黒く暗い森で、私は道を失った。
プロフィール
出演作品 | Limbus_Company |
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性別 | 不明 |
所属 | LimbusCompanyBus |
囚人番号? | No.10 |
元ネタ作品 | ダンテ・アリギエーリ「神曲」 |
概要
ダンテとはProject_moon開発罪悪共鳴残酷RPG「Limbus_Company」の主人公。作中ではLimbusCompanyの一部署である"LimbusCompanyBus"所属の管理人として、囚人たちを率いて黄金の枝を求め都市を巡るバス「メフィストフェレス」に搭乗している。
人物
<さぁ…いつも通り…死んで殺しに行こう。>
<長いトンネルを通っているのなら…朝を待てば良いんじゃないか?>
物語冒頭で自らの頭を時計に挿げ替え、全ての記憶を失ったという人物。
リンバス・カンパニーで黄金の枝を集めれば頭と記憶を取り戻し、「星位」を刻めるというファウストの言葉に従い、リンバス・カンパニーバス部署、通称LCBで案内人ヴェルギリウスの案内のもと、12人の囚人たちと共に都市を巡ってゆくことになる。囚人たちの管理人という立場でありながら自ら所属する会社のことから都市の一般常識まで一切分からないため、ファウストによく教授を受ける。
ダンテは戦闘能力が皆無であるが、囚人たちと契約した瞬間から、彼らを死から蘇らせる能力を得ている。しかしその代償として囚人たちが受けた死の苦痛をまとめてダンテも体感する仕組みになっている。あまりに筆舌に尽くしがたい苦痛のため、序盤では悪戯に命を落とす囚人たちを蘇らせるのを躊躇してヴェルギリウスに脅迫され泣く泣く承諾し、以降は慣れと覚悟のせいか段々と不満の数は減っていった。また、時計頭となったことで通常の発声能力や食事機能が失われ、何を喋っても全てチクタク音として聞こえる。(興奮すると音が早くなったり、時報のような鐘の音や汽笛音も出せる)ダンテと契約した12人の囚人(と一部例外的存在)のみがダンテの言葉を認識でき、ヴェルギリウスを含めたその他の人物に対しては主にファウストが通訳する。
一人称は「私」で、基本的に柔らかい口調で囚人たちと接する。チクタク音で台詞を発するほか、ダンテ視点の地の文を心境を交えながらストーリーは展開するので、右も左も分からないダンテとプレイヤーの視点がある程度リンクするようになっている。性格は温厚で思考を怠らず、合理的な判断を心掛けているが、都市の殺伐とした常識を知らないためか、目の前で人が虐げられているような状況では自分達の損害より救助を優先するといった人情味を持つ。我の強い囚人たちに振り回される苦労人の印象を拭えないが、偶に魔が差したように迂闊な行動をとってイシュメールに罵倒されたり、ドンキホーテやヒースクリフが蛮行に及んだときは自分も共感したためあえて静止しなかったり、気に食わない相手に対してチクタク音しか聞こえないのをいいことに堂々と文句や皮肉を飛ばすといった砕けた一面もある。そして、常に管理人とはどう振る舞うべきかを考え、記憶喪失であるはずの己の奥底から湧き出た直感に従い、ここぞという場面で前に立って心が折れそうになっている囚人を奮い立たせる雄姿も見せる。
容姿
外装は赤、画面は黒地、針は黄色、そして何故か上部が炎上しているアナログ時計が頭になっている。服装は時計と色調を合わせたかのように、黒いシャツとズボン、赤いネクタイ、赤いロングコートを着用している。このロングコートは囚人たちの着るLCBの制服と通ずるようなデザインで、左胸には「No.10」と刻まれている。(物語開始時点ではまだリンバス・カンパニーに入社していないはずにも関わらず初めからこの服装だったし、そもそもリンバス・カンパニーのロゴとメフィストフェレスの頭部とダンテの時計のデザインは酷似している)手には黒い手袋をしているようだが、シャツの達していない首部分も真っ黒で、これが素肌であるかどうかは不明。体格は細身な成人男性並で、身長はゲーム内の立ち絵で比較するとファウスト(推定173センチ前後)と同じくらいか若干上のほう。
管理人の能力
時計頭になったことでダンテが得た人ならざる能力、又は機能。ダンテ単独ではなく、メフィストフェレスやリンバス・カンパニーから支給されたLCB-PDA(携帯情報端末)を組み合わせて発揮する機能もある。また、黄金の枝を収集することで一部の機能は拡張又は新たに会得しており、様々な登場人物から特異点並の技術と持て囃されているが、本当に技術のみで構成されているかどうかは疑わしい。
・蘇生
前述のとおり契約した12人の囚人を苦痛と引き換えに蘇生させる。ファウスト曰く、囚人たちの心臓の動止はダンテの時計の時を刻む位置にかかっており、負傷や精神的ショックを治療する用途にも使用できる。ただし死亡とは異なる人間の形状を直接変質させる現象に対してはどこまで通用するかは未知数とのこと。
・人格・E.G.O装着
無数の鏡の世界に存在する囚人たちの人格を囚人に被せ、その戦闘能力を発揮させる機能。操作としてはメフィストフェレスのエンジンが吐き出す人格のいる鏡世界を映す長方形の物質、通称「人格牌」をPDAに差し込み、無意識的にダンテが囚人と同意を得ることで選択した人格に切り替える。E.G.Oもまた、E.G.Oを振るう囚人の姿を人格と同様の操作で囚人に被せて使用していると思われる。このPDAの画面を通じて、鏡の世界の人格とある程度の会話を交わすこともある模様。
・翻訳
通常の言語能力を失ったねじれ独自の言語を聞いたとき、頭に響くようにその意味を理解する能力。3.5章において判明した能力であり、ファウストは今まで集めた黄金の枝とダンテの時計頭が共鳴した影響と推測している。また、ある戦闘において、幻想体に侵蝕されて四つ足の獣と化した異端審査官がダンテの指示を把握したかのように、傷つき下がらせた囚人を的確に襲い掛かったことから、幻想体やねじれもまた、ダンテのチクタク音を理解できる可能性がある。
・ダンテノート
特殊能力ではなく、PDAに追加されたノート機能を用いてダンテが書き連ねている備忘録。空いた時間に都市で見聞きした情報を整理・分類化しており、ダンテの慎重な性格が伺えると同時にプレイヤーにとっても情報整理に役に立つ。ただしあくまでダンテ視点で認識して入力されている情報のため、世界観的に正しいかどうかは保証できない。難解な説明を聞いただけで完全に理解が及んでいないような項目もあれば、時系列によって認識が変わる項目もあるので、そこを含めての醍醐味となるだろう。
・感知
黄金の枝に共鳴した囚人と同じく、枝の存在を感知して羅針盤のようにその方角を示せる能力。(囚人と比較して精度にどのような差があるかは不明)都市内ではあらゆる建造物や高密度の人々が感知の障害となるので、役に立つケースは限られる。
・判別
未知の存在に対して幻想体かねじれか、あるいは元は人間であった存在かどうか直感的に判別する能力。ねじれは人間が変貌した姿であり、幻想体もまた様々な経路はあれど、元は人間から生じた存在であるため、人間に関係した存在に対して発揮できる能力の可能性がある。
・共鳴
囚人の感情が昂ったり、不安定に揺れた際にダンテの視界にその囚人の記憶が流れ込む現象。自我心道においては黄金の枝に共鳴した囚人の心象が空間を物理的に構築するので他の人物も視認できるが、この現象はあくまでダンテのみに見えるため、周囲はもちろん、記憶を流した本人もダンテが観測していることは気づかないようだ。
以下本編4章以降の重大な要素を含むためネタバレに注意
・記憶消去無効
翼の重要機密事項を知ってしまった場合等に施される記憶消去をスルーしてしまう能力。ダンテも記憶消去が適用されなかった理由は分からないが、記憶消去をするための部屋に入って出るまでの間にどんな手続きを受けたかは逆に思い出せないというものだった。
・中和
白鯨の白化現象を抑える能力。ファウストはダンテの時計頭に入った小さな黄金の枝の欠片が白鯨の能力を中和していると推測する。白鯨の能力以外にも効果があるのか不明。
・自爆
時計裏のボタンを定められた手順で押下することで都市の星をも融かす爆熱反応、即ち自爆を発動する。覆しようのない全滅の危機を前にファウストが初めて明かした機能で、本来は黄金の枝が敵の手に渡る前に最終手段として枝を焼却させるため取り付けられた。「LCBがここまででも、世界、いいえリンバス・カンパニーは存続しなければならない」とのことだが、ダンテの時計頭が爆散して黄金の枝を収集する計画の核であるLCBが全滅しても、リンバス・カンパニーは目的を遂げられるのだろうか?