ミーミル
みーみる
曖昧さ回避
- 北欧神話に登場する霜の巨人とされる人物で、オーディンの伯父。→本項で解説。
- ルドラの秘宝の登場人物。→ミーミル(ルドラの秘宝)
概要
ミーミル(ミーミール)は霜の巨人のひとり。オーディンの伯父に当たる人物であり、人間の世界のミズガルズにいて、ユグドラシルの根元にある知恵の泉(または井戸)の番人をしている。
オーディンに泉の水を飲みたいと頼まれたミーミルは、オーディンの片目と引き換えにそれを許した。水を飲んだオーディンはあらゆることを見通す英知を授かり、それを神々や人間のために役立てた。
その後、ミーミルはもらった片目を泉に沈めたという。
また『ユングリング家のサガ』では、アース神族とヴァン神族との戦争が終結して和睦した際に、アース神族側から人質としてニーヘルと共にヴァナヘイムへと送られたとされ、ヴァン神族たちはニーヘルを首領としたが、彼が期待していたような人物で無かったので、ミーミルの首を切断してアース神族の元へと送り帰したという。
その後、オーディンが首が腐敗する事の無いように薬草を擦りこみ、魔法で生き返らせ、大切な事を相談する時は必ず、ミーミルの元を訪れたとされ、ラグナロクが到来した際も、真っ先にオーディンはミーミルの首の助言を仰いだと言われている。
なお『スノッリのエッダ』の『ギュルヴィたぶらかし』15章によると、ミーミルが非常に賢いのは、彼が守っている泉の水をギャラルホルンで飲んだためだとされている。
ゴッドオブウォーシリーズ
舞台をギリシャ神話から北欧神話へと移した新シリーズに登場。CVは第3作にてヘルメスを演じた多田野曜平が務めた。
本作では「知の巨人」の二つ名を持つが、種族は霜の巨人ではなく、歴史書『デンマーク人の事績』に登場するサテュロス・ミミングと同一人物説に基づき、山羊のような角を生やした姿になっている。
本作ではオーディンとの対立の末に109年もの間、ミズガルズ最高峰の山頂の樹木に縛られて拷問されていたが、旅の末に訪れたクレイトスとアトレウスに懇願して自らの首を斬り落とさせ、因縁のあった森の魔女によって首だけの状態によって蘇生された。以降はクレイトスの腰にぶら下げられながら、彼らの旅に同行して案内役を務めた。
なお、本作での知恵の泉の正体は、オーディンに取り入るためにただの湧水に幻覚の見えるキノコを混ぜた眉唾物だったらしく、オーディンが隻眼となったのはそれを信じて飲みラリったからであったと、クレイトス達に暴露している。