『前提』の話をしよう。
全知全能の神々といえど、過去、未来に渡ることはできない。
ただし、神の御業(みわざ)とは何ら関係ない『強運』の人物がいたとしたら。
億が一、兆が一、極(ごく)が一……カオスのくしゃみに巻き込まれ、未来、あるいは過去の世界に辿り着けるかもしれない。
「私こそ清く、正しく、美しいLv.3、アリーゼ・ローヴェル! 【アストレア・ファミリア】の団長よ!」
「え……ええええええええ!?」
前置きが長くなったね。
これから語るのは、そんな時を越えてしまった、男の子の話ってことさ。
概要
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』19巻の特装版として付属していたドラマCDである。
本編から7年前の『暗黒期』のオラリオに原因不明のタイムスリップをしてしまった主人公ベル・クラネルは、かつてリュー・リオンが所属していた【アストレア・ファミリア】の面々とリューの親友アーディ・ヴァルマと決してあり得なかった出会いをしてしまい、リューから聞かされた彼女達の悲劇的な運命を変えるためにたった一人で運命に抗う異色の英雄譚。