白一護
しろいちご
「何だはねえだろ 相棒。」
「”何者だ”…? はっ 名前なんか無えよ」
「”斬月は何処だ”と訊いたな?…答えてやるよ 俺が…”斬月”だ!!」
巻頭ポエム
我々は皆
生まれながらにして死んでいる
終焉は常に
始まりの前から そこに在るのだ
生きることが
何かを知り続けることならば
我々が最後に知るものこそが終焉であり
終焉をついに見出し
完全に知ることこそが
即ち死なのだ
我々は何かを知ろうとしてはならない
死を超越できぬ者は
何ものも知ろうとしてはならないのだ(25巻)
概要
CV:森田成一(一護と同じ)
容姿は一護と瓜二つだが、白目や爪が黒く、死覇装や斬月の色などが白黒「反転」している。
性格も一護と異なり荒っぽく好戦的。
斬月を所持しているが、色は白黒反転しており、完全虚化の仮面の色まで白黒反転している。
一護の内部の虚の力を司り、一護の体と力を乗っ取ろうとしている。
初登場は13巻。
更木剣八との戦いで重傷を負った一護が斬月のオッサンに力を求めたことで連れて行かれた精神世界での修行担当として現れる。
斬月の巻布を持って振り回す、巨大な霊圧を放つなど一護より斬月を使いこなし、一護に斬月への理解の必要性を悟らせた。
当初はオッサンが修行相手として能力で産み出した数話限定のモブキャラのような扱いを受けていた。
正体が判明したのは一護が剣八と戦うために現実世界に戻った後のオッサンと白一護のやり取りからである。
普段は斬月のオッサンと一つになっているため、用が終われば元に戻る。
しかしたびたび虚の仮面が現れて一護の危機を救うなど、一護の知らぬ間に彼の力が表に出るようになり(恋次戦から)、朽木白哉との戦いでは遂に一時的に一護の肉体と精神を支配し表に現れた。
虚化が進行し彼の力を強まったことで、破面篇では逆に斬月のオッサンを自分の一部にしていた。
「テメエが解ってるかどうか知らねえが 俺と斬月が元々一つなんだぜ」
「俺の力が増大し 支配権が俺に移り 斬月は俺の一部になった 俺はテメエが斬月の力を引き出そうとすればする程 てめえの魂を支配し易くなっていくんだよ!」
精神世界で一護に屈服・敗北したことで一護の中に取り込まれ虚化を自分の意思で使いこなせるようになったことで、一護の霊力の中心に再びオッサンが戻り、彼に支配されることはなくなった。
一度は消滅したかに思われたが破面篇終盤で一護が「最後の月牙」習得のための修行で天鎖斬月の青年により一護の内部から完全虚化状態で引きずり出される形で再登場。
天鎖斬月の青年と融合し、一護に「無月」の習得のための修行を行う。
「お前の戦う相手はこいつではない」「俺たち」「一人だ」
「本来…私たちは二人で一つ どちらもお前自身の力だ」
「行くぞ一護ォ!!!」
以降の出番は千年血戦篇になるまでなし。
アニメでは原作路線以外に『斬魄刀異聞篇』でも登場。
宿主である一護がやられては元も子もないという理由で精神世界にて村正と戦闘を行う。
正体
長らくその正体が伏せられていたが、『千年血戦篇』で明かされる。
彼こそが本当の一護の死神の力であり、本物の斬月だった。
破面篇で虚化を会得するための修行をした際、「俺が斬月だ!」と話していたのは自称でも皮肉でも何でもなく、文字通りの意味だった。
今までの斬月の化身だと思われていた斬月のおっさんの正体は「一護の滅却師の力」。
その滅却師の力が滅却師の祖である若い時のユーハバッハの姿を取り、一護自身の死神の力が目覚めることを危惧して、本物の斬月(白一護)は一護の精神世界の主導権を彼に支配されていた。
しかし、彼の正体が正体なので斬月のおっさんは死神の力を使うことが出来ない。
このため、対剣八戦のような死神の力を高める修行では、本物の死神の力である白一護が一護を鍛えるというスタイルがとられていた。
また、白一護が登場する時や一護が勝手に虚化する時は決まって一護が戦いで死にかけた時であり、彼は間接的に一護を守っていた。
一護自身の死神の力であるため、「お前(一護)に死なれたら俺が困る」と度々言っていたのはこのためだと思われる。
その姿勢は「ゲーム下手な弟の横で指示を飛ばしまくった挙句、コントローラーをひったくる兄貴」と形容されている。
ちなみに、それまで一護が使っていた一振りの大刀の斬月は、斬月のおっさんが抑え込みきれなかった彼(白一護)の力の一部から形作られた不完全なものだった。
ただ主導権を奪われていたとは言え、「一護を守る」という目的は共通している為おっさんと白一護の関係はそこまで悪いものではない。上記の通り、一護の修行の際には協力して事に当たっている。
一護自身は『千年血戦篇』にて斬月を修復するために二枚屋王悦の修行を受けている時、斬月のおっさんに話されるという形で真実を知る。
以降は一護に協力する決意を固めた斬月のおっさんから解放され、真実を知った一護が自分にあった浅打を見つけ、王悦に鍛えられたことで白一護はめでたく一護の本物の力『斬月』の二振りの内の一振りになった。
「斬月、もうあんたに『力を貸してくれ』とは言わない。」「『俺の邪魔をするな』とも言わない。」
「そして、『一緒に戦おう』とも言わない。」
「俺は俺自身で戦う」「ありがとう 斬月」「あんたは俺だ」
死神の力と融け合った虚の力 白一護
滅却師の力 斬月のおっさん
間接的に自分を護ろうとしていた2つの強大な霊力を完全に我が物とした一護は「真の斬魄刀」を手にして――――――――――
いや・・・・「斬月“たち”」と共に最後の戦場へ向かう....。
ちなみに、本来は死神の力である彼が虚の性質や力を持っている理由や、一護が滅却師の力を持っている理由は一護の出自が関係しているため、もっと詳しく知りたい場合は黒崎一護の記事を参照。