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小型月着陸実証機(SLIM)の編集履歴

2024-01-29 20:54:56 バージョン

小型月着陸実証機(SLIM)

こがたつきちゃくりくじっしょうき

月面着陸の技術実証のため、JAXAにより運用されている無人宇宙機である。 日本初となる月面着陸などさまざまな成果を挙げ、今もなお、ミッションを継続中である。

概要


小型月着陸実証機とは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)による無人宇宙機である。

小型の探査機によって、月への高精度着陸技術の実証をすること、従来より軽量な月惑星探査機システムを実現し、月惑星探査の高頻度化に貢献することを目的としている。


名称についてだが、英訳した名称の頭文字をとって、「SLIM(すりむ)」と呼称されることが多い。その他に、「ムーン・スナイパー(月の狙撃手)」という愛称もある。これは、実証した技術のひとつである、着陸したい地点へピンポイントで降下・着陸する技術から付けられている。


SLIMの旅


記事中で時刻を示すことがあるが、別記のある場合を除きすべて日本標準時(JST)である。


2023年9月7日-打ち上げ

鹿児島県南種子町に所在する種子島宇宙センターより、H-IIAロケット47号機によって2023年9月7日午前8時42分11秒に打ち上げられた。なお、SLIM単機ではなく、X線分光撮像衛星「XRISM(くりずむ)」と相乗りでの打ち上げ。(XRISMは、2016年に打ち上げられ、同年中に姿勢制御の異常により分解してしまったX線観測衛星「ひとみ」の代替機として開発されたものである。)


2023年10月4日-月スイングバイ

2023年10月4日、地球周回軌道から月遷移軌道へ移るために「スイングバイ」が行われた。

スイングバイは宇宙機の軌道を変化させる方法のひとつであり、天体の運動や万有引力を利用することで宇宙機の軌道を変更する。エンジンを吹かしての軌道遷移より推進剤(燃料)の消費が少なく済むため、アメリカの水星探査機「マリナー10号」や日本の小惑星探査機「はやぶさ(探査機)」など、遠い天体へ旅立つ探査機たちが必ずと言っていいほど用いている。


2023年12月25日-月周回軌道へ

月から近いところで600km、遠いところで4000kmの高度で楕円を描く月周回軌道への投入に成功したことが発表された。

ここから何度かに分けて高度を下げ、月の近くを周回する軌道へ遷移していった。


関連イラスト

SLIMに関するイラストを紹介してください。


別名・表記ゆれ


SLIM 「Smart Lander for Investigating Moon」の略称である。


関連タグ

SLIM ※略す前の英訳については表記ゆれの項目を参照のこと。


冬眠モード

主に電源系統に異常が起きた場合、探査機を保護し、地球から送信される再起動コマンドの受信に備えるためのモードのこと。SLIMはこの冬眠モードに手動で移行されたのち、2024年1月29日に探査活動を再開した。詳しくはリンク先記事の項目「実際に運用で使用された事例」を参照のこと。


工学実験衛星「ひてん(MUSES-A)」

スイングバイ・フライバイ技術習得を主目的とした工学実験衛星。多くの月スイングバイを行いながら同時進行で月面観測も行われており最終的には月面に着陸して運用を終えている。

SELENE(月周回衛星かぐや)

本格的月観測衛星。地球の出などの多くの実績を残し最後は月への里帰りを遂げ運用を終えている。


関連動画

解説動画

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