ストーリー
涙の方向転換編
月刊チェホンマンで自身の漫画が毎回後ろに載っていることに気付いた夢野カケラ。
人気がないのではないかと不安になった夢野は思い切って担当の住田に相談するが、ボロクソに改善すべき点を挙げられ泣く泣くテコ入れをすることになってしまう。
完結編
結局打ち切りが決まってしまったキラメキシュート。しかも用意されたのは1ページ。果たしてどうなるのか…。
登場人物
- 修斗
主人公。魅力も個性もなく地味。語尾に「ダッシュ!」を付けて喋る口癖を持つが、焼け石に水でしかない。
- サッカー部員
髪の色しか違う所がなく、見分けがつかない。
- カミソリの剛
主人公とツートップを組んでいる元不良。
- マネージャー
ヒロインであり唯一の女性キャラ。
不人気の理由
「廃部寸前のサッカー部が全国大会を目指す」と内容は王道的だが、
- 主人公である修斗が没個性。
- 修斗以外のチームメイトが同じような顔の人物ばかりで混乱しやすい。住田からは「嫌がらせですか?」と言われた。
- 元不良のはずの剛が何も問題を起こさない。他にもせっかくの設定が全く生かせていない点が散見される。
- ヒロインのはずの女子マネージャーが、デブで瓶底眼鏡な上方言で喋る。
これでは不人気も当然と住田に言われて急遽テコ入れをすることになったのだが……。
変更点
- 修斗のウザい語尾→次の回で本人が「ダッシュ!を付けるのはやめた」と独白するシーンを入れ、撤廃。
- キャラクターに固有の能力を持たせる→能力バトル要素を導入。修斗がグラウンドの芝を自由自在に操る「グリーン・エンペラー」を唐突に習得・発動する。
- ミステリー要素が欲しい→試合開始直後、主審が何者かに殺される。犯人は副審で、動機は彼女を取られたからというものだった。
- マスコットキャラを作る→修斗の相棒のネズミ「チュウ作」を唐突に登場させる。
- ホラーな展開を入れて欲しい→試合中に突然、幽霊が出るが、特にこの世への未練や恨みはなかったためすぐに成仏した。
- 剛の不良設定を生かす→剛が突然サッカーをやめるとグレてしまい、修斗と喧嘩を起こすが、修斗のグリーン・エンペラーによって抑えられ再びサッカーに戻る。
- 恋愛要素を入れて欲しい→女子マネージャーが眼鏡をとると突然萌えキャラ(ケモノ耳まで生える)になり、修斗に告白。試合終了後に修斗と付き合うことに。
この通り、担当に出された案を鵜呑みにして露骨なテコ入れを行った結果、サッカー漫画と言うには無理がある内容になってしまい、当然人気が上がることもないまま打ち切られて終わった(上記のものは打ち切りとなった最終回の内容を含む)。
一応、修斗による得点で試合には勝って1回戦を突破、廃部は免れ、全国大会への挑戦が始まったばかり、という形で幕を閉じた。
読者からの評価も一切覆らず、ネットの匿名掲示板で「必死すぎてかわいそう、でも死んでほしい」「ペンネームを夢野カケラから『詰め込みすぎ男』にした方がいい」などというひどい中傷をぶつけられることに。
しかも同じ号で打ち切りとなった『すっぱい!うめぼし君』は1ページ増加し4ページ貰えたことに対し「そっちの方を減らせ」とつい暴言を吐いてしまい、それを住田が「言ーってやろ言ってやろ、マンガ描男先生に言ってやろ」と小学生みたいにはやし立てた挙句、本当にチクったせいで、マンガ描男から恨まれる羽目に陥った。
ちなみにアニメ版では恒例の端折りで『うめぼし君』の件については触れられていない。
ネットでの評判
前作のソードマスターヤマトが誤植・打ち切り・無理のある伏線回収を主とした内容だったのに対し、今回は「無理のある路線変更」と「匿名掲示板での炎上」をネタにしている。
- 「作者ダメ虫」
- 「作者アホ」
- 「主人公魅力ナッシング」
- 「キラメキシュートつまらん( ´,_ゝ`) はよ死ね」
- 「キラメキシュート 怖いくらい面白くない」
- 「夢野カケラってモテないと思う」
- 「夢野カケラがんばってほしい 来世で」
- 「修斗足が臭そう」
といったスレ住民の容赦ない罵倒は、見ていて胃が痛くなること間違いなし。
一応、担当の住田も事態の鎮静化のために擁護の書き込みを行っていたと言うのだが、その内容は
- 「センスないなりにがんばってんだから温かい目で見ようよ」
という、単なる身も蓋もない皮肉であった。
とはいえ、実際本当に不人気な作品であれば誰からも見向きされず、賛否問わず一切の評判が得られないのが実情である。
それを踏まえれば、誰からも侮蔑と嘲笑の対象としてしか見られていないとは言え一定の知名度を持つ夢野はまだ幸せな方かもしれない。
余談
この回以降、夢野の住居がボロボロのアパートに代わっており、部屋もソードマスターヤマト時代に住んでいたアパートと比べると狭く、家具も減っておりかなり貧相になっている。