概要
日本時間2023年3月26日午前1時開催のドバイシーマクラシック。
日本からは連覇がかかるシャフリヤール、前年秋から快進撃を続けるイクイノックス、前年の香港ヴァースで初のGⅠ勝利を掴んだウインマリリンの3頭が出走した。
出馬表
番 | 枠 | 馬 | 性齢 | 騎手 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|
レース前の状況
国内外問わず直近のGⅠレースで高い実績を出しているイクイノックスとレベルスロマンスが1番・2番人気。前年覇者のシャフリヤールは直近で善戦こそしているが勝利が無いためか国内3番、海外は4~5番人気となっていた。
レース展開
レースが始まるとシャフリヤールは周囲を囲まれてしまい中断後方へ位置取り。その一方でイクイノックスが先頭に立った。これまで秋天までは差し、有馬は先行と進んだ中で初の逃げを仕掛けた。
最初の1000mを63秒で走るスローペース、第3コーナーからボタニクとモスターダフが2番手争いを始めるが特に目立った位置争いもなく最終直線に。
そして各馬がスパートを始めたのだが……
逃げていたはずのイクイノックスが、後方を突き放した。
そう、これまで見せた事が無い走りだったが故に失策と思われた逃げだが、思い出して欲しい。
イクイノックスの父親が誰だったか。そして騎手がかつてこのレースで勝った時に何をやったか。
そう、イクイノックスはうっかりでもなんでもなく、最初から逃げで勝つつもりで、勝てるだけの力を身に着けて仕掛けたのだ。
後方の馬もペースを上げるが逃げ馬が上がり最速のスパートを見せたらもうどうしようもない。5馬身も距離を広げると、残り100m地点ではルメールが後方をチラ見するわゴール前にガッツポーズを取るわ、そもそもここまでノーステッキだわとやりたい放題。そんな状態なのにまさかのミシュリフが作ったレコードを1秒更新してしまった。
結果
着 | 馬 | タイム・着差 |
---|---|---|
1 | イクイノックス | 2:25.65 |
2 | ウエストオーバー | 3 1/2 |
3 | ザクレイ | 2 1/4 |
4 | モスターダフ | 1 1/4 |
5 | シャフリヤール | 1 |
これが賞金総額600万ドルの国際GⅠで見れる光景だというのか。初見殺しもいい所な走りをしたルメール騎手の奇策も見事だが、そもそもまるで本気を出していないのにレコード更新を決めてしまったイクイノックスの走りは、ダービー以降につけられた「天才」の二つ名にふさわしい……否、それ以上の走りだった。父は逃げを得意としつつも後方一気も出来る馬だったが、その底が見えない圧勝ぶりは全盛期の大叔父すらもを思い出させる出鱈目ぶりだった。
英国RacingTVはレース後にTwitterで「Equinox looks a monster」とさえ評した。
動画
日本語実況
英語版実況