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バービー人形

ばーびーにんぎょう

アメリカの玩具メーカーマテル社が販売する着せ替え人形。30cmサイズ。
目次 [非表示]

概要編集

バービー人形とは、米国の玩具会社であるmattel社創設者の1人、ルース・ハンドラーが世に産み出した着せ替え人形シリーズ、もしくはキャラクター。

容姿は様々だが、リカちゃんジェニーなどと比較するともアイラインが濃く、唇が厚い傾向にある。


標準的なサイズは11.5インチであり、1/6スケールとして設計されている。

1959年に発売されて以降爆発的に流行、10億体以上が販売され、毎秒3体が製造されている。関連商品や映画、ゲームなどのメディアフランチャイズの収益も合わせ、マテル社の売り上げの柱となっている。


大人気玩具であると同時に米国における「理想の女性」の象徴ですらある一方、「バービー人形症候群」と呼ばれる負の影響も生み出している。


プロフィール編集

本名Barbara Millicent Roberts
誕生日1959年3月9日
職業無限大
身長様々

誕生まで編集

1950年代、人形と言えば幼児を模したものが一般的であったころ、ルースは娘のバーバラが紙で作った人形を大人に見立てて遊んでいる場面を目撃し、大人型の人形に商機を見出し、自身の会社であるマテル社に企画として持ち込んだが、最初は受け入れられなかった。


しかしながらヨーロッパ旅行の際、ルースは「Bild Lilli」というドイツの人形に出会う。

Lilliはドイツのタブロイド紙「Bild」に掲載されていた「Lilli」というマンガのキャラクターであり、児童向け玩具の解説記事に記載するのは憚られる人格の持ち主で、このキャラクターを立体化したBild Lilliも本来は男性向けの人形であったが、着せ替え人形として女児の間で人気を博していた。


ルースはこの人形が自身の理想であると確信し、さっそく3体購入して1体をマテル社に送る(1体はバーバラにプレゼントした)。

デザイナーの手も借りてBild Lilliを再設計したルースは、娘のバーバラに因み、人形をバービーと命名し、1959年3月9日の玩具フェアで発表した。

当初のバービーは現在のイメージとは大きく異なりBild Lilliの影響が色濃く残っており、蠱惑的な微笑を浮かべ、流し目をしていた。

大本の漫画「Lilli」の連載は1961年に終了、その後もBild Lilli人形が販売されたが、マテル社が全ての特許と著作権を購入して関連商品を販売停止に追い込んだため、模造品であったはずのバービー人形はオリジナルとして認知されることになる。


その後容姿は何度も変更されているが、現代の基礎となる正面向きの顔は1971年から。


バービー人形症候群編集

先述した11.5インチかつ1/6スケールという数値から単純に逆算すれば、バービーは白人女性の平均を大きく上回る175センチの長身であり、かつウエスト46センチ。一方でバストサイズは99センチとダイナマイトボディ。

体重は50kgにギリ届かない程度と考えられ、BMIは16.24。「やせ」とされる18.5を遥かに下回る。


毎日長時間バービーで遊び続ける少女たちの中には、これが大人のあるべき姿であると誤解し、自尊心が著しく損なわれ、或いは非人間的なプロポーションを人体で実現するべく無謀な努力に走って、その結果拒食症のような命に関わる状態に陥る者もいるらしい。

ポリコレ論者からは「Barbie doll syndrome」(バービー人形症候群)という社会問題として批判されている。


バービー人形症候群のアンチテーゼも相成って、2014年には平均的な19歳のボディをモデルにしたラミリー人形が作られた。

ニュースではバービーもラミリーも両方好意的に受け入れられていた。


Bratzとの確執編集

BratzとはMGA社のドールブランドで、独特の顔、自立可能な体型、多人種キャラ、10代の少女が日常で着ていてもおかしくない服などが特徴。

00年代のアメリカではバービー人形以上の人気となり、マテル社はBratzに酷似したシリーズ「マイシーン バービー」を発売するが、2005年にMGA社に訴えられている。

ところが、2008年にマテル社が逆にMGA社を訴え、MGA社が著作権侵害で敗訴。

デザイナーが両社の契約を兼任していたことが決め手となった。

映画「バービー」では、Bratzを元にしたと思わしきキャラクターが、重要人物として登場する。(人種・外見・名前が、Bratzブランドの最初の4種類のドールの1つ「サシャ」に一致し、そのサシャの友達3人の外見・人種も残り3種類を想起させるもの)

それも、バービーランドの危機を救うのに重要な役割を果たすキャラとして。


多様性の象徴として編集

2016以降、バービー人形は金髪白人女性の理想像に縛られない方向性を打ち出し、多種多様な体形、人種のバービー人形を販売。

多様性の象徴として祭り上げられたバービー人形はさらに方向性を推し進め、補聴器や車椅子を使うバービー、手足が欠損して義肢を付けたバービー、白斑、脱毛症、ダウン症を表現したバービーが発売された。

2023年に実写映画「バービー(映画)」が公開され、主演をマーゴット・ロビーが務めているが、バービーランドに住む女性は全てバービーという扱いであり、多種多様なバービー役が登場している。


日本のバービー人形編集

そもそもの話、初代バービー人形が制作されたのは日本である。


マテル社がデザイナーを日本に派遣して、日本の玩具問屋(株)国際貿易に開発・生産を依頼して1959年に完成させた。

アメリカで絶大な人気を得た後に1962年から日本でも販売されたが、流し目でクールな貴婦人のような初代バービーはあまり日本人に受け入れられず、1967年に発売されたタカラリカちゃん人形に立場を奪われ、日本市場から一時撤退を強いられた。


1980年頃にタカラはマテル社と提携、バービーの輸入代行販売を開始する。

1982年にタカラはリカちゃん人形の技術を発展させた独自のバービー人形を開発、通称「タカラ・バービー」と呼ばれる人形を販売した。

一時は販売実績でリカちゃんを抜くほどだったが、1986年にマテル社が提携を解消したため、タカラ・バービーは「ジェニー」と名を改めることになる。

マテル社はバンダイとライセンス契約を結び、それぞれの頭文字を取った「マーバ・コーポレーション」という合弁会社を設立。

改めて日本人向けバービーを開発、通称「マーバ・バービー」を発売するが、造形がタカラ・バービーに酷似していたため訴えられている。

1989年に販売不振から一度生産を打ち切られ、1991年に販売終了した。

マーバ・コーポレーションも1995年にバンダイに吸収される形で消滅。

しばらくはバンダイが本家バービーの販売を行っていたが、2003年末をもって業務提携を解消。

以降はマテル社の日本法人マテル・インターナショナルからバービーが販売されている。


類似品?編集

キャンドゥ100円ショップ)には「ラブリー リンちゃん」(通称:ラブリン)というバービーの類似品(28cm人形)が売られていて、値段に似合わずクオリティーが高いらしい。


関連タグ編集

バービー バービー(映画)

人形 ドール

リカちゃん ジェニー

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