概要
バービー人形の実写版化した映画。2023年公開。
主演はマーゴット・ロビー。
あらすじ
そこはすべてが完璧で、毎日がハッピーな<夢>のような世界!
ピンクに彩られた街でバービーとボーイフレンド?のケンが連日繰り広げるのはパーティー、ドライブ、サーフィン!
ある日ふたりはそんなバービーランドから、完璧とは程遠い“人間の世界リアルワールド”に迷い込んでしまい−?!
作風など
開始早々『2001年宇宙の旅』のパロディが始まり、赤ちゃん人形しか知らなかった子供達の元にモノリスの如くバービーが降臨、月を見るものが叡智を授かった場面のように子供達が赤ちゃん人形を叩きつけて粉砕して放り投げるというショッキングなシーンが流れる。
実際の歴史においては、幼児人形しかなかった時代の子供達が男性向けエロフィギュアである「Bild Lilli」で遊んでいたのに目を付けて、造形を模倣したのがバービー人形の発祥であり、バービーが全てを変えたように描くのは誇張表現である。
日本のようにバービー人形が商業的に振るわなかった地域の人々にとっては意味不明なシーンであり、冒頭の場面一つ取ってもバービー人形への理解力が試される映画である。
他にも女性の理想像としては時代遅れ扱いされる主役バービー、バービーの付属品でしかない自らの存在意義に悩むケン、拝金主義の化身のように描かれるバービー人形の販売元のmattel社CEOなど、mattel社が許可したのが信じがたい描写が多々あり、現実のバービー人形を取り巻く環境を皮肉ったブラックコメディの要素が強い。
コメディ映画としての完成度は概ね好評である反面、描かれるテーマについては大きく賛否を分けている。
余談
- アメリカの映画公式Twitterがバービーと原爆投下を揶揄するミームに好意的なリプライを送ったため日本で大炎上した。後にワーナージャパンから謝罪ツイートが発表された。同年、東京都の地下鉄内で外国人ユーチューバーが「また原爆を落としてやる!」などと騒いだ件に続き、世間がポリコレで騒がれる中、悪魔の兵器をどう考えているのか?についてその意識を再び問われていると言える。
- 「バービー」や監督の「グレタ・ガーウィグ」主演の「マーゴット・ロビー」等をgoogleで検索すると煌めくようなエフェクトと共にピンクを基調とした色合いに変化するという演出が仕込まれたが、表示されるトップニュースは上記の原爆関連の不祥事ばかりで、余計にイメージダウンにつながっている。
関連動画
日本語吹き替え版の予告のナレーションはファイルーズあい