東八千穂
あずまやちほ
概要
『魔都精兵のスレイブ』の登場人物。
出雲天花が率いる魔防隊の六番組の副組長。
七番組の東日万凛は妹、九番組の東風舞希は母、東麻衣亜は姉、東海桐花は祖母、東誉は義理の姉妹に当たる。
一人称は「私様(わたしさま)」。
祖母の影響で特徴的な一人称、「~じゃ」「~のう」といった、老婆のような口調で話す。
魔都関連で功績の大きい名門・東家の出身で、その家柄を誇りを持っている。
性格は高飛車なもので、自分を天才と疑わない。一方で日々の鍛錬を欠かさない努力家の一面も見せる。趣味は詩を書くこと。好物は駄菓子と庶民的。
結果を出せない日万凛を出来の悪い妹として馬鹿にしているが、実際は重度のシスコンで、彼女の寮の部屋には日万凛の幼少期からの写真で埋め尽くされている。
普段の日万凛への振る舞いは好きな子を虐めたくなるような八千穂なりの愛情表現であり、馬鹿にしながらも一緒にいてほしいために家に帰るよう促したりしているのだが、同僚の若狭サハラからは「感情の表現方法がイビツ」と言われてしまっている。
能力
後述する能力と、魔都用に改造した拳銃で戦う。
- 東の辰刻(ゴールデンアワー)
時間を操作する能力。崇高な構えというポーズをとることで、時間を五秒止めるか戻すことができる。時間を止めて不可避の攻撃を放ったり、重傷や判断ミスをなかったことにしたり、疑似的な予知に利用したりと、多彩な使い方ができる。
ただし、使用の際にはポーズを取らなければならないので、ノータイムでは使えない。また、彼女自身の消耗も激しく、数回の使用でバテてしまう。能力の詳細を知っている者が相手の場合、時間を戻している(八千穂が時間を戻さざるを得ない有効打を与えている)ことに気付かれてしまうことも欠点。
- 東の大辰刻(プライムタイム)
至高のポーズをとることで、操る時間が倍の十秒まで増える。
しかし消耗も激しいので、一度使うとしばらく使用できなくなる。
余談
八千穂は後方支援に長けた希少な能力を持っているが、個の戦闘力は魔防隊の中では低い方である。何故なら「攻撃手段」と「性格」に難があるからだ。
まず、八千穂の攻撃手段は魔都用に改造された拳銃のみで、妹の日万凛のように体術ができる描写もない。無論某吸血鬼のように時間停止中に敵の周囲にナイフを「投擲」する技量も、敵の頭上からロードローラーでプレスする超人的な「身体能力」もない。
更に、八千穂は慢心して敵の攻撃を受けたり、受けそうになる描写がある。例を挙げると「魔都交流戦」で日万凛と(変身した優希)と戦った際、油断して初手をもろに喰らったことである。時間操作で攻撃を実質無効化にできるが、1度の戦闘で数回、しかも連続で能力を使えない現状を考えるともう少し慎重に戦うべきである。蛇足だが、六番組組長の天花は自身のみで行う瞬間移動は連続で666回可能である。
上記の理由から八千穂の個の戦闘力は魔防隊の中ではお世辞にも高くないのが現状である。能力の解釈を拡げる、魔都用に改造された「特殊な拳銃」以外で攻撃する手段を獲得する、そして驕りを捨てることが八千穂の成長の鍵かもしれない。
八千穂は妹の日万凛と一緒にいたいため実家に帰るよう促しているが、今の状況では不可能である。何故なら今の東家には日万凛の居場所がないからだ。祖母、海桐花が東家当主を務めていた頃は当主の方針として執拗に親族間を競わせた。その結果東家は強くなった反面、本家と分家の関係は悪化し、精神が歪んだ者や弱い者虐めが生まれる劣悪な環境を作り出した。
もし日万凛を東家に帰らせたいなら「八千穂が日万凛と本音で向き合い、鍛えて強くさせる」か、「八千穂が時期当主になって、過剰な実力至上主義の東家の方針を改革する」の二択しかない。前者は海桐花を認めさせて彼女の居場所を作るため、後者は日万凛など力が発展途上の者達の居場所を作るためである。だが、どちらにしても総合的な個の戦闘力が高くない八千穂には無理ゲーである。何故なら彼女には七番組組長の羽前京香や一番組副組長の冥加りうのように人材を育成する技術も、東風舞希のように時期当主になる実力もないのが現状だからだ。
故に今の状況では日万凛を実家に帰らせるのは不可能である。