CV:寺瀬今日子
概要
札幌中央市の市長を務める女性政治家。
市民と行政がともに潔白な「スノウ・シティ」を掲げ、清掃キャンペーンを励行している。
かつてオクムラフーズ前社長の故奥村邦和氏と交流があったため、娘の春とも顔見知りである。
事件の真相(ネタバレ注意)
かなり早い段階で存在が示唆されていたジェイルの王(キング)。
柊アリスの事件を見届けた長谷川善吉から、怪盗団が次に対処すべき王として紹介され、このことがきっかけで怪盗団は日本全国を巡る旅に出発することになる。
ジェイルを確認する手段のない善吉や公安にマークされた理由はここ数か月における支持率の異常な上昇。これが、彼女がEMMAによる改心で支持者を獲得しているのではないかという疑惑に繋がった。
道中別のジェイルを発見して寄り道をしたため、王としては3番目に対峙することに。
一見、清廉潔白で精力的な人というイメージだが、怪盗団と現実で初対面したときは赤れんが庁舎の花壇の手入れを怠っただけの職員に対し人格否定ギリギリの言葉で説教をしていた。その後偶然再会した際には今度は明らかに体調不良に陥っている職員に対してなおも最高のパフォーマンスを出せと詰め寄り、相手がスタミナ不足で言い返せないのをいいことに一方的に自分の言い分を押しつけていた。
こうしたパワハラ行為を隠していないにもかかわらず支持率はうなぎ登りであり、そのカラクリこそ演説の中でEMMAを用いてキーワードを拡散し、ネガイを奪って有権者を熱狂的な信者に仕立て上げるというものだったのである。
しかし春曰く、昔は誰に対しても優しく、周囲を和ませるような女性だったとのこと。
彼女のジェイルも、決してP5本編のパレスやこれまでのジェイルのような、本人の醜悪さや歪んだ価値観が反映された悪趣味なものではなく、単に厳しい寒波が吹き荒れる氷漬けの都市という状態。
実際に行われているパワハラ行為と、それに反するような春の証言やジェイルの風景。その矛盾した状況を説明する答えが、ジェイルを攻略するうちに見えてくる。
作中の1年半ほど前、大通公園の雪祭りの会場で雪像が崩落し、女児が下敷きになって死亡する事故があった。当時も市長だった氷堂氏が謝罪したが、当初は不可抗力による事故と思われていた。ところがある時、市職員と市議会議員の密談を偶然聞いてしまい、崩落した雪像は職員が不適切な業者からリベート(賄賂)を受け取り製作したものだったこと、市職員が事故を利用して氷堂氏を陥れようとしていることを知ってしまった。氷堂氏はこの一件で周囲の職員や議員の腐敗した実態を知ってしまったことで、市長としてこれを正そうと考え、無茶な倫理条例を制定したり、職員を酷使したりしていたのだった。
氷堂氏のトモダチキーワードになっている「スノウ・シティ」は潔白さと同時に、「誰も信じられない」という心境の表れであった。(怪盗団からの予告状でも「心が凍った偽りの女帝」と形容していた)
後に怪盗団は、改心後の謝罪会見で事故の真相を白状したことを受けて「(事故の真相を知った際に)事実を公にして当の職員に責任を負わせることはできたが、他にも「悪」が潜んでいるはずだと気が気でなかったのだろう」「マリさんは、過ちを犯したままでいるのは望んでいなかった」と振り返っていることから、上述の行き過ぎた政策はその真面目さや正義感の強さがトラウマによって過度に強くなりすぎた結果であることがうかがえる。
札幌ジェイル
氷堂氏が王を務める、札幌市のジェイル。王城は赤れんが庁舎の位置にある。
札幌市が町全体凍り付いたような風景をしており、「スノウ・シティ」というキーワードを象徴している。
P5・P5Rにはなかった寒冷地系ダンジョンであり、仕掛けもストーブや吹雪といった寒冷地ならではの仕掛けが登場する。
中盤では王城に入ろうとすると大掃除のアナウンスと共にジャックフロストの群れが大行進するというインパクト大なイベントがあるが、これは現実で大掃除が行われていたのがジェイル内に反映されたものである。
キングとして君臨しているシャドウ氷堂は本体とは打って変わってブクブクと太った体系をしており、食事も味わう事無く義務的にガツガツ食べる。
戦闘時の「スノウホワイト・マリコ」は頭から下が魔王アバドン>を彷彿とさせる姿となっており、腕は数本の触手になっている。
全てを喰らいつくさんと肥大化した傲慢な姿は、根っからの善人だからこそ自分の行いが醜悪である事を自覚し、例え醜くなろうとも全てを一人で背負うという心の表れと思われる。
弱点が念動なのも精神的に無理し続けてるが為に不安定だからかもしれない。