スクウェア(現スクウェア・エニックス)制作・発売のゲーム「ファイナルファンタジー7」の登場キャラクター、クラウド・ストライフとティファ・ロックハートのカップリング。
概要
故郷ニブルヘイムに住んでいた幼馴染同士。
幼い頃クラウドは村に出て「ソルジャー」になるとティファに告げ、ティファはその時ピンチになったら自分を助けに来てとクラウドに約束していた。
FF7発売当時の攻略本では、ティファはクラウドに好意を抱いており、ティファの片想いとしてプレイヤーの目には見受けられるが、物語の後半からその後発売のACやDCといったコンピレーション作品やスクウェア・エニックス監修の公式書を参考にすると、二人がパートナーとしてお互いを支えていることがわかる。
(FAINAL FANTASY7 REUNION FILESでは『母のようでもあり、恋人でもあり、一緒に戦ってきた戦友でもある』と書かれている。)
転機
クラウドはソルジャーになった後、セフィロスや神羅兵二人と共に故郷ニブルヘイムに訪れ、セフィロスの暴走に立ち会ったと仲間たちに語っていた。
しかしティファの記憶では、あの日セフィロスと共にニブルヘイムを訪れたソルジャーはザックスであり、クラウドとは彼が村を出てからミッドガルで再会するまで、一度も会っていなかった筈だった。なのに自分の目の前にいるクラウドは、ザックスの体験談をあたかも自分の体験談のように話していたのだ。
ティファがクラウドをアバランチに誘ったのは、戦力や幼馴染みであること以外にも、自分の知る事実と矛盾した事を言うクラウドを不審に思ったからである。ティファはこの決定的な矛盾を知りながら、それ以上に大切な幼馴染を失うことを恐れ、ずっと口に出せずにいた。
後にエアリスが殺され、大空洞でセフィロスと対峙した際、セフィロスはクラウドは「ジェノバ細胞によってティファの記憶を基に生み出されたセフィロス・コピー」であると告げる。
神羅に故郷を滅ぼされたティファはミッドガルに流れ着き、反神羅組織「アバランチ」に所属していた。そして「なんでも屋」となった元ソルジャー1stのクラウドと再会し、クラウドに「アバランチ」の活動を手伝って欲しいと誘ったのが物語のきっかけだった。
クラウドはそんな筈はないと否定するも、クラウドの言動が自分の記憶と食い違っていることを誰よりもわかっていたティファはセフィロスの言葉を完全に否定する事ができなかった。そのため幼なじみであるという事実を心の支えにし依存していたクラウドは結果、ティファに否定され自我は完全に崩壊。セフィロス・コピーとしての役目を果たすべく、セフィロスに「黒マテリア」を渡してしまった。
(FF7本編ゲーム内より「誰のどんな言葉よりもティファのその態度に俺は・・・」)
ティファはこの時、クラウドを肯定できなかった事を深く後悔していた。
その後、ライフストリームに落ちたクラウドは廃人状態で発見され、ティファはクラウドの看病のためパーティを離れる。そしてウェポンの襲撃で共にライフストリームに転落した際、ティファは「星の記憶」から構成されるクラウドの精神世界に辿り着き、今度こそ真実を見つけるためにクラウドと共に過去を辿っていく。
真相
実は幼少時代のクラウドとティファは村では殆ど話した事がなかった。
捻くれ者だったクラウドは他人と馴染む事ができず、「自分は他の奴らと違う」と思い込むことで自分を確立していた。一方のティファは村の男子たちのマドンナ的な存在であり、クラウドもティファに好意を抱いていたが、ティファの方はクラウドの事は殆ど眼中になかった。
亡くなった母に会いに行こうとニブル山を登ったティファが吊り橋から落ちた事件で、ティファの事を心配しこっそり後を着いていたクラウドはティファを守れなかったことを後悔し、強くなるためにソルジャーになることを決意。ティファを給水塔に呼び出してその決意を告げた。
ティファが「ピンチになったら助けに来て」と言ったのは、単にヒーローに助けられるお姫様気分のためだったが、この約束をきっかけにティファの中でクラウドの存在は次第に大きくなっていった。
吊り橋から落ちた出来事は、母を亡くしたショックでティファがずっと忘れていた事であり、それを知っていたクラウドはただのセフィロスのコピーなどではなく、間違いなくティファの幼馴染のクラウドであると確信する。
そして二人は5年前のニブルヘイムで、セフィロスやザックスと共に訪れていた「神羅兵」のひとりがクラウドだったという真実に辿り着く。クラウドはソルジャーになると言って村を出ながらも、実際はソルジャーになれなかった挫折感からティファを含めた村人に正体を隠して接していた。
ソルジャーになるという約束こそ果たせなかったが、ティファのピンチにかけつけるという約束は果たされていたのだった。
「元ソルジャーのクラウド」としての人格は、廃人状態だった時にティファと再会した事で、ニブルヘイムの事件の後実験としてソルジャーと同じく埋め込まれたジェノバ細胞により、「ザックスの記憶」「ティファの記憶」「自分の理想」が複雑に絡み合って生まれた人格であった。
ようやく本来のクラウドを取り戻せた二人は、手を繋ぎながらライフストリームの中を上昇し、仲間たちの下へ戻っていった。
最終決戦を直前にそれぞれ思い入れの場所へ戻っていった中、クラウドとティファは飛空艇に残り、互いの想いを語りあった。ちなみに他の仲間たちは、戻ってきたのはいいが二人の間に流れる空気を察して出づらくなり、こっそりと飛空艇の中に入っていた。
このときティファのクラウドに対する好感度が高ければ、仲間たちに見られたと知って恥ずかしがるティファの姿が見られるが、好感度が低い場合は二人の寄り添う場面では会話少なく、素っ気無く過ごしてるように見える。
しかしながら前半に設定されている好感度システムとは、クラウドの対象者への好感度が上がるのではなく、対象者たちがクラウドに好感を持てるかというシステムなので、誰の好感度を上げようとも、クラウドが自我を取り戻した以上、決戦前夜クラウドがティファと過ごすことは変わらない。
本編後
本編後はバレットの娘マリンと、クラウドが連れてきた孤児デンゼルと共にエッジで同棲するようになり、クラウドとバレットの薦めもあってティファはバー「セブンスヘブン」、クラウドは運び屋をそれぞれ営むようになる。
しかし、クラウドはエアリスやザックスを守れなかった罪悪感を、ティファはテロ行為で多くの人を死なせてしまった罪悪感を抱き続けており、互いに幸せになる権利はないと思い続け少しずつすれ違っていくようになる。
元々二人揃って抱え込みやすい性格であり、デンゼルが来てからは家の雰囲気は幾分マシになったものの、クラウドがデンゼルと同じく星痕に侵されて家を出てしまい、相変わらずすれ違いは続く。二人が和解するのは、ACでの出来事を経てからである。
(FAINAL FANTASY7 REUNION FILESより『過去の悔恨をいまだ引きずり、いつしかその安息の場所からも距離をおくようになってしまっていた・・・』)
(ダージュ オブ ケルベロス 公式コンプリートガイドより『自分の身代わりとして犠牲となった親友のザックスとエアリスに対して贖罪の意識を持ち、最近までくすぶっていた』)
このことからクラウドはFF7のメインヒロインであるエアリスには贖罪の意識があり、そしてティファには安息の場所から距離をおくようになってしまったなどから、FF7内においてティファはクラウドのヒロインとして存在している。
デンゼルやマリンを含めて最早家族同然の間柄になっており、二人はこれからも様々な障害を乗り越えながら、共に生きていくであろう未来が窺える。 ティファはクラウドと共に生き続ける女性である。
DDFF及びDFFNT
ティファがコスモス側、クラウドがカオス側の陣営についている。
二人とも記憶喪失の状態だが、クラウドのほうが戦闘経歴が長いためか、ティファの記憶をわずかながら思い出している。
なので、敵側にいる彼女のことを心配し、たった一人でカオスに挑んでいく。結果戦いに敗れ浄化。
コスモス側として復活するが、その際にティファの記憶は失ってしまった。
ティファはクラウドに再会することもなく、次元の穴をふさぐ戦いで大ダメージを負い、消滅してしまった…。
その後、マーテリアの力で再びディシディアの世界に呼ばれた際、クラウドはシャントットと再会したことがきっかけで、ティファのディシディアの世界での末路を思い出し、「いろいろ確認しなきゃな」とつぶやくのだった。