概要
本来の仕事時間外に労働を行うこと。労働基準法により条件が定められている。「1日に8時間、1週間に40時間」の法定就労時間内の残業を法定内残業といい、法定就業時間を超えて働くことを時間外労働という。
時間外労働は労働基準法第36条で定められた労使協定に法って運用され、通称36協定と呼ばれることが多い。36協定の詳しい内容はここでは省略するが、これにより残業は運用される。法定就労時間を一時的に超過する場合は労働基準監督署に特別条項つき36協定という届け出を出さなければならない。
また、時間外労働の賃金は、通常賃金の2.5割り増し~5割増しの間で決めることとなっている(もちろん、企業側としては賃金を多く出したくないので、普通は2.5割り増しである)。
ここで諸外国と異なるのが、割増は法定時間を越えた部分だけとなっていること。例えば残業と合わせて10時間勤務したならば、2.5割り増しなのは一般に2時間だけである(海外ではこの10時間全体が割り増し対象となる場合が多く、経営側に対する残業抑制のインセンティブとなっている)。
サービス残業
ところが、これらのルールを無視したサービス残業というものも日本では多く蔓延っているとされている。具体的には上述の法定就労時間の制限を無視した上に、賃金も支払われないというものであり、日本の職場の負の一面を表していると言えるだろう。
当然ながら、労働基準法違反であるのだが、残業代を出せない(出したくない)雇用者側の意を汲んで労働者側が自主的に行っているというのが実態であり、表面化することはあまりないのが現状である。
みなし残業
「会社が従業員の正確な残業時間を把握できない場合に、従業員の残業時間をあらかじめ見込んでおく」という制度。外勤職など会社の外での労働、会社の指揮監督が及ばない、労働時間の算定が難しいという3点を満たす必要がある。
みなし残業ならいくらでも働かせ放題...というわけではない。あらかじめ定めている残業時間よりも実労働での残業時間が明らかに長い場合は、追加で残業代を支払う義務があるからである。逆に実際の残業が少なくても、みなし残業制度による残業代は支払う必要がある。