
その弾みで巨大化爆弾が起爆して再度巨大化すると、再び龍星王と牙大王と対峙し、一度は決まり手となった飛翔剣・木端微塵を弾き返して圧倒、さらにダイムゲンに対しても一度はひっくり返して身動きを取れなくさせるも、超気伝武人へと変形したダイムゲンには攻撃が通用せず、全気伝獣が合体した重甲気殿が繰り出す大圧殺の最初の犠牲者となった。
海外版
スーパー戦隊シリーズの英語版ローカライズ作品『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』にも、第2シーズンの第85話にて、合体四天王のみがピースシンボル(Four Head)の名で登場。エンジェルグローブ芸術部が製作した平和の像がロード・ゼッドによってモンスター化したものという位置付けである。誕生直後にパワーブラスター(ハウリングキャノン)を受けてしまい、すぐ巨大化。その後は原典と同様の流れで倒され、元の平和の像へと戻った。
作中に登場した平和の像も合体四天王とほぼ同一の姿であり、四つの顔が知恵、美、力、勇気を現しているとされるが、これを平和の像と言い張るのはかなり前衛的な試みと言わざるを得ない。
関連タグ
鍵道化師:南方天を演じた日下がこれ以前に演じたゴーマ怪人
合体四天王:本作以外に登場するそれについてはこちらの記事を参照