概要
経歴
本編前
ロイドは3歳の頃にイセリア人間牧場の崖の下で、瀕死の母アンナ・アーヴィングと、その側にいた大怪我を負った謎の生き物ノイシュと共にいたところを、森の外れに住むドワーフのダイクに保護された。まだ辛うじて息があった母アンナは、息子のロイドとディザイアンに狙われていた特殊なエクスフィアをダイクに託し、息を引き取った。
その後ロイドはノイシュと共にダイクに育てられ、特殊なエクスフィアは母の形見としてダイクが要の紋を付けてロイドに渡していた。そのような経緯からロイドは実の父親の事は顔も名前も、生きているのかさえも知らなかった。
小説「贖罪のクラトス」では、クラトスは70年前からクルシスを離反してミトス打倒の為にノイシュと共に各地を転々としていた。その中でアスカード人間牧場のハイエクスフィアの培養体だったアンナと出会い脱走の手引きをし、旅の中で息子のロイドが誕生。ミトスとの本格的な敵対を前に、妻子をディザイアンとの不可侵条約を結んでいるイセリアに逃そうとしていた。
しかしイセリア人間牧場の前でクヴァルに見つかり、アンナはエクスフィアを引き剥がされて怪物化、クラトスはロイドを守るために苦心しながらアンナにトドメを刺すが、アンナとロイドとノイシュは崖から転落してしまった。ディザイアンたちを退けて妻子を探すものの、アンナたちが落ちた先には魔物がディザイアンの死体を食い荒らしている光景しかなかった。瀕死のアンナに大怪我を負ったノイシュ、そしてまだ3歳のロイドは逃げる事もできずにエクスフィア共々魔物に食い殺されてしまったと判断され、家族を失ったクラトスは絶望のあまり虚無感に陥り、クルシスに戻ってしまった。
実際には上記の通り二人と一匹はたまたま通りかかったダイクに助けられていた。アンナは瀕死に陥った事で逆に暴走したマナが沈静化され人間の姿に戻ったが、それから間も無く亡くなってしまった。
クラトスもクルシスもレネゲードも、15年に渡りロイドの生存を知ることはなく、こうしてロイドはクルシスたちと一切関わることなく普通の少年として育った。
本編
本編の序盤でクラトスは神子コレットの護衛と監視を命令され、因縁の地でもあるイセリアを訪れた。レネゲードに襲われたコレットたちを助けた際に、コレットの幼馴染の少年と出会ったが、その少年の名前は死んだ息子と同じ「ロイド」であり、クラトスはその名前を聞いた瞬間内心動揺した。15年前に死んだ息子は思えば誰も遺体を確認できておらず、その息子が生きていれば丁度目の前の少年くらいになると思いながらも、下手に希望を持ちたくないという恐怖からその場では確認できずにいた。
その後コレットが旅立つ前にロイドに挨拶する為、コレットたちと共にロイドの家に向かう道中で、ロイドがアンナと同じ「アーヴィング」姓であり、更に両親はおらずドワーフの養子だという話を聞く。
妻子を失った同じ地での偶然の多さに、徐々にロイドが息子のロイド本人ではないかと思い始め、そして外まで聴こえてきたロイドとダイクの言い争いで、ロイドが「ディザイアンから隠さなければならないエクスフィアを持っている」という話を聞いてしまい、ロイドの家でアンナの名前が刻まれた墓を見たことで確信に変わった。15年前に全てを失ったと思っていたクラトスが生を取り戻した瞬間だった。
クラトスは父親だと名乗ろうかと迷ったものの、任務の事もあり正体を告げる訳にはいかず、結局父親と名乗り出る事はできなかった。しかし死んだと思っていた息子が生きていた事、再び巡り会えたその奇跡をとても喜び、旅の中では剣の稽古をしたりとロイドの事を何かと気にかけていた。
そして「クラトスの息子がハイエクスフィアを持って生きていた」という事実は瞬く間にディザイアンたちに広まり、ロイドの関与しないところでクルシス及びレネゲードのそれぞれの思惑が巡り、世界再生の旅を複雑化させていく事となる。
余談
2014年12月号のテイマガ(ビバ☆テイルズオブマガジン)にて、幼少ロイドが若クラトスに抱かれたifイラストポスターが付いてきた。