東八千穂
あずまやちほ
『魔都精兵のスレイブ』の登場人物。
七番組の東日万凛は妹、九番組の東風舞希は母、東麻衣亜は姉、東海桐花は祖母、東誉は義理の姉妹に当たる。
一人称は「私様(わたしさま)」。
祖母の影響で特徴的な一人称、「~じゃ」「~のう」といった、老婆のような口調で話す。
魔都関連で功績の大きい名門・東家の出身で、その家柄を誇りを持っている。
高飛車な性格で、自分を天才と疑わない。一方で日々の鍛錬を欠かさない努力家の一面も見せる。
趣味は詩を書くこと。
好物は駄菓子と庶民的。しかしプライドが邪魔して好物を買えない八千穂の代わりに同僚の若狭サハラが買ってくれている。アニメ版第1期第5話のアイキャッチで、買ってきてくれた駄菓子を見て目を輝かせて喜んでいる。因みに日万凛も好物はラーメンと庶民的で、第4話のアイキャッチでラーメン屋で特盛のラーメンを注文し、姉妹故か八千穂と同様に目を輝かせている。
結果を出せない日万凛を出来の悪い妹として馬鹿にしているが、実は日万凛が大好きな重度のシスコンで、彼女の寮の部屋には日万凛の幼少期(どころか赤ん坊の頃の物も)からの写真で埋め尽くされている。
普段の日万凛への振る舞いは八千穂なりの愛情表現であり、馬鹿にしながらも一緒にいてほしいために家に帰るよう促したりしているのだが、同僚のサハラからは「感情の表現方法がイビツ」と言われてしまっている。
当然ながら当初は日万凛にはそんな想いは伝わるわけもなく、「東」という家そのものを嫌っていたため八千穂に対しても苦手意識があり、家に戻ることを拒否られるたびに石化して落ち込むのがお約束であった。
しかし交流戦と八雷神との戦いを経て多少は関係は回復しており、ともに連携を組むことや鍛錬を行うことも増えてきている。
優希に対しては、交流戦で優希が日万凛とペアで自身を打ち負かしたが、特に恨んだり嫌ったりはしていない。六番組と七番組との合同訓練においてサハラが入浴中の札を掛け忘れて優希がうっかり脱衣所に入ってしまい、初期の頃の日万凛ほど怒ってはいなかったが少しは照れて恥ずかしがっていた。
優希と会話してるシーンはほぼなかったが、小説版にて2人の会話が描写された。東家の強化合宿での稽古で休憩時間をもらってどう過ごすか悩んでいる優希に仕入れすぎて余った沢山駄菓子が入っている袋をお裾分けしてあげた。また優希について八千穂曰く「どこか放っておけない雰囲気を醸し出しておる」と評している。
後述する能力と、魔都用に改造された(別の能力者が力を付与した)拳銃で戦う。
- 東の辰刻(ゴールデンアワー)
時間を操作する能力。崇高な構えというポーズをとることで、時間を五秒止めるか戻すことができる。時間を止めて不可避の攻撃を放ったり、重傷や判断ミスをなかったことにしたり、疑似的な予知に利用したりと、多彩な使い方ができる。
ただし、使用の際にはポーズを取らなければならないので、ノータイムでは使えない。また体力の消耗が激しく、数回の使用でバテてしまう。相手が能力の詳細を知っている場合、時間を戻している(八千穂が時間を戻さざるを得ない有効打を与えている)ことに気付かれてしまうことも欠点。
- 東の大辰刻(プライムタイム)
至高のポーズをとることで、操る時間が倍の十秒まで増える。
しかし消耗も激しいので、一度使うとしばらく使用できなくなる。
このような時間に関する能力を得た理由について、サハラは「妹ととの時間を持ちたいからでは」と推測している。
八千穂は後方支援に長けた希少な能力を持っているが、個の戦闘力は魔防隊の中では低い方である。何故なら「攻撃手段」と「性格」に難があるから。
八千穂の攻撃手段は魔都用に改造された拳銃のみで、妹の日万凛のように体術が優れている描写もない(前述した通り日常的に鍛錬こそしているが、六番隊という組の性質上からか体術を学べる機会がないようである)。
無論某吸血鬼のように時間停止中に敵の周囲にナイフを「投擲」する技量も、敵の頭上からロードローラーでプレスする超人的な「身体能力」もない。
更に、八千穂は慢心して敵の攻撃を受けたり、受けそうになる描写がある。
例を挙げると「魔都交流戦」で日万凛と(変身した優希)と戦った際、油断していきなり初手で攻撃を喰らった事である。時間操作で攻撃を実質無効化にできるが、1度の戦闘で数回、しかも連続で能力を使えない現状を考えるともう少し慎重に戦うべきである。蛇足だが、六番組組長の天花は自身のみで行う瞬間移動は連続で666回可能である。
上記の理由から八千穂個人の戦闘力は魔防隊の中ではお世辞にも高くないのが現状。尚、母親の風舞希は娘達はそれぞれ弱点があり克服してほしいと願っており八千穂も例外ではないので、恐らくは慢心する性格や戦法は改善してほしいと思っているかもしれない。
能力の解釈を拡げる、魔都用に改造された「特殊な拳銃」以外で攻撃する手段を獲得する、そして驕りを捨てることが八千穂の成長の鍵かもしれない。
事実として「東の晩餐」で覚醒した日万凛は(劣化しているといえ)「東の辰刻」を使って母にクリティカルヒットを与えており、その後も仲間のフォローの他自身の「青雲の志」で得た能力や体術と絡めて効果的に使用している。