概要
後1枚で和了の形となる状態のこと。動詞でテンパる、張るとも呼ぶ。カタカナで表記されることも多い。
麻雀に於いては聴牌に到達するまでに必要な有効牌の枚数を○向聴という形で表す。要するに0向聴=聴牌ということになる。
役があれば聴牌になることでロンやツモによる和了を行う事が可能であり、早くに聴牌になればなるほど、和了れる確率は一般的には高まる為、早めに聴牌になることが勝利の鍵であると言えよう。
待ちの形
聴牌した場合、和了の形となる牌のことを待ち牌と呼ぶ。待ち牌の種類は面子構成によって変わるが、大別すると以下の5つの形の何れか、或いは複合系となる。内両面以外は和了で符が増える(双碰もつかないが、刻子の成立により実質符が増える)ため、点数計算に影響する事がある。
両面待ち
リャンメンと読む。順子の両端を待つ形。連続する2数牌である。例えば23という並びであれば待ち牌は1と4である。この形は待ち牌の有効数が多くなることが多く、最も有利な待ちであると言われる事が多い。
嵌張待ち
カンチャンと読む。順子のど真ん中を待つ形。一つ飛びの2数牌である。例えば46という並びであれば待ち牌は5である。この形は待ち牌の数が少なくなり、両面待ちと比べると不利であるが、外側の牌(46なら3か7)を引ければ両面待ちに変化できるという利点もある。
辺張待ち
ペンチャンと読む。順子の片側を待つ形。具体的には12または89という並びである時の3および7を待つ形である。こちらも嵌張待ち同様に待ち牌の数は少ない。
双碰待ち
シャンポンと読む。対子2つで待つ形。片方を刻子として扱い、残る方を雀頭として扱う事になる。2種類の待ち牌が生まれるため有利に見えるが、実際には2種4牌であるため、嵌張待ちや辺張待ちと比べても有効牌数は変わらない。
単騎待ち
雀頭を待つ形。1種3牌の有効牌であることから他の待ちと比べると不利であるが、自由に待ち牌を選べるので読まれにくいというメリットもある。
地獄単騎待ち
単騎待ちの中でも既に有効牌の内2枚が見えており、1枚しか有効牌が残っていない待ちを地獄単騎待ち、或いは地獄待ちと呼ぶ。
裸単騎待ち
既に4副露を行っている状態の単騎待ちを裸単騎待ちと呼ぶ。手牌が実質1枚のみになるためオリは非常に困難。
ノベタン待ち
連続した4枚の数牌の両端が待ちとなることで、雀頭+順子という扱いになって単騎待ちが2つ成立している状態。例えば6789という並びだと、6と9の単騎待ちとなる。
多面待ち
上記の待ちが複数重なり、待ち牌が3種類以上ある状態。例えば23456という並びの場合、1,4,7が待ち牌になる。待ち牌が増えるという点では有利だが、特定の数牌が多数並ぶ染め手では複雑化しやすい、初心者泣かせの形である。同じ待ち牌でも待ちの解釈によって点が変わる場合は、高点法に従い点が高くなる方を選ばなければならない。例えば3455567という並びでは2,5,8が待ち牌になるが、5は両面待ちとも単騎待ちともとれるため、後者の解釈だと平和が成立しない場合は、平和が成立する前者の解釈が選ばれる。
その他の待ち方
聴牌のメリット
聴牌の関連
黙聴/闇聴
ダマテン/ヤミテンと読む。門前で聴牌したにもかかわらず立直を行わないこと。捨て牌や状況にもよるが聴牌を気取られにくくロン和了しやすい。一方で、立直を行わないことから他家が積極的に和了に向かって、結果として和了されてしまう可能性も有る。
形聴/形式聴牌
聴牌ではあるが、役が無いため和了出来ない聴牌のことである。実際には門前清自摸和や偶発役などで和了出来る可能性は有る。形聴は一般的には聴牌であるため、不聴罰符を享受したり、連荘出来たりするが、形聴を聴牌と認めないルールも一部にはある。
片和了
複数の待ち牌がある時に役が無いという理由で和了出来ない牌が含まれる待ちがある場合に片和了と呼ぶ。高目タンヤオの両面待ちなどがこれに当たる。
振聴
聴牌ではあるが、既に待ち牌を自身が捨てている状態のことを指す。これは片和了などで和了ることが出来ない牌も含まれる。
空聴
聴牌してはいるものの待ち牌が全て出尽くしている等の理由で和了の見込みが無い聴牌のことを指す。形聴同様に聴牌とみなされるかは取り決めによる。
日常会話に於ける聴牌
テンパイと呼ぶことは少ないが、テンパるというのは日常会話でもよく使われる表現である。大体の場合は軽いパニックを起こすという意味合いである。これは麻雀でも聴牌した際に動揺してしまうことがあるためであろう。
なおテンパるには英語で短気・癇癪を意味する「temper」から来ているとする説もある。