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神曲

しんきょく

神曲とは、ダンテ・アリギエーリによる戯曲。または神懸かりめいて素晴らしい楽曲に対して付けられる敬称、一部エンターテインメント作品のタイトル。
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曖昧さ回避編集

  1. 人智を超えた存在が作ったような素晴らしい楽曲に対して付けられる敬称。『かみきょく』
  2. ダンテ・アリギエーリ制作の長編叙事詩。『しんきょく』
  3. あさき氏のアルバム。およびそのアルバムに収録されている楽曲。『しんきょく』→神曲(あさき)
  4. おにゅうPによる初音ミクオリジナル曲。『かみきょく』→神曲(初音ミク)

本項では2.について記述する。


概要編集

ダンテ・アリギエーリの代表作。1304年頃~1321年にかけて執筆された。

地獄編(インフェルノ)』『煉獄編(プルガトリオ)』『天界編(パラディーソ)』の三部構成からなる長編叙事詩。


主人公ダンテが案内人と共に、各編の題名となっている世界を旅する。

各世界の構造や情景の描写、様々な罪人や聖人の来歴などが精緻に描かれ、三行を一連とする「三韻句法」(テルツァ・リーマ)が用いられている。

「三位一体」に通じる聖なる数字「3」を随所に意識した内容と、三部の最後は「Stelle(星々)」という単語で締めくくられるなど、構成の美しさが見所の一つ。


イタリア文学およびキリスト教文学の傑作として高く評価される一方、ムハンマドやカリフが地獄で責苦を受けている描写から、イスラムでは禁書として扱われている。

なお当時の文学作品や公文書は知識人の共通言語だったラテン語で書かれるのが常だったが、『神曲』ではトスカーナ方言を使っており、多くの人々に読まれて受容されるようになった。


原題『La Divina Commedia』はイタリア語で「神聖喜劇」を意味する。

邦題は森鷗外がアンデルセンの『即興詩人』を翻訳した中に登場しており、上田敏や正宗白鳥らが翻訳紹介し、日本でも知られるようになった。


登場人物編集

ダンテ

物語の主人公。

ある日森の中で道に迷い、前後を獣に挟まれて立往生してしまう。そこへ助けに入ったウェルギリウスの導きにより、生ある者でありながら地獄の門をくぐり、煉獄山を経て、天国へと旅を続ける。


ウェルギリウス (表記ゆれ: ワルギリアス)

ダンテの前に現れた古代ローマの詩人にして賢人。地獄及び煉獄でダンテを教え導く。

イエス・キリストが福音を伝える以前の人であったため洗礼を受けられず、数多の賢人と共に地獄の最上層・辺獄(リンボ)に置かれている。

キリスト者ではない為天国には入れず、煉獄山の頂にて案内役をベアトリーチェに代わる。


ベアトリーチェ

ダンテの亡き恋人。『永遠の淑女』と呼ばれる。

道に迷ったダンテを助ける為にウェルギリウスを送り、煉獄山の頂で再会。ウェルギリウスに代わり、ダンテを連れて天国を案内する。


ルチフェロ

地獄の最下層・コキュートスの第四円・ジュデッカで氷漬けになっている魔王。三つの顔を持ち、それぞれの口でイスカリオテのユダ(イエス・キリストを裏切った罪人)、ブルトゥスとカシウス(ユリウス・カエサルを裏切った罪人)を噛み続けている。

かつては最も美しい天使だったが、増上慢から神に反逆して地上へと落とされた。その墜落で陥没した大地が地獄となり、衝撃で盛り上がった地面が煉獄山になった。


クレルヴォーのベルナルドゥス

12世紀の聖人にして三人目の案内人。

ベアトリーチェに代わり、ダンテを天国の最上層・至高天(エンピレオ)へ案内する。


物語の考察について編集

主人公の名前ダンテは作者と同一であることが示唆されており、ベアトリーチェも作者がかつて好意を持ち、若くして亡くなった女性と同名であることが判明している。このことから作者の恋人への恋慕を表現した作品であるとの指摘がある。

しかし、現実においてベアトリーチェが死去した際にダンテが描いたのは神曲とは別の作品『新生』である。またベアトリーチェに関しても、実在人物ではなくキリスト教の神性観の具現化という異説もあり、真相のほどは定かではない。


関連タグ編集

ジンオウガ亜種 - 製作武器に『地獄編』に登場する地獄の名称がつく。

BAYONETTA - 物語世界の構造に引用されている。

彼岸(遊戯王) - ダンテやベアトリーチェがモンスターカードになっている。

英霊剣豪(Fate/GrandOrder) - 彼らの忌名(コードネーム)は衆合地獄と黒縄地獄を除き、『神曲』からの出展。

デビルメイクライ - 主人公ダンテとその兄バージル、謎の女トリッシュの名前が本曲に由来する。

うみねこのなく頃に - 敵キャラの名前や物語の一部が神曲を模している。

Dante's Inferno - エレクトロニック・アーツから発売されたアクションゲーム。『地獄編』を原作としている。

バイオハザード・リベレーションズ - 本編中、都度フレーズが引用されている。また登場する一部のクリーチャー名が神曲の12悪魔の名前に由来する。

Limbus_Company - 作品における主人公としてダンテ、案内人役としてヴェルギリウス、バスの運転手としてカロンが引用されている。作品全体の流れとしても神曲を踏襲しており、エピソードの大きな枠組みとしても現在「地獄編」が使用されている。

異世界女子監獄 - 登場人物の名前は今作のキャラクターが由来となっている。

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